月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

ファンタジー小説-異伝 ブルーメンリッター戦記

異伝ブルーメンリッター戦記 #15 主人公の逆襲

すぐ隣の椅子に座り自分を見つめている黒目黒髪の美人。好みのタイプの女性であったはずが、今はその容姿にまったく心が動くことはない。動くとしてもそれは嫌悪感、そして警戒感。悪感情を生むだけだ。 何故、主人公が自分に接触してきたのか。まったく可能…

異伝ブルーメンリッター戦記 #14 主要キャラの葛藤

今は二年生の合同授業の時間。これまで何度も行われている授業であるが、訓練場に漂う雰囲気はいつもとは異なっている。多くの生徒たちが、授業に集中出来ていないのだ。 そうなっている原因はリーゼロッテとジグルスを含む取り巻き所生徒たち。そして、その…

異伝ブルーメンリッター戦記 #13 敵キャラの密約、ではない

リーゼロッテたちが使っている部室。かつては目的があってそこに集まっているわけではなく、ただ雑談をする、それもリーゼロッテをひたすら持ち上げるだけの話を取り巻きたちがしているか、リーゼロッテが誰かの文句を言っているかだけの時間だったのだが、…

異伝ブルーメンリッター戦記 #12 お祭りは皆が主役

イベントのメインであるダンスパーティー。ミス・ミスターである自分たちはその時間を一緒に過ごさなければならないのだと分かって、檀上で呆然と立ち尽くすジグルスとユリアーナの二人。最初に立ち直ったのはジグルスだった。 「はい、提案があります」 「…

異伝ブルーメンリッター戦記 #11 イベントの主役

「残念。今日は貴方の騎士はいないのね?」 部室に入ってきたマリアンネの第一声はこれだった。リーゼロッテと仲が良い彼女ではあるが、この部室を訪れるのは初めてのこと。「くだらない取り巻きの顔なんて見たくない」、こう言って部室に近づこうともしなか…

異伝ブルーメンリッター戦記 #10 モブキャラの強さ

学院の強化合宿は、合宿所までの往復の行程を除いて、わずか一日で終了した。リーゼロッテのグループを襲った魔物襲撃事件の影響だ。 合宿地は一般の人が登山を楽しむ行楽地でもある。そんな場所に魔物の集団が出現したのだ。事は学院内で処理出来るような問…

異伝ブルーメンリッター戦記 #9 主役不在のイベント

合宿所で一晩を過ごした後は、いよいよ本格的な調練が始まる。 初日は山頂に向かっての登山。いくつかの集団に分かれて、それぞれが決められたルートで山頂のゴールを目指すのだ。登山と言ってもそれなりに整備された道を進むことになるので、体力のある生徒…

異伝ブルーメンリッター戦記 #8 モブキャラの秘密

一、二年生が一緒に参加する学院行事である強化合宿。それが行われる山中の合宿所はジグルスが思っていたのとは違って、実に快適な場所だった。 立ち並ぶ宿泊施設は王都の下手な住居より遙かに立派な建物。建物の中も綺麗に整えられている。詰め込まれて寝る…

異伝ブルーメンリッター戦記 #7 モブキャラの奮闘~リーゼロッテの回想

部室を訪れる者たちもすっかり少なくなったわ。 あの女との対戦で負けてから、私とあの女との力関係は完全に逆転した。ある者はあの女が被っている偽善に騙されて、ある者はあの女が垣間見せた裏の顔。その力を恐れて。 かつては信頼できる友人であったエカ…

異伝 ブルーメンリッター戦記 #6 主人公の悪意

主人公が進めている攻略ルート。カロリーネ王女を取り込む為の工作を行ったからといって、自分が考える最強ルートだと決めつけることは出来ないとジグルスは思い始めた。主人公はゲームシナリオにとらわれることなく、ゲームの仕組みを熟知した上で自ら考え…

異伝 ブルーメンリッター戦記 #5 モブキャラの賭け

疑わしい人たちが無罪であることを確認して真犯人を絞り込んだ。その上で、リーゼロッテが犯人であるという噂を塗り替える為の工作も行った。あとは最後の仕上げ。これが成し遂げられなければ、ここまでのことはほとんど意味を為さなくなる。だが、ジグルス…

異伝 ブルーメンリッター戦記 #4 モブキャラの工作

物語のハッピーエンドはリーゼロッテにとってのバッドエンド。そんな運命を背負った敵役キャラに協力するのは酔狂だと思う。それでも何故か、以前と比べて少し気持ちが沸き立っている自分がいるのをジグルスは感じている。 モブキャラとしてただ物語に流され…

異伝ブルーメンリッター戦記 #3 モブキャラの価値

アルウィンがその動きに気が付いたのは偶然だった。一人廊下に立ち、さりげなく教室にいる女子生徒たちの会話に耳を澄ます。盗み聞きを趣味にしているつもりはアルウィンにはない。女子生徒の会話から、彼女たちが今どのようなことに興味を持っているかを探…

異伝 ブルーメンリッター戦記 #2 モブキャラの決意

時系列についての誤差は多少あるものの、物事はジグルスの知っている通りに進んでいく。今のこの状況も既知のイベントだ。 (しかし、まだこのイベントが必要なのだろうか? エカード様はとっくに攻略されていると思うのに) そう疑問に思いながら、ジグルス…

異伝 ブルーメンリッター戦記 #1 モブキャラ転生

自分が転生者だと気が付いたのは六歳になったばかりの頃だった。何気なく枕元に置かれていた、いつも寝る前に母親が読んでくれていた本を開いてみると、初めて見るはずの文字の意味が分かった。 そして、分かっているということを自分が認識した瞬間、堰を切…