月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

更新!「月の文庫ブログ」掲載小説一覧

月の文庫ブログにて掲載している小説の一覧です。話数が増えてくると、ブログ形式では第一話を探すのが面倒かと思って、このページを用意してみました。 ※2019年11月20日「全話一覧」へのリンク追加 少しずつですが掲載小説は増やしていきたいと思っています…

四季は大地を駆け巡る #80 建国の苦労

グランはドュンケルハイト大森林に入ってすぐにエルフの集団に捕まった。ゆっくりと大森林の景色を眺める時間もない。あっという間の拘束だった。 ただそれはグランにとって悪いことではない。少なくとも、魔獣に襲われて死ぬという結末は免れた。あくまでも…

四季は大地を駆け巡る #79 帰還

眼前には青々とした草原が広がっている。その向こうには遙か先まで連なる密集した木々。他の地域にある大森林とは似て非なる場所。それが精霊の地ドュンケルハイト大森林だ。 帰ってきた。その光景を見た瞬間、ヒューガはそう感じた。ここが自分の戻る場所。…

四季は大地を駆け巡る #78 悪魔の所業

目の前で燃え盛る炎。魔法を使っての、懸命の消火活動が続いているが、その勢いが衰える様子はない。燃え盛る炎の中には大勢の味方がいる。早く火を消して、彼等を助けなければならない。美理愛も、そんな焦る気持ちをどうにか落ち着かせて、魔法を唱える。 …

四季は大地を駆け巡る #77 大国のジレンマ

パルス王国と魔族の戦いが本格化しようとしている。戦況は逐一、ノースエンド伯爵を通じて、領地に戻っているイーストエンド侯爵にも届けられているが、その中身はパルス王国にとって決して良いものではない。 届けられた報告を聞いて執務室に戻ってきたイー…

四季は大地を駆け巡る #76 戦いが始まる

ヒューガから詳しい事情を聞かされた美理愛は、頼み事を聞くことにした。奴隷にされていたエルフを助ける為、しかもそれがかなり命懸けの行動だと知ってしまっては、美理愛が断れるはずがない。それが分かっているからヒューガは美理愛にお願いしたのだ。 美…

四季は大地を駆け巡る #75 息抜き

パルス王国のノースエンド伯爵領から北に進んだ、魔族の領土にかなり近づいている場所。平時であれば人気のないその平原に今は数え切れないほど多くの天幕が立てられている。その間を動き回っているのは武装した人たち。パルス王国の魔族領侵攻軍の陣地だ。 …

四季は大地を駆け巡る #74 新生活の始まり

城に続く大通りを馬車の行列が進んでいる。もうすぐ領主であるイーストエンド侯爵の到着。それを迎える為に城門の前には多くの騎士が並んでいる。クラウディアもその迎えの列に加わって、チャールズの隣に立っている。ただ彼女の気持ちは、イーストエンド侯…

四季は大地を駆け巡る #73 見えない未来

イーストエンド侯爵一行は領地へ続く街道を東に向かって急いでいる。本来はこれほど急ぐ道程ではなかったのだが、今は事情が出来た。先行する集団に追いつこうとしているのだ。 それも最初はここまでとは思っていなかった。追いかけている集団には子供もいる…

四季は大地を駆け巡る #72 うねり

イーストエンド侯爵家の領主館。その執務室で今日も、チャールズとクラウディアは各地から届けられる報告書や決裁書に目を通している。 クラウディアはこういった仕事が得意だ。王家に生まれた彼女。王女であっても、きちんとした帝王教育を受けている。パル…

四季は大地を駆け巡る #71 分かり合えない人たち

「話って、どこでするの?」 武器屋を出て少し歩いた所で、夏が美理愛に話しかけてきた。一秒でも速く、美理愛と離れたい夏。話をしたいのは美理愛であるのに、何も言ってこないことに焦れた結果だ。 「あっ、そうね。じゃあ、お城に戻りましょうか」 「冗談…

四季は大地を駆け巡る #70 転機

真夜中の貧民区。夜の闇に覆われているはずの貧民区は今、赤々とした光に照らされている。自然の光ではない。何者かが火をつけたのだ。 その何者かたちの姿は今も貧民区にある。いかにもという感じの黒装束の男たちが、あちこちで駆け回っている。顔は見えな…

四季は大地を駆け巡る #69 王国を守る盾

勇者が帰還し、いよいよ魔族領侵攻作戦の開始が間近に迫っている。そんな状況であるのに、アレックスはエリザベートの下へ日参する羽目に陥っている。 大事な時期だ。疑いを持たれるような行動は取りたくないのだが、それがエリザベートには通じない。毎日、…