月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

ファンタジー小説-異伝 ブルーメンリッター戦記

異伝ブルーメンリッター戦記 #62 まさかの接近

戦況は一変した。道の拡張と砦の建設工事。その場はローゼンガルテン王国軍にとっては奇襲に怯える場所ではなく、敵を罠にかける場所に変わっているのだ。奇襲を狙って森に潜んでいる魔人軍に対して、ジグルス率いるリリエンベルク公国軍は片端から襲撃を行…

異伝ブルーメンリッター戦記 #61 主人公の思い

多くの木々が空に向かって伸びている。その先は雲ひとつない晴天。青々とした空に太陽が浮かんでいる。だが陽の光は生い茂る葉に遮られて、ほとんど地上に届かない。届く必要もない。陽の暖かさを、青空の美しさを喜ぶ余裕など、地上で殺し合いを行っている…

異伝ブルーメンリッター戦記 #60 一つの物語が終わりに近づいている

ローゼンガルテン王国軍の陣営のほぼ正面から森の奥に伸びる道。もともとは猟師やきこりなど森で育まれる資源で、生活の糧を得ている人たちが使っていた道だ。 かろうじて荷馬車が通れるくらいの道幅だったそれは、今はその何倍もの広さになっている。多くの…

異伝ブルーメンリッター戦記 #59 モブキャラ舞台に昇る

ローゼンガルテン王国の西、ラヴェンデル公国の西端にも、東の大森林地帯ほどの規模ではないが森が広がっている。隣国との国境となる山岳地帯から広がっている森だ。 戦場はその森の中に移っている。一進一退の攻防を繰り広げた結果、なんとかここまで魔人軍…

異伝ブルーメンリッター戦記 #58 激戦の始まり

前線は両軍が入り乱れての混戦となっている。どちらが優勢かは最前線で戦っている騎士や兵士には分からない。考える余裕もない。 群がる魔物、それに混ざって現れる魔人。魔物に対抗させようと兵士を前に出せば魔人に、実際は力ある魔物である場合もあるが、…

異伝ブルーメンリッター戦記 #57 舞台の上では

兵士たちの休憩時間。いつものようにジグルスにとっては個人の鍛錬を行う時間だ。だが今日に限っては、その中身は少し違っている。ジグルスの目の前に立っているのは父親のクロニクス男爵ではなく、母親のほうだった。母親と立ち合いを行うことになったのだ…

異伝ブルーメンリッター戦記 #56 主人公たちの戦いが始まる

ラヴェンデル公国の中心都市リラヒューゲルから真っ直ぐ西に移動した位置にある平原地帯ドゥエルヴィーゼ。そこが魔人軍との会戦の場となった。 魔人軍十万に対してローゼンガルテン王国軍、ラヴェンデル公国軍の二軍を含めて、は総勢二万四千。数の差は圧倒…

異伝ブルーメンリッター戦記 #55 開戦

――その日は突然やってきた。 すでに一年近く前からローゼンガルテン王国は戦時体制に移行し、開戦に備えてきたのだが、多くの人々がそういう感覚を持ってしまうほど、何の前触れもなく魔人軍は現れた。ローゼンガルテン王国の西の国境、ラヴェンデル公国領に…

異伝ブルーメンリッター戦記 #54 重なる影

リリエンベルク公国の都市シュバルツリーリエ。公国領のほぼ中央にあるリリエンベルク公国の政治、軍事、そして商業の中心となる都市だ。その場所に公主であるリリエンベルク公爵家の本屋敷がある。 リリエンベルク公爵家は四公爵家の中でも、もっとも芸術や…

異伝ブルーメンリッター戦記 #53 再会の時

ジグルスが教官となっている新設部隊は、リリエンベルク公国軍特別遊撃隊と名付けられた。リリエンベルク公爵が自ら行った視察の結果、公国軍の正式部隊として認められたのだ。 視察時にリリエンベルク公爵が残していった二百名、それにさらに三百があとから…

異伝ブルーメンリッター戦記 #52 正しいのは誰?

ローゼンガルテン王国が戦時体制に移行して半年以上が過ぎているが、魔人との戦いは始まっていない。それは王国にとって良いことばかりではない。今はもう悪いことのほうが多くなったという状況だ。あくまでも、平和であるという、どれだけ悪いことが増えて…

異伝ブルーメンリッター戦記 #51 モブキャラ増員

寒さも緩み、春の訪れを感じられるようになったリリエンベルク公国北部。雪の消えた、決して広いとはいえない街道に何台もの馬車が連なっている。その中でも一際豪華な馬車。鎧姿の騎士が乗る馬に周囲を囲まれて進んでくるそれは、リリエンベルク公爵が乗る…

異伝ブルーメンリッター戦記 #50 主人公は誰?

広大な王城の敷地のすぐ隣に王国騎士団の施設はある。隣といっても、実際にはほぼ一体化している。王国騎士団の施設もまた、いざという時には敵の侵入を防ぐ防御施設となるのだ。 その施設のひとつである第三訓練場。いくつかある王国騎士団の訓練場の中でも…

異伝ブルーメンリッター戦記 #49 家族として

リリエンベルク公国はローゼンガルテン王国領の中で、もっとも北に位置する。さらに北東に位置する大森林地帯に近い土地のように人の往来が難しくなるほどではないが、それでも冬の寒さが本格化する年明けとなると領地のほとんどが雪に覆われることになる。…

異伝ブルーメンリッター戦記 #48 モブキャラは先駆者

ジグルスが教官を務める新設部隊の鍛錬は、学院の同級生たちが加わったことにより、さらに激しさを増している。中身は以前と変わらないのだが、いくらジグルスが頑張っても全員には目が届かなかった問題が解消されたのだ。それにより兵士たちは益々気を抜け…

異伝ブルーメンリッター戦記 #47 目標は脱モブ

周囲に広がるのはのどかな風景。わずかな畑地とそれの何倍もある牧草地の中を、都市部とは異なり整備が行き届いていない荒れた道が遠くまで伸びている。遠くに見えるのはローゼンガルテン王国の北東に広がる大森林地帯、それに繋がる大山脈だ。すでに大山脈…

異伝ブルーメンリッター戦記 #46 主人公補正?

ジグルスが去った後のローゼンバッツ王立学院。学院イベントは期待通りの結果に終わり、生徒たちの雰囲気は全体的に良くなっている。貴族の生徒と平民の生徒との間の交流に関しては、探り探りの部分はかなりあるが、少なくともネガティブな行動をとる生徒は…

異伝ブルーメンリッター戦記 #45 物語の分かれ道

会場にいるほぼ全ての生徒たちが踊りに参加している。その様子を壇上から眺めているエカードは満足そうだ。これがエカードの望んでいた形。学院行事のお祭りは貴族の生徒たちと平民の生徒たちとの間にあった垣根を取り払い、全員が楽しめるものになっている。…

異伝ブルーメンリッター戦記 #44 登場人物がまた増えた

ユリアーナの卑劣な謀を知っても、それに怯えることなくクラーラは活動を継続している。実際に襲われることになっていれば、また違った決断をしたのかもしれないが、ジグルスのおかげでその身を傷つけられることはなかった。以前よりも闘志を燃やしているく…

異伝ブルーメンリッター戦記 #43 チート主人公と魔人は紙一重

エカードは学院を一つにまとめることに苦心している。それを実現する為の土台は出来上がっている。リーゼロッテとタバートの二人と話し、自分の意思を伝えた。どちらも、リーゼロッテは積極的ではないが、同意は得ている。平民の生徒たちとは接する機会を増…

異伝ブルーメンリッター戦記 #42 敵味方の役柄は変えられるのか

クラーラは何者なのか――これを考える人はいない。仮にいたとしても答えは見つけられないはずだ。それが出来るのはジグルス・クロニクスただ一人。彼だけが答えを導き出せる、その彼も答え合わせをすることは出来ないが。 活発になったクラーラの行動はまるで…

異伝ブルーメンリッター戦記 #41 主要キャラの初恋?

ジグルス・クロニクスとは何者なのか――自分が転生者だと知り、そうでありながら特別な才能を有していないと思い知った時からジグルスはそれを考えていた。さらにこの世界がゲーム世界であり自分の名は登場人物にはないと知ったあとは、その考えに囚われてい…

異伝ブルーメンリッター戦記 #40 見えなくなった物語の行く末

ジグルス・クロニクスとは何者なのか―― リリエンベルク公爵家従属貴族クロニクス男爵の一人息子。母親はエルフだと噂されている。貴族家の嫡子としては滅多にいるものではない。少なくとも過去、ローゼンバッツ王立学院にそういった生徒が入学したことはない…

異伝ブルーメンリッター戦記 #39 モブキャラの教え

エカードの命令に従って、ということにして、ジグルスについての情報収集を始めたクラーラ。その行動は精力的だった。 まず行ったのは徹底した聞き込み。ジグルス・クロニクスという生徒を知っているか、知っているなら彼がどういう人か知っているか。彼に関…

異伝ブルーメンリッター戦記 #38 モブキャラに向けられる目

リーゼロッテは今日も放課後の部室に一人で残って、考え事をしている。考えているのはジグルスのこと。だが今日はこれまでとは考える内容が違う。何故、ジグルスに心を惹かれるのか。その答えはもう得られたのだ。 ユリアーナとジグルスの立ち合いを見ていた…

異伝ブルーメンリッター戦記 #37 モブキャラの覚悟

授業中は以前と同じように自身の存在感を消し去っているジグルス。だが実技の時間である今は、さらに強く意識して気配を消している。立ち合いなどに参加させられことなく、授業の見学していたいからだ。 怠けたいからではない。授業はサボっているが、見学し…

異伝ブルーメンリッター戦記 #36 再登場もあるかも

主人公たちの訓練を見学したあと、約束通り、カロリーネ王女との面会に赴いたジグルス。だがカロリーネ王女のほうは少し約束を破った、は言い過ぎかもしれないが、隠し事をしていた。 案内された部屋にいたのはカロリーネ王女の兄。次期国王になる予定のアル…

異伝ブルーメンリッター戦記 #35 登場キャラでしたか?

ローゼンガルテン王国騎士団の訓練場。騎士にしてはかなり若い、せいぜい見習い騎士にしか見えない者たちが、そこで訓練を行っている。見た目通り、彼等は騎士ではない。学院の生徒たちだ。 エカード、ユリアーナ、レオポルド、マリアンネやウッドストック、…

異伝ブルーメンリッター戦記 #34 モブキャラの友情

学院に復帰したジグルスは以前同様、忙しい毎日を送っている。以前と異なるのはその動きがまったく周囲には見えないこと。一年生の時と同じように、存在感を完全に消していた。 勉強の内容も戻している。軍事に傾いていたものを、学院に来た本来の目的である…

異伝ブルーメンリッター戦記 #33 モブキャラには気をつけろ

ローゼンガルテン王国は戦時体制に移行した。ただその事実は公にされていない。魔人との本格的な戦いが始まったわけではない。今はまだ情報を収集し、要所と思われる場所に軍を配置するなどの準備段階。この時点で国民の不安を煽る必要はないという判断から…