月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

更新!「月の文庫ブログ」掲載小説一覧

月の文庫ブログにて掲載している小説の一覧です。話数が増えてくると、ブログ形式では第一話を探すのが面倒かと思って、このページを用意してみました。 ※2019年11月20日「全話一覧」へのリンク追加 少しずつですが掲載小説は増やしていきたいと思っています…

勇者の影で生まれた英雄 #61 銀狼兵団

グレンはローズたちを連れてゼクソンの王都に辿り着いた。 同行したのは三十名。信頼出来る者だけを厳選した結果だ。グレンとローズを入れて総勢三十二名の一行は、王都に入るとすぐに丸々借り上げられた宿屋に案内された。 それだけの人数で戻ってきたこと…

異伝ブルーメンリッター戦記 #75 真実は残酷だ。だから人は隠したいと思うのだ

総指揮官がジグルスに討ち取られたことで魔人軍は撤退。形としてはそういうことで、総大将を討ち取ることで逆転勝利を得るという展開は過去の戦いにおいて何度もあったことだ。そうであるのだがジグルスはなんだか腑に落ちなかった。魔人軍が撤退していく様…

勇者の影で生まれた英雄 #60 接近

裏町を出た健太郎と結衣は、予定通り買い物をする為に表通りの店に入った。あらかじめ決めていた店だ。 人の行き来の多い大通りに面している店であるのだが、他に客の姿はない。店の方で気を使って人払いをしたのか、そもそも普段からこのようなのか分からな…

異伝ブルーメンリッター戦記 #74 モブキャラが覚醒したら何と呼ぶべきだろう

ブラオリーリエにこもるリリエンベルク公国軍との交渉は決裂に終わった。交渉の使者とされたフレイには初めから分かっていたことだ。リリエンベルク公国の中心都市シュバルツリーリエに残った人たちは皆、死を覚悟していた。それをブラオリーリエにいる人々…

勇者の影で生まれた英雄 #59 代役

ここ最近ずっと健太郎のイライラは止まらない。自慢気に異世界の知識をひけらかしてみても、そのほとんどを金が掛かるという理由で否定されてしまう。大将軍という地位に就き、軍の頂点に立ったと聞かされているのに、結局は自分の思ったようには物事が進ま…

異伝ブルーメンリッター戦記 #73 新たな物語は新たな登場人物を必要とする

キルシュバオム公国での戦いはローゼンガルテン王国軍の優勢で進んでいる。ただあくまでも現時点で考えた場合の優勢だ。魔人軍の侵攻を許し、いくつかの拠点を奪われているという事実は変わらない。 魔人軍はラヴェンデル公国軍での戦いとは異なり、拠点確保…

勇者の影で生まれた英雄 #58 勇者のつまずき

――グレンたちが王都を発って数日後。 ウェヌス国軍の兵舎の会議室では、いくつもの会議が行われていた。今は三一○一○中隊が会議中だ。会議といってもその内容は第三軍の実質的な解散の通達だった。 「第三軍は丸々、勇者の直轄軍になることに決まった。所属…

異伝ブルーメンリッター戦記 #72 老戦士はただ去るだけでは終われない

街道を力ない足取りで南下する人々の列。その最後尾には、前を歩く人々とは異なり、きちんと隊列を整えて歩く軍人たちの姿がある。リリエンベルク公国の中心都市シュバルツリーリエから逃れてきた人々だ。 今のところ魔人軍の襲来はない。だからといって、そ…

勇者の影で生まれた英雄 #57 グレンの秘密

――ローズの正体はソフィア・ローズ・セントフォーリア。大陸を統べていたエイトフォリウム帝国の皇族。 執事の衝撃の告白からグレンが立ち直るには、長い時間を要した。ようやく口を開いて出来てきたのは。 「嘘ですよね?」 否定の言葉だった。執事が嘘をつ…

異伝ブルーメンリッター戦記 #71 主人公が多くの人の心を捉えるのに手段は問われない

キルシュバオム公国南西部。エカードたち花の騎士団が向かった戦場では激しい戦いが行われていた。キルシュバオム公国に侵攻した魔人軍はおよそ五万。それに対してローゼンガルテン王国とキルシュバオム公国の連合軍は三万。数の上で劣勢だ。さらに質の上で…

勇者の影で生まれた英雄 #56 ローズの秘密

幾本もの木々が整然と立ち並ぶ緑豊かなその場所はウェヌス王都の墓地。木々の間には白い墓石が、これもまた整然と並んでいる。 人気のないその場所に一人佇む男の姿があった。漆黒の髪、どこにでもいそうな商人の様な姿をしたその男は、グレンだ。 墓石にフ…

異伝ブルーメンリッター戦記 #70 何故物語は悲劇を求めるのか

リリエンベルク公国領に侵攻した魔人軍は三万。その第一報を聞いたリリエンベルク公爵が懸念した通り、その軍はほぼ魔人だけで編成された精鋭と呼べる軍だった。 その魔人軍に対してリリエンベルク公国軍は善戦した。兵を鍛えるだけでなく、防衛線と定めた地…