月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

ファンタジー小説-異伝 ブルーメンリッター戦記

異伝ブルーメンリッター戦記 #50 主人公は誰?

広大な王城の敷地のすぐ隣に王国騎士団の施設はある。隣といっても、実際にはほぼ一体化している。王国騎士団の施設もまた、いざという時には敵の侵入を防ぐ防御施設となるのだ。 その施設のひとつである第三訓練場。いくつかある王国騎士団の訓練場の中でも…

異伝ブルーメンリッター戦記 #49 家族として

リリエンベルク公国はローゼンガルテン王国領の中で、もっとも北に位置する。さらに北東に位置する大森林地帯に近い土地のように人の往来が難しくなるほどではないが、それでも冬の寒さが本格化する年明けとなると領地のほとんどが雪に覆われることになる。…

異伝ブルーメンリッター戦記 #48 モブキャラは先駆者

ジグルスが教官を務める新設部隊の鍛錬は、学院の同級生たちが加わったことにより、さらに激しさを増している。中身は以前と変わらないのだが、いくらジグルスが頑張っても全員には目が届かなかった問題が解消されたのだ。それにより兵士たちは益々気を抜け…

異伝ブルーメンリッター戦記 #47 目標は脱モブ

周囲に広がるのはのどかな風景。わずかな畑地とそれの何倍もある牧草地の中を、都市部とは異なり整備が行き届いていない荒れた道が遠くまで伸びている。遠くに見えるのはローゼンガルテン王国の北東に広がる大森林地帯、それに繋がる大山脈だ。すでに大山脈…

異伝ブルーメンリッター戦記 #46 主人公補正?

ジグルスが去った後のローゼンバッツ王立学院。学院イベントは期待通りの結果に終わり、生徒たちの雰囲気は全体的に良くなっている。貴族の生徒と平民の生徒との間の交流に関しては、探り探りの部分はかなりあるが、少なくともネガティブな行動をとる生徒は…

異伝ブルーメンリッター戦記 #45 物語の分かれ道

会場にいるほぼ全ての生徒たちが踊りに参加している。その様子を壇上から眺めているエカードは満足そうだ。これがエカードの望んでいた形。学院行事のお祭りは貴族の生徒たちと平民の生徒たちとの間にあった垣根を取り払い、全員が楽しめるものになっている。…

異伝ブルーメンリッター戦記 #44 登場人物がまた増えた

ユリアーナの卑劣な謀を知っても、それに怯えることなくクラーラは活動を継続している。実際に襲われることになっていれば、また違った決断をしたのかもしれないが、ジグルスのおかげでその身を傷つけられることはなかった。以前よりも闘志を燃やしているく…

異伝ブルーメンリッター戦記 #43 チート主人公と魔人は紙一重

エカードは学院を一つにまとめることに苦心している。それを実現する為の土台は出来上がっている。リーゼロッテとタバートの二人と話し、自分の意思を伝えた。どちらも、リーゼロッテは積極的ではないが、同意は得ている。平民の生徒たちとは接する機会を増…

異伝ブルーメンリッター戦記 #42 敵味方の役柄は変えられるのか

クラーラは何者なのか――これを考える人はいない。仮にいたとしても答えは見つけられないはずだ。それが出来るのはジグルス・クロニクスただ一人。彼だけが答えを導き出せる、その彼も答え合わせをすることは出来ないが。 活発になったクラーラの行動はまるで…

異伝ブルーメンリッター戦記 #41 主要キャラの初恋?

ジグルス・クロニクスとは何者なのか――自分が転生者だと知り、そうでありながら特別な才能を有していないと思い知った時からジグルスはそれを考えていた。さらにこの世界がゲーム世界であり自分の名は登場人物にはないと知ったあとは、その考えに囚われてい…

異伝ブルーメンリッター戦記 #40 見えなくなった物語の行く末

ジグルス・クロニクスとは何者なのか―― リリエンベルク公爵家従属貴族クロニクス男爵の一人息子。母親はエルフだと噂されている。貴族家の嫡子としては滅多にいるものではない。少なくとも過去、ローゼンバッツ王立学院にそういった生徒が入学したことはない…

異伝ブルーメンリッター戦記 #39 モブキャラの教え

エカードの命令に従って、ということにして、ジグルスについての情報収集を始めたクラーラ。その行動は精力的だった。 まず行ったのは徹底した聞き込み。ジグルス・クロニクスという生徒を知っているか、知っているなら彼がどういう人か知っているか。彼に関…

異伝ブルーメンリッター戦記 #38 モブキャラに向けられる目

リーゼロッテは今日も放課後の部室に一人で残って、考え事をしている。考えているのはジグルスのこと。だが今日はこれまでとは考える内容が違う。何故、ジグルスに心を惹かれるのか。その答えはもう得られたのだ。 ユリアーナとジグルスの立ち合いを見ていた…

異伝ブルーメンリッター戦記 #37 モブキャラの覚悟

授業中は以前と同じように自身の存在感を消し去っているジグルス。だが実技の時間である今は、さらに強く意識して気配を消している。立ち合いなどに参加させられことなく、授業の見学していたいからだ。 怠けたいからではない。授業はサボっているが、見学し…

異伝ブルーメンリッター戦記 #36 再登場もあるかも

主人公たちの訓練を見学したあと、約束通り、カロリーネ王女との面会に赴いたジグルス。だがカロリーネ王女のほうは少し約束を破った、は言い過ぎかもしれないが、隠し事をしていた。 案内された部屋にいたのはカロリーネ王女の兄。次期国王になる予定のアル…

異伝ブルーメンリッター戦記 #35 登場キャラでしたか?

ローゼンガルテン王国騎士団の訓練場。騎士にしてはかなり若い、せいぜい見習い騎士にしか見えない者たちが、そこで訓練を行っている。見た目通り、彼等は騎士ではない。学院の生徒たちだ。 エカード、ユリアーナ、レオポルド、マリアンネやウッドストック、…

異伝ブルーメンリッター戦記 #34 モブキャラの友情

学院に復帰したジグルスは以前同様、忙しい毎日を送っている。以前と異なるのはその動きがまったく周囲には見えないこと。一年生の時と同じように、存在感を完全に消していた。 勉強の内容も戻している。軍事に傾いていたものを、学院に来た本来の目的である…

異伝ブルーメンリッター戦記 #33 モブキャラには気をつけろ

ローゼンガルテン王国は戦時体制に移行した。ただその事実は公にされていない。魔人との本格的な戦いが始まったわけではない。今はまだ情報を収集し、要所と思われる場所に軍を配置するなどの準備段階。この時点で国民の不安を煽る必要はないという判断から…

異伝ブルーメンリッター戦記 #32 リ・スタート

臨時合宿での事件から一ヶ月が過ぎ、学院は完全に落ち着きを取り戻している。授業も、合宿に備えた鍛錬は当然なくなり平常通り。戦闘系の授業においては、一部の生徒たちにおいて真剣味が増し、以前よりも激しいものになっているが、それは悪いことではない…

異伝ブルーメンリッター戦記 #31 リセット

陽の光を遮る為に半開きにされた白いカーテンが、窓から入る風に揺れている。外は快晴。強い日差しと、その暑さを和らげてくれる心地よい風。多くの人の心を明るくする、気持ちの良い天気なのだが、それによってリーゼロッテの心が沸き立つことはない。 カー…

異伝ブルーメンリッター戦記 #30 イベント:臨時合宿(後編)

自分は何をやっているのだろう。今は出来るだけ心を空っぽにしなければならない時だと分かっているが、そんな思いが心に浮かぶのを止められない。 リーゼロッテを助ける為。確かにそうなのだろうと思う。だが自分の命を捧げてまで守るべき相手なのか。 彼女…

異伝ブルーメンリッター戦記 #29 イベント:臨時合宿(中編)

森の中に、きちんと整備されているとは言い難いが、道が延びている。目的地である駐留地へと続く道だ。こういった道は三本あるのだが、エカードのチームが進んでいるのは合宿所を出て左に進むルート。三本の中でもっとも整備不足で遠回りの道だ。最も強力で…

異伝ブルーメンリッター戦記 #28 イベント:臨時合宿(前編)

ジグルスが合宿所を訪れるのはこれで二度目。その様相は以前とはまったく変わっていた。保養所として利用されていた合宿所は、それに相応しい快適さを持った場所だった。豊かな緑に囲まれたのどかな雰囲気。宿泊施設も下手な宿屋よりは遙かに贅沢な造りで、…

異伝ブルーメンリッター戦記 #27 登場人物たちの査定

臨時強化合宿は学院の行事という形になっているが、企画したのはローゼンガルテン王国。そしてその運営はローゼンガルテン王国騎士団が行うことになっている。魔人との戦いに備えての新戦力の発掘。これが本当の、王国騎士団が聞かされている臨時強化合宿の…

異伝ブルーメンリッター戦記 #26 モブキャラは何者?

合宿まで残り一ヶ月。授業中に行われる訓練はより実戦的なものになっている。三チームでの対抗戦が毎回行われているのだ。 その結果は始まる前から予想されていた通りのもの。エカード率いるチームが対戦成績でダントツの一番。それにタバートのチームが続き…

異伝ブルーメンリッター戦記 #25 敵味方の区別は……

学院の授業時間。今日のチーム練習は他の生徒たちに任せて、ジグルスはリーゼロッテと二人で他チームの訓練の様子を眺めている。参考にしようというのではない。リーゼロッテのチームと他の二チームの戦い方は大きく違う。真似るべきものは、あればもちろん…

異伝ブルーメンリッター戦記 #24 物語はどこに向かっているのか

ジグルスは忙しい。合宿に向けた準備、その計画部分はほぼジグルス一人で行っているのだ。 他の生徒たちがサボっているというわけではない。彼等には彼等でやることがある。個人として、今よりももっと強くなること。部隊として連携した動きを身につけること…

異伝ブルーメンリッター戦記 #23 物語は一つではない

向かい合う敵はおよそ三十。味方に比べて少し多いくらいだ。だがジグルスを含む前衛に余裕の色はない。簡単に打ち破れるような敵ではないのだ。 敵は隊列を組むことなく、まとまって近づいてくる。前回、強化合宿でジグルスたちが魔物と戦った時と同じ状況だ…

異伝ブルーメンリッター戦記 #22 敵役は敵であって悪ではない

学院の授業が熱を帯びるようになった、といっても一部の授業だけだ。中でも剣の授業は、合宿に参加する生徒たちにとっては放課後以外に鍛えられる貴重な時間。鍛錬場のあちこちで激しい立ち合いが行われていた。 それはリーゼロッテたちも変わらない。チーム…

異伝ブルーメンリッター戦記 #21 物語にはないパーティー編成

学院で臨時強化合宿の実施が公にされた。タバートが予想していた通り、合宿は現在、学院に通っている公爵家の子弟を中心にしてチームを編成し、行われることになる。つまりリーゼロッテ、タバート、そしてエカードがそれぞれ自分のチームを編成して、魔物と…