月の文庫ブログにて掲載している小説の一覧です。話数が増えてくると、ブログ形式では第一話を探すのが面倒かと思って、このページを用意してみました。 ※2019年11月20日「全話一覧」へのリンク追加 少しずつですが掲載小説は増やしていきたいと思っています…
モルクインゴンの街に大きな動きはない。新たな戦いに向けての動きがないだけで、崩壊した砦の再構築作業などは行われている。モルクブラックバーン家の戦いは防衛戦。山岳地帯への侵攻など出来ない、行っても大きな被害を出すだけなので、ゲルメニア族側か…
王都で会議が開かれる半月前――エリザベス王女拉致事件の発生から、現地では何度も作戦会議が行われていた。だがいくら会議を重ねても、妙案は出てこない。逆に、救出作戦の成功を困難にする事実が増えるばかりだ。それでも諜報部は諦めることなく、調査を続…
レグルスの行動範囲が広がった。これまでは牢の中と、その牢のすぐ前の広場だけが行動範囲だった。たまに、レグルスにとっては意味不明の食事会に参加することがあるが、その場所は行動範囲とはレグルスは考えない。食事会の参加は強制されたもの。自由に動…
レグルス戦死の情報が王都に届いたのは戦いから三か月後のこと。伝令の移動速度を考えると、一か月以上、ブラックバーン家は報告を留めたということになる。意味があってのことではない。戦場を分析し、生きている可能性はないと判断するまでに必要な期間。…
砦から退却したドミニク率いるモルクブラックバーン家軍。そのままモルクインゴンの街で籠城戦を挑む、ということにはならなかった。ゲルメニア族がいつまで経っても、侵攻してこないのだ。何も分からないままでは対処のしようがない。ゲルメニア族相手では…
手足はずっと拘束されたまま。牢から出されることもない。不自由があるとすれば、それくらい。レグルスにとっては、それほど不快な生活環境ではない。牢の奥には水が流れている場所があり、体を洗うことが出来る。排泄も水が流してくれるので、不潔ではない…