月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

ファンタジー小説-悪役令嬢に恋をして

悪役令嬢に恋をして #11 ライバルを蹴落とす方法を考えてみる

リオンが侍女の情報を色々と突き合せて分かったことは、エルウィンをウィンヒール侯家の後継ぎにしようと画策している従属貴族はウスタイン子爵以外にも居るという事実だ。 しかも、それを同じ侯家のアクスミア家が支援しているという最悪の状況。 他家が何…

悪役令嬢に恋をして #10 夏休みなんて従者には関係ない

一学期もあっという間に終わり、夏季休暇に入った。 リオンはヴィンセントに少し遅れて、屋敷に戻る事にした。寮の片づけや、休暇の間に読みたい本を借りる為、など理由は色々とある。 だが、それは表向きの理由で、実際には纏まった自由な時間が欲しかった…

悪役令嬢に恋をして #9 変な女につきまとわれています

貴族の子弟に対して、爵位に応じた待遇の違いがあるように、その従者にも違いがある。主人たちが授業を受けている間、従者たちは控室で待つ事になるが、その控室も、仕える家の爵位によって変わるのだ。 今年から用意された王家と三侯爵家の従者専用室はその…

悪役令嬢に恋をして #8 イベント:出会いの季節

季節は春。王国学院の教師たちにとって、もっとも忙しくて大変な時ではあるが、初々しい新入生を迎える事で、気分は一新、どこか気持ちが湧き立つ時期でもある――例年ならば。 今年に限って職員室では、一学年クラスを受け持つ担任たちが、学年主任を中心にし…

悪役令嬢に恋をして #7 少し、いえ、かなり大人になりました

まだ暗い部屋。時計がなくても感覚で分かる。もうすぐ起床の時間だ。その前に、邪魔者には出て行ってもらわないと。 「……もう、朝です。起きてください」 「……ん」 「朝です」 「……もう? まだ暗いじゃない」 体をゆすって、ようやく隣で寝ていた女が目を覚…

悪役令嬢に恋をして #6 お嬢様に隠し事は出来ません

ヴィンセント様とエアリエル様にはエルウィン様という腹違いの弟が居る。 三か月以上もこの屋敷に居て、ようやくそれが分かった。こんな大切な情報を教えてくれない周りの人もどうかと思うが、人に避けられる立場の俺だ。自分から、情報は求めなくてはいけな…

悪役令嬢に恋をして #5 生活にもかなり慣れました

ウィンヒール家に仕えるようになってから三か月になる。ここでの生活も大分慣れてきた。 朝は日の出の前に起きて、体を鍛える毎日。この家の朝は早い。使用人は日の出とともに起きだして、仕事を始めるので、その前に起きないと自分の時間が作れないからだ。…

悪役令嬢に恋をして #4 従者の一日

ウィンヒール侯爵家の嫡男であるヴィンセントの専任従者。それが自分の仕事になった。 どうしてこうなったのか、いくら考えても答えが見つからない。仕方なく、聞きたくない相手に尋ねる事にした。 「あの」 「何だ? 何か分からない事があるのか?」 先程ま…

悪役令嬢に恋をして #3 とりあえず仕事は決まりました

目が覚めると昨日とは違う部屋だった。 昨日の夜に俺の部屋だと案内された場所だ。ベッドと小さな机とタンスが置かれている。それだけで、スペースがほとんど無くなる様な狭い部屋。 元の部屋も同じようなものだから気にはならない。四畳半一間でトイレは共…

悪役令嬢に恋をして #2 結局、俺は何者なのだ?

侍女の後について廊下を歩く。廊下を見ただけで、この建物が驚く程広いということが分かった。 どこまでも真っ直ぐに続く廊下。その左右の壁には数えきれない程の扉が並んでいる。巨大ホテルがこんな感じだろうというところだ。巨大ホテルなど行ったことがな…

悪役令嬢に恋をして #1 いきなりこの展開はヘビー過ぎる

目を覚ますと、目の前には多くの星が瞬く夜空が広がっていた。 これ程の綺麗な夜空を見たのは生まれて初めてだ――こんな感動は一瞬で消し飛んだ。辺りに漂う何のものとも分からない強烈な異臭によって。 堪らずこの場を離れようとしたが、次に襲ってきたのは…