月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

ファンタジー小説-黒き狼たちの戦記

黒き狼たちの戦記 第71話 視えなかったものが視えるということ

シュタインフルス王国の状況は逐一、アルカナ傭兵団本部に伝えられるようになっている。状況は悪いものではない。アルカナ傭兵団として、中欧諸国連合として何をもって任務は成功というのか今となっては微妙だが、愚者から伝えられていた通りの展開になって…

黒き狼たちの戦記 第70話 お節介好きに年齢は関係ないようだ

グローセンハング王国の王都シュヴェアヴェルを訪れているヴォルフリックたちが拠点にしているのは、繁華街の裏路地にある安宿、を装っている黒狼団の隠れ家。ピークとクロイツが、コーツ一家の一員としてシュヴェアヴェルに進出したあとに作った隠れ家だ。…

黒き狼たちの戦記 第69話 再会の時は不意に訪れる

かなりの人気店であるエマの食堂だが、お昼時を過ぎれば客足も途絶え、店は閑散とした雰囲気に変わる。午後の仕事が始まり、食堂でのんびりしていられる時間の余裕はないのだ。逆にエマたち食堂で働く人たちにとっては一息つける時間。後片付けを終え、夜の…

黒き狼たちの戦記 第68話 信頼には信頼で応えたい、けど

ベルクムント王国にシュタインフルス王国の使者が訪れ、救援要請が行われた。これによりシュタインフルス王国の内乱は公式のものとなった。常日頃から従属国に不穏な動きがないか監視を行っているベルクムント王国にとっては既知の事実なのだが、シュタイン…

黒き狼たちの戦記 第67話 少しだけ結末は以前とは違ってくるもしれない

シュタインフルス王国の内乱はさらにその規模を拡大しようとしている。アンドレーアス王はライヘンベルク王国との国境に貼り付けていた王国軍を王都に呼び戻し、討伐軍を再編。その数は五千。ほぼ全戦力を投入する形だ。 一方でクノル侯爵は他の有力貴族家に…

黒き狼たちの戦記 第66話 悪魔のほほ笑みってこういうことか

絶対的な切り札、とされている、ベスティエを投入しながらの敗戦。しかも送り込んだ千名の部隊が一人も帰還してこないという惨敗だ。この結果を知ったシュタインフルス王国の動揺は凄まじい。やや誇張も含みながらベスティエの恐ろしさを世間に知らしめてい…

黒き狼たちの戦記 第65話 遠ざけられていた事実を目の当たりにする

ベスティエを加えたシュタインフルス王国軍は王都を進発すると、とりあえずその進路を反乱軍の動きが活発な北部に向けた。反乱軍を討つ。目的は明確だが、反乱軍の本拠地を突き止めていない為に、目標は明確にはなっていなかったのだ。だが王国軍はあてもな…

黒き狼たちの戦記 登場人物一覧~第64話時点~ ※ネタバレ注意

◆◆◆ 登場人物一覧 ~第64話時点~ ◆◆◆ PC故障で作品データが壊れてしまったので再作成したついでに投稿します。 ※ネタバレ注意 【黒狼団および主人公の近親者】 名前:シュバルツもしくはヴォルフリック(公式名はリステアード=ディートリッヒ)性別:男…

黒き狼たちの戦記 第64話 理想と現実の狭間で悩むのは若さの証なのか?

敵の動きを読み、時には策を用いて動かして、数百人規模の戦いの場を作り出し、勝利を重ねていく。反乱軍は連戦連勝。シュタインフルス王国の人々の心に「もしかすると」という思いが浮かぶようになった。だがそこまでだ。反乱の火が王国全土に広がる気配は…

黒き狼たちの戦記 第63話 終わりの姿が見えない中、人々は動いている

バックアッププランの検討、準備は進めていても、それ以外は、王都でただ伝書烏が届ける伝書を待っているしかなかったディアークたちにも、ようやくシュタインフルス王国内の状況が理解出来るようになってきた。隣国のノイエラグーネ王国の国境近くの街ガル…

黒き狼たちの戦記 第62話 謀はそうであると分からないから謀なのだ

目の前に展開しているのはシュタインフルス王国軍四百。対する反乱軍は三百。そのうちの百は飾り物だが、当然、敵であるシュタインフルス王国軍はそれを知らない。フォークラー家の旗が立つ、コンラート自身が率いる本軍。そう思わせることで敵の動きに制約…

黒き狼たちの戦記 第61話 可能性を追い求めて何が悪い?

ヴォルフリックたちの行動によって大いに動揺しているのはシュタインフルス王国だけではない。彼らを送り出したアルカナ傭兵団もまた違う意味でひどく驚かされている。普通のやり方を選ばないことは予想通り。だが反乱を起こすという選択は想像以上のものだ…

黒き狼たちの戦記 第60話 敵を知る、ことが出来ていない

シュタインフルス王国は、決して豊かとはいえない国で、民の暮らしはかなり厳しいものだ。シュタインフルス王国は中央諸国連合加盟国であるノイエラグーネ王国と国境を接している。もともと国力が低かった上に、軍事力の強化に資源を集中させなければならな…

黒き狼たちの戦記 第59話 悪魔の微笑み、ってどんなの?

愚者がノイエラグーネ王国を出て、山越えルートを使ってライヘンベルク王国に向かったという連絡があってから三か月。今回の任務がかなりの長期に渡ることは初めから分かっていたが、それでもさすがに三か月の音信不通は普通ではない。実際はノイエラグーネ…

黒き狼たちの戦記 第58話 演者をスカウトしてみた

シュタインフルス王国の都アインシュネスバッハ。北門からまっすぐに城に伸びる大通りにある大広場。その場所に今、多くの人が集まっている。大広場は普段から多くの人が行き交う賑やかな場所であり、人の数もいつもと同じかそれ以上であるのだが、今は張り…

黒き狼たちの戦記 第57話 悪だくみが絶えることはない

エーデルハウプトシュタット教国は聖神心教会の総本山。だが教会の運営のほとんどは各教会、もしくはそれを束ねる教区に任されている。大陸全土に教会がある為に、一極集中で日々の運営状況を管理することなど不可能なのだ。 事実ではある。だが、それが結果…

黒き狼たちの戦記 第56話 真実なんて簡単に辿りけるものじゃない

幼い頃から周囲は常に温もりを感じさせてくれる雰囲気だった。誰もが自分に笑みを向け、何か行えば褒めてくれた。そうであることが当たり前だった。 世の中に悪意というものが存在するのを知ったのは八歳の時。父に剣を教えてもらえることが決まったあとだっ…

黒き狼たちの戦記 第55話 運命の出会い、なんて認めない

屋敷を得たあと、色々と変化のあった生活もようやく落ち着いてきた。一日の予定がほぼ固まったのだ。午前中は以前と同じく傭兵団の屋外鍛錬場に行って、体力づくり。走り込みなどは屋敷では出来ないというのが理由だ。昼はエマが作った食事を、というヴォル…

黒き狼たちの戦記 第54話 見えているものが全てではない

中庭でヴォルフリックたちが鍛錬を行っている様子を眺めているフィデリオ。彼自身の鍛錬もあるのだが、どうにも気が散って集中出来ないでいた。上の空のような状態で鍛錬を行っても効果はない。それどころか怪我をしてしまう危険もあると考えて、こうして中…

黒き狼たちの戦記 第53話 視点が違えば見えるものも変る

ロートが営む食堂。フロアの隅にあるテーブルでヴォルフリックたちは食事をとっている。クローヴィスもセーレンも、ボリスも一緒だ。彼らを黒狼団の拠点である食堂に連れてきたのには訳がある。もちろん、食堂が黒狼団の拠点だと正直に話すことではない。そ…

黒き狼たちの戦記 第52話 優しさが辛く感じられることもある

ノートメアシュトラーセ王国軍部の重臣たちを集めた会議。その場は重苦しい雰囲気に包まれている。また新たな軍事上の難題が沸き上がってきたのだ。ベルクムント王国との戦いを勝利で終わらせた中央諸国連合。だがそれで本当の終わりとはならなかった。さら…

黒き狼たちの戦記 第51話 新居を手に入れました

パラストブルク王国のゴードン将軍は近頃、ご機嫌だ。ベルクムント王国との戦いでパラストブルク王国軍は、他国を圧倒する活躍を見せたノートメアシュトラーセ王国以外では唯一、論功行賞において上位の評価を得ている。ゴードン将軍にとっても想像を遥かに…

黒き狼たちの戦記 第50話 戦いの結果、得られたものは

ベルクムント王国との戦争における論功行賞で、育ての親であるギルベアトが使っていた屋敷を手に入れたヴォルフリック。それは行動の自由を手に入れたのと同じだ。当たり前だが、ギルベアトの屋敷はアルカナ傭兵団施設の外にある。自動的にヴォルフリックは…

黒き狼たちの戦記 第49話 真実はどこにある?

戦勝会が終わるとすぐにディアークは執務室に引きこもった。そこに次々と姿を現す傭兵団の幹部たち。示し合わせたものではない。戦勝会での出来事を受けて、それぞれがディアークの様子を知りたいと考えて、集まってきたのだ。 そのディアークは深々とソファ…

黒き狼たちの戦記 第48話 ちょっと頭に血が上ってしまった

カルンフィッセフルスの戦いは決戦と呼ぶにふさわしい様相になっている。中軍が合流して、一万を超える軍勢となった中央諸国連合軍。それに対するベルクムント王国とその従属国連合軍はおよそ二万八千。当初侵攻してきた二万に、フルーリンタクベルク砦攻め…

黒き狼たちの戦記 第47話 どんな経験も人を成長させる糧になる

中央諸国連合軍の中軍と共にアイシェカープを発し、ガルンフィッセフルスに向かっている愚者とパラストブルク王国軍。その移動中も鍛錬をかかしていない。中軍六千が隊列を組んで整然と街道を進んでいる間、愚者とパラストブルク王国軍は走り込み。ヴォルフ…

黒き狼たちの戦記 第46話 勝者がいれば敗者もいる

周囲にひしめく味方。もっと速く先に進み、見晴らしの良い場所に出たいのだが、前が詰まっていてそれは出来ない。この地は一万六千もの大軍が展開するには狭すぎる場所なのだ。だがこの状況も少し先に進めば変わる。敵の砦に向かっていくにつれて、平地は扇…

黒き狼たちの戦記 第45話 人に認められるということ

攻めるベルクムント王国とその従属国の連合軍は総勢一万六千。それに対するはフルーリンタクベルク砦に籠る中央諸国連合軍三百だ。砦を守る壁はあっても、そんなものはわずかな時間稼ぎにしかならない。ベルクムント王国にとっては勝利が確定している戦い、…

黒き狼たちの戦記 第44話 防壁の上で心の壁を感じた

山越えを終えたベルクムント王国軍は、すぐにフルーリンタクベルク砦に攻め寄せてきた。といってもその数は千ほど。残りは山を下りてすぐの場所で野営の準備を始めている。火薬を使って山道を切り開いたといっても、それは道を塞ぐ大岩があるなど、人力では…

黒き狼たちの戦記 第43話 聞いてないけど?

最前線となるガルンフィッセフルスでは、すでに先軍が戦っている。戦場に響き渡る爆発音。ベルクムント王国軍は新兵器を惜しむことなく、戦場に投入してきた。想定されていたことだ。だが初めてそれを見、それを聞くノイエラグーネ王国の兵士たちは、すっか…