月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

ファンタジー小説-悪役令嬢に恋をして

悪役令嬢に恋をして #70 フレイ子爵の反乱

メリカ王国のオリビア王女が捕虜になっている。この事実をグランフラム王国は、事もあろうにメリカ王国から教えられて初めて知った。戦後の交渉の為にと現れたメリカ王国の使者が真っ先にこれを話したのだ。 全く事情を知らないグランフラム王国側の交渉担当…

悪役令嬢に恋をして #69 戦いの結末は、次の戦いの始まり

オクス王国との国境に後少しの位置まで、グランフラム王国の軍勢は退却してきた。後は、国境の緩衝地帯となっている丘陵地を超えるだけ。それで、オクス王国の領内に逃げ込む事が出来る。 だが、その丘陵地の入り口でグランフラム王国軍は移動を止めて、陣形…

悪役令嬢に恋をして #68 立場逆転中

グランフラム王国とメリカ王国の戦いは、結果としてグランフラム王国側の勝利で終わった。王都攻略を目指して、侵攻してきたメリカ王国側が、その目的を果たすことが出来なかった、というだけでなく、勝敗がはっきりと分かるほどの損害をグランフラム王国は…

悪役令嬢に恋をして #67 裏イベントは終わらない

メリカ王国との戦いが進んでいる中、アーノルド王太子たち、魔人討伐軍の一行は、任務を終えて帰途についていた。 マリアしか分かっていない事だが、後半パートも終盤に差し掛かっている。魔人との戦いも架橋を向かえ、より一層厳しい戦いとなる、はずなのだ…

悪役令嬢に恋をして #66 裏イベント:メリカ王国迎撃作戦

最終的にメリカ王国迎撃戦におけるリオンの立場は、情報統制官というものに落ち着いた。戦地での様々な情報を収集し、それを分析し、分析に基いて自軍が行うべき行動を指揮官に進言する。 決定権がないだけで、やらされる事は同じだ。指揮権を無くし、情報統…

悪役令嬢に恋をして #65 凡王にも野心がある

結局、国王に押し切られる形で、メリカ王国に最大限の損失を与えるという目的の作戦をリオンは考えさせられた。考えなければ、別の者に考えさせた上で、リオンも作戦に参加させるという、脅しのような言葉を国王に告げられたのが決め手だった。 自分に自信が…

悪役令嬢に恋をして #64 何かが少し変わっている

アーノルド王太子たちは、魔人討伐軍本隊より、少し先行して王都に戻っていた。今回は凱旋式などなし。速やかに王都に入城するようにとの指示を受けての事だ。 実際に王都に入っても、勝利を祝う雰囲気はない。それどころか、どこか張り詰めた雰囲気が王都に…

悪役令嬢に恋をして #63 敵役はどっち?

魔人討伐任務を終えて王都への帰路。アーノルド王太子は、宿舎の食堂の椅子に座って、届いた書状に目を通しては、溜息をついていた。内容としては自分の思っていた通り。だが、その自分の考えを押し通せなかった事を悔やんでいるのだ。 今回の魔人討伐の舞台…

悪役令嬢に恋をして #62 交わらない二人

オクス王国のアレックス王子との対面が終わったあと、リオンはしばらく黙り込んでいた。短い対談の中にも気になる情報がいくつもあった。色々と考えるべき事があるのだ。 その中で一番気になったのは魔物がグランフラム王国にしか現れていない可能性。もし事…

悪役令嬢に恋をして #61 隣国からの使者

マーキュリーとソルの決戦の日、と言うには少々大袈裟過ぎた。決着はあっという間についてしまったからだ。マーキュリーは、バンドゥの若手の中では一、二を争う使い手だが、如何せん相手が悪すぎた。 ソルは王国騎士の精鋭である近衛騎士の中で、いずれは最…

悪役令嬢に恋をして #60 バンドゥへの帰還

王都からバンドゥへの帰路は、下手な行軍訓練よりも遥かに厳しいものだった。リオンが進む足を急がせたのだ。本来であれば、各街に寄って、レジストの者たちに状況を確認しながら、帰るつもりだったのだが、近衛騎士と同行している状況で、そんな事が出来る…

悪役令嬢に恋をして #59 心と心

リオンは子爵となった。リオン・フレイ子爵。爵位が変わっただけだ。領地はバンドゥのまま、一寸の領地も増えることはなかった。与えられた報奨金は大金ではあるが、領政として新たな何かが出来るほどのものではない。あげた戦功に比べれば、明らかに少ない…

悪役令嬢に恋をして #58 英雄の誕生

近衛騎士ソル・アリステスはいつになく緊張していた。理由は明確。今、ソルの目の前に居るのは、自分の組織の頂点である近衛騎士団長と、全ての近衛騎士が忠誠を捧げるべき相手、国王陛下なのだ。 平騎士である自分がどうしてこの場に居るのか、はソルも分か…

悪役令嬢に恋をして #57 束の間の休息

何かと周囲を悩ますリオンだが、その影響を受けた者がまた一人増えた。近衛騎士のソルだ。戦いを共にはしていたが、常に一定の距離感を保って、ソルはリオンに接していた。 何故かと聞かれてもソルは何も答えられない。敢えて答えれば、近づいてしまうと、ず…

悪役令嬢に恋をして #56 届かぬ思い

ニガータでの戦いについての反省会を終えて、リオンもエアリエルと二人、のつもりだったが、シャルロットが付いてきたので、三人で食事に出た。初めての街なので適当に店を選んでなどという事はなく、戦いの前から美味しいと評判の店を予め調べさせて予約ま…

悪役令嬢に恋をして #55 マリアの焦り

ニガータ防衛戦の勝利を祝っての宴、は今回開かれなかった。本隊を率いていた王国騎士兵団長が望まなかった事、そして、それに誰も文句を言わなかったからだ。 マリアたちは王国騎士兵団長と同様に勝利の喜びよりも、リオンに出し抜かれた事への悔しさの方が…

悪役令嬢に恋をして #54 イベント:ニガータ防衛戦

ニガータ防衛戦における主戦力は、王国騎士兵団の五千。それに遊撃部隊として、ニガータ周辺に配置した各二千の三部隊。合計一万一千である。さらに予備兵力として、ニガータ及び周辺の貴族領軍が六千いる。 王国に油断はない。ニガータの防衛にあたって、万…

悪役令嬢に恋をして #53 バンドゥの剣

リオンたち、別働隊の今日の宿泊地は、ニガータに続く街道沿いにある街マーバスだ。王都を出て北に向かう街道を進むと最初に辿り着く城塞都市だ。 千人程度の軍勢であれば、軽く収容出来る規模を持っているので、リオンはここを最初の集合地点と決めていた。…

悪役令嬢に恋をして #52 戦う理由

リオン率いるニガータ防衛別働隊の出陣は、当初の予定とは異なり、近衛騎士団と日にちを合わせる事になった。リオンが別の日に出発するつもりである事を知った近衛騎士団長が、横槍を入れてきたのだ。 ただでさえ近衛騎士団長は、リオンとソルの関係が良いも…

悪役令嬢に恋をして #51 第一印象は最悪

近衛騎士団長にまんまと嵌められて、納得いかないリオンだが、そのリオンより、もっと納得いかない様子の者が居る。軍議の席で、すっかり蚊帳の外に置かれる形となったマリアだ。 本来であれば、軍議の主人公はマリアなのだ。といってもゲームの中に軍議のシ…

悪役令嬢に恋をして #50 示された器

王都での戦勝報告会。リオンにとって、幸いにもそれは大袈裟なものではなく、ごく普通の会議形式で行われた。とはいっても、参加者はかなり豪華だ。上座には国王がつき、その左側にはアーノルド王太子、近衛騎士団長、ランスロットと順番に並んでいる。リオ…

悪役令嬢に恋をして #49 貧乏領主暇なし

結果は満足出来るものではないが、とにかく魔物討伐任務は完了した。 そうとなれば、速やかにバンドゥに帰って、領政に精を出そうと考えていたリオンだったが、残念ながらそれは叶わなかった。王都での任務完了報告に同行する羽目になったのだ。 国王への報…

悪役令嬢に恋をして #48 予定外の結末

魔物が去った後のハッカータの街は、賑わいを取り戻していた。それどころか、普段以上に街は喧騒に包まれている。魔物に襲われることなく無事で居られた事に対する祝いの宴が、街のあちこちで開かれているからだ。 それらの宴の主人公は名も無き領軍の兵士た…

悪役令嬢に恋をして #47 イベント:ハッカータ防衛戦

グランフラム王国南部の最大都市ハッカータ。南部各地に伸びる街道の出発地点であるハッカータの街は、その地理的な利点を生かして、南部最大の商業都市でもある。 隣国、そして南部各地の産物は必ずハッカータに一旦集まり、ここから王国の中央や他の地域に…

悪役令嬢に恋をして #46 引き出された舞台

カマークが復興への歩みを加速させている、その裏で、王国全体はそれとは逆の方向へ進んでいた。いよいよ魔人の活動による被害が大きく、無視出来ないものになってきたのだ。 国境近辺にとどまっていた魔物の目撃情報は、徐々に王国内部に広がり、そして遂に…

悪役令嬢に恋をして #45 更なる一歩

街を訪れる行商人が増えた。宿屋や酒場などの施設は賑わいを見せているが、それだけで終わらせるのは勿体無い。それに接客サービスは、いつか必ず真似する者が出てくる。それだけでは、今の状況を維持する事は難しいのは分かっていた。 そこで新たに設けたの…

悪役令嬢に恋をして #44 絡みあう思惑

城での舞踏会が終わった後、リオンとエアリエルは貧民街に顔を出し、アインたちとの再会を喜び合った。舞踏会とは異なり、賑やかで、気楽な宴を楽しんだ後は、貧民街の状況や進めている他の街への進出の状況などの打ち合わせに三日ほどを費やして、それを終…

悪役令嬢に恋をして #43 新イベント:王国舞踏会

舞踏会の会場となった城内の大広間には、綺羅びやかな衣装に身を固めた大勢の人たちが集まっている。会場の広さ、そこに集う列席者の数、料理の豪華さ等など、王国学院の行事とはどれも桁違いだ。 それはそうだろう。これは本物の、それも国王主催の舞踏会な…

悪役令嬢に恋をして #42 動き出した世界

簡易な柵で囲われただけの放牧場。そこに三十頭あまりの馬が放たれている。キールが約束通りに揃えた馬だ。三十頭は決して多い数ではないが、伝令という目的だけであれば、十分な数といえる。もちろん、キールがそう思われる数で調整した結果だ。 そして、キ…

悪役令嬢に恋をして #41 重なる想い、異なる行動

カマークに戻ったリオンは忙しく働いていた。魔物への対処は急がなければ、全てが終わってしまう事態になる。それが分かっているリオンは、緊急課題として、考え得る全ての対策を推し進めようとしていた。そして、それで終わらないのがリオンだ。 魔物の件が…