月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

ファンタジー小説-異伝 ブルーメンリッター戦記

異伝ブルーメンリッター戦記 第83話 少しだけ主人公の気持ちが分かった気がした

いくつかの種族、部族を味方につけたジグルス。そのジグルスの拠点はリリエンベルク公国東部、大森林地帯に近いところにある。 魔人の本拠地の一つである大森林地帯の近くにあえて拠点を構えたのは、エルフ族の一部が味方してくれることが決まったから。その…

異伝ブルーメンリッター戦記 第82話 新しい物語は過去の想いを受け継いでいた

撤退した獣王軍に代わってブラオリーリエ攻めを担当しているのは大魔将軍オグルが率いる鬼人系魔人で編成された鬼王軍。獣王軍に比べると五千と少ないが一人一人の力は上だ。あくまでも平均としてであって個々の力比べとなるとどちらが上とは言い切れないが…

異伝ブルーメンリッター戦記 第81話 主人公が演じることを放棄したくなったら

リリエンベルク公国軍の最大拠点となっている南部の街ブラオリーリエ。敗走してきた兵士が各地から集まってきて、今はその数は万を超えた。ただこれまで街を落とされずに守ってこられたのは味方の数が増えたからではない。 軍を入れ替えて、ということはリリ…

異伝ブルーメンリッター戦記 第80話 舞台に引き出される人々

リリエンベルク公国領北部にある街リム。これといった地場産業はないが、さらに北、ローゼンガルテン王国の北の国境と接しているいくつかの小国との交易窓口としての役割を持っていることから、北部では中堅くらいの規模となっている街だ。そうはいってもリ…

異伝ブルーメンリッター戦記 第79話 新たな物語では主要キャラも変わってくる

リリエンベルク公国の陥落、そして封鎖は徐々に民衆の耳にも届くようになってきた。リリエンベルク公国内との取引を行っている商人たちがその最初。その商人たちから他の人々に話が伝わっていった。ただその段階になるとローゼンガルテン王国も隠すよりも、…

異伝ブルーメンリッター戦記 第78話 魔王としての「初めてのおつかい」、ではない

ブラオリーリエを攻め落とそうとした魔人軍は引いた。だからといってリリエンベルク公国での戦いが終わったわけではない。再侵攻してくることは間違いなく、他の地域でも魔人軍はいくつかの部隊に分かれて、公国領の制圧に動いている。 その一つが獣王軍第二…

異伝ブルーメンリッター戦記 第77話 主人公の物語が狂い始める

リリエンベルク公国が魔人の手に落ちた。この情報を得たあともブルーメンリッター、花の騎士団はキルシュバオム公国を離れていない。これまで同様、目の前の戦いに追われていた。 同様といっても戦況に関しては以前よりも厳しい。花の騎士団の主力の一人、ユ…

異伝ブルーメンリッター戦記 第76話 新章ではない。新しい物語だ

母は、自分は何者なのか。この疑問に対する答えがようやく得られた。 前魔王バルドルには三人の側近がいた。フェンリル、ヨルムンガンド、そしてジグルスの母ヘルの三人だ。どこかの神話で聞いたような名前だと話を聞いた時にジグルスは思ったが、これは余談…

異伝ブルーメンリッター戦記 第75話 真実は残酷だ。だから人は隠したいと思うのだ

総指揮官がジグルスに討ち取られたことで魔人軍は撤退。形としてはそういうことで、総大将を討ち取ることで逆転勝利を得るという展開は過去の戦いにおいて何度もあったことだ。そうであるのだがジグルスはなんだか腑に落ちなかった。魔人軍が撤退していく様…

異伝ブルーメンリッター戦記 第74話 モブキャラが覚醒したら何と呼ぶべきだろう

ブラオリーリエにこもるリリエンベルク公国軍との交渉は決裂に終わった。交渉の使者とされたフレイには初めから分かっていたことだ。リリエンベルク公国の中心都市シュバルツリーリエに残った人たちは皆、死を覚悟していた。それをブラオリーリエにいる人々…

異伝ブルーメンリッター戦記 第73話 新たな物語は新たな登場人物を必要とする

キルシュバオム公国での戦いはローゼンガルテン王国軍の優勢で進んでいる。ただあくまでも現時点で考えた場合の優勢だ。魔人軍の侵攻を許し、いくつかの拠点を奪われているという事実は変わらない。 魔人軍はラヴェンデル公国軍での戦いとは異なり、拠点確保…

異伝ブルーメンリッター戦記 第72話 老戦士はただ去るだけでは終われない

街道を力ない足取りで南下する人々の列。その最後尾には、前を歩く人々とは異なり、きちんと隊列を整えて歩く軍人たちの姿がある。リリエンベルク公国の中心都市シュバルツリーリエから逃れてきた人々だ。 今のところ魔人軍の襲来はない。だからといって、そ…

異伝ブルーメンリッター戦記 第71話 主人公が多くの人の心を捉えるのに手段は問われない

キルシュバオム公国南西部。エカードたち花の騎士団が向かった戦場では激しい戦いが行われていた。キルシュバオム公国に侵攻した魔人軍はおよそ五万。それに対してローゼンガルテン王国とキルシュバオム公国の連合軍は三万。数の上で劣勢だ。さらに質の上で…

異伝ブルーメンリッター戦記 第70話 何故物語は悲劇を求めるのか

リリエンベルク公国領に侵攻した魔人軍は三万。その第一報を聞いたリリエンベルク公爵が懸念した通り、その軍はほぼ魔人だけで編成された精鋭と呼べる軍だった。 その魔人軍に対してリリエンベルク公国軍は善戦した。兵を鍛えるだけでなく、防衛線と定めた地…

異伝ブルーメンリッター戦記 第69話 今もまだ世界は定められたストーリーで動いている

花の騎士団の行軍はかなりその様相を変えている。隊列を整えて進むのではなく。バラバラに走っているのだ。移動中も兵士を鍛えようというクラーラの提案を、エカードはこういう形で実現していた。 これにより行軍速度は大いに速まった、とはならない。永遠に…

異伝ブルーメンリッター戦記 第68話 主人公の能力の活かし方

エカードが率いる六千の軍勢、花の騎士団=ブルーメンリッターは最短経路を選んでキルシュバオム公国に向かっている。ローゼンガルテン王国の西端近くから魔人軍が現れたというキルシュバオム公国、ローゼンガルテン王国領としても南西部にまっすぐ進む道を…

異伝ブルーメンリッター戦記 第67話 なるようになるは諦めではない

空に伸びる木々はその高さを増し、密度もこれまでとは明らかに違っている。人が踏み入った気配のまったくない森の奥。そこを一人、ジグルスは歩いている。 心に浮かぶのはわずかな後悔。もっと偵察を重ねてからのほうが良かったかという思いだ。だがその考え…

異伝ブルーメンリッター戦記 第66話 交わった物語がまた分かれていく

一軍六千を率いてキルシュバオム公国に転戦することになったエカードたち。だからといってすぐに移動出来るわけではない。軍の再編についてこの戦場に残るラードルフ総指揮官との調整が必要だ。 兵士についての調整は簡単だ。エカードたちが所属していた軍の…

異伝ブルーメンリッター戦記 第65話 裏表

リリエンベルク公国軍に割り当てられた陣営はそれほど広くはない。もっとも人数が少ない部隊なのだから当然ではある。ただその狭さはあくまでもここまでが陣営と線を引いた、実際には線ではなく壕で区切られている範囲内でのこと。その壕の外に出れば、訓練…

異伝ブルーメンリッター戦記 第64話 物語が加速する

ようやく魔人軍に動きがあった。膠着気味であった戦況もこれで動くはずだ。ローゼンガルテン王国軍にとって待ちに待った、なんていえる状況ではない。一日でも早い戦争の終結は強く望んでいるが、 激しさを増すことまで求めているわけではない。だが今回の動…

異伝ブルーメンリッター戦記 第63話 主人公しか知らない物語

戦いの頻度が少なくなっている。魔人軍からの攻撃が減っているのだ。いよいよ撤退したのか、と喜んだローゼンガルテン王国軍であったが、さすがにそれは甘い考えだった。偵察で飛ばした飛竜は魔人軍の存在を、それも依然として大軍であることを確認して帰っ…

異伝ブルーメンリッター戦記 第62話 まさかの接近

戦況は一変した。道の拡張と砦の建設工事。その場はローゼンガルテン王国軍にとっては奇襲に怯える場所ではなく、敵を罠にかける場所に変わっているのだ。奇襲を狙って森に潜んでいる魔人軍に対して、ジグルス率いるリリエンベルク公国軍は片端から襲撃を行…

異伝ブルーメンリッター戦記 第61話 主人公の思い

多くの木々が空に向かって伸びている。その先は雲ひとつない晴天。青々とした空に太陽が浮かんでいる。だが陽の光は生い茂る葉に遮られて、ほとんど地上に届かない。届く必要もない。陽の暖かさを、青空の美しさを喜ぶ余裕など、地上で殺し合いを行っている…

異伝ブルーメンリッター戦記 第60話 一つの物語が終わりに近づいている

ローゼンガルテン王国軍の陣営のほぼ正面から森の奥に伸びる道。もともとは猟師やきこりなど森で育まれる資源で、生活の糧を得ている人たちが使っていた道だ。 かろうじて荷馬車が通れるくらいの道幅だったそれは、今はその何倍もの広さになっている。多くの…

異伝ブルーメンリッター戦記 第59話 モブキャラ舞台に昇る

ローゼンガルテン王国の西、ラヴェンデル公国の西端にも、東の大森林地帯ほどの規模ではないが森が広がっている。隣国との国境となる山岳地帯から広がっている森だ。 戦場はその森の中に移っている。一進一退の攻防を繰り広げた結果、なんとかここまで魔人軍…

異伝ブルーメンリッター戦記 第58話 激戦の始まり

前線は両軍が入り乱れての混戦となっている。どちらが優勢かは最前線で戦っている騎士や兵士には分からない。考える余裕もない。 群がる魔物、それに混ざって現れる魔人。魔物に対抗させようと兵士を前に出せば魔人に、実際は力ある魔物である場合もあるが、…

異伝ブルーメンリッター戦記 第57話 舞台の上では

兵士たちの休憩時間。いつものようにジグルスにとっては個人の鍛錬を行う時間だ。だが今日に限っては、その中身は少し違っている。ジグルスの目の前に立っているのは父親のクロニクス男爵ではなく、母親のほうだった。母親と立ち合いを行うことになったのだ…

異伝ブルーメンリッター戦記 第56話 主人公たちの戦いが始まる

ラヴェンデル公国の中心都市リラヒューゲルから真っ直ぐ西に移動した位置にある平原地帯ドゥエルヴィーゼ。そこが魔人軍との会戦の場となった。 魔人軍十万に対してローゼンガルテン王国軍、ラヴェンデル公国軍の二軍を含めて、は総勢二万四千。数の差は圧倒…

異伝ブルーメンリッター戦記 第55話 開戦

――その日は突然やってきた。 すでに一年近く前からローゼンガルテン王国は戦時体制に移行し、開戦に備えてきたのだが、多くの人々がそういう感覚を持ってしまうほど、何の前触れもなく魔人軍は現れた。ローゼンガルテン王国の西の国境、ラヴェンデル公国領に…

異伝ブルーメンリッター戦記 第54話 重なる影

リリエンベルク公国の都市シュバルツリーリエ。公国領のほぼ中央にあるリリエンベルク公国の政治、軍事、そして商業の中心となる都市だ。その場所に公主であるリリエンベルク公爵家の本屋敷がある。 リリエンベルク公爵家は四公爵家の中でも、もっとも芸術や…