月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

ファンタジー小説-SRPGアルデバラン王国動乱記~改~

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第110話 スカウトされました

王国騎士団との合同演習を終えた王立中央学院生たちの実技授業への取り組みは それ以前よりも、さらに熱を帯びるようになった。王国は反抗心を押さえつけることには失敗したが、学院生たちから驕りを取り除き、やる気を引き出すことには成功した。このほうが…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第109話 誤解です

百人の敵が放つ殺気も、それに比べれば、そよ風のように感じられる。それほどの殺気だった。戦意など欠片も残さず吹き飛んでしまう。一瞬そう感じたレグルスであったが、そうはならなかった。心の奥底に潜むどす黒い感情が、それを許さなかった。 殺意が、普…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第108話 示された片鱗

王立中央学院と王国騎士団による合同演習は、学院ではなく王国騎士団施設で行われている。合同演習は、元々は年に一回行われる国王による王国騎士団視察の定例行事。王国騎士団を統べる立場である国王に日頃の努力の成果を示す、という王国騎士団の行事に、…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第107話 モテる二人?

南方辺境伯家、ディクソン家の屋敷は他の辺境伯家と同じで王城近くにある。王城の南側にある広大な敷地に建てられた屋敷だ。 ディクソン家は武を尊ぶ。他の辺境伯家も王国の国境を任されるに相応しい武に優れた家であるのだが、ディクソン家は、その中でも特…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第106話 恥ずかしくないのだろうか?

道場からの帰り道。レグルスは一人で夜道を歩いている。周りからはそう見えるというだけで、実際には一人ではない。エモンたち、隠密能力に優れた者たちが遠巻きにレグルスの周囲を警護している。レグルスを狙う暗殺者を捕らえる為だ。 暗殺者の襲撃を恐れて…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第105話 束の間の休息

郊外に確保した隠れ家でレグルスたちは合宿を行っている。合宿といっても週末を利用した一泊だけだ。全員で広々とした場所で鍛錬を行える。周囲には民家もないので魔法も、もっぱら使うのはラクランだが、使える。往復二時間の距離も、走れば鍛錬になる。か…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第104話 すれ違いの関係

食堂の個室にその男は姿を現した。レグルスたち「何でも屋」の店舗とは異なり、表通りの一等地にある建物に入っている高級食堂だ。店を利用するのは貴族か、裕福な商人くらい。単価は高いが、利用者は多くない。全て個室なので客には分からないが、いつも空…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第103話 暗殺未遂

レグルスとラクランは夕飯を共にすることがよくある。ご近所なのだから、おかしなことではない。最初の頃とは違い、ラクランもレグルスに対して緊張することはなくなった。それに、何度か行っている食堂を選んだとしても、怪しげな客もいるその場所に一人で…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第102話 見えない壁

実技授業の時間は、少しだけだが、以前とは様子が違ってきた。レグルスは、タイラーとの立ち合いを当たり前に受け入れるようになった。そうなるとキャリナローズも、それを見ているだけでは済まなくなる。レグルス、だけではなく、オーウェンやジュードとの…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第101話 まだまだ発展途上

アリシアとの婚約破棄、さらにブラックバーン家の跡継ぎから外されるという大事があった後も、基本、レグルスの様子は変わっていない。学院に通い、勉強と鍛錬の日々を過ごしている。変化があるとすれば、その中身。特に実技授業の時間に関しては、外から見…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第100話 レールから外れた主人公

北方辺境伯の死が王都に伝えられた。この日が来ることは北方辺境伯が最後に王都を訪れた時から分かっていた。そうでなくても、王都にいるブラックバーン家の家臣たちは、亡くなった北方辺境伯との接点が少ない。悲しみの色は薄かった。 唯一、亡くなった北方…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第99話 受け継がれるもの

普段レグルスは「何でも屋」の店先に、店先といっても酒場の一角だが、出ることはなくなった。招かざる客が訪れた時に居留守を使う為だ。周囲の人たちの中には、そこまでしなくても良いのではないかと思う人もいるが、レグルスにとっては大事なことだ。細か…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第98話 物語はどこに向かっているのか

レグルスは平日であるのに酒場を訪れている。引き受けた仕事があるからだ。正確には引き受けた仕事が終わり、その結果について依頼人と話し合いを行う必要があるから。 日程は依頼人が提示した候補日から選んだのだが、レグルスの都合でもある。休日だと、ま…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第97話 近づく距離、遠ざかる距離

五校剣術対抗戦は、大会としては、期待に反して盛り上がりに欠けるものとなってしまった。優勝した中央学院二年Aチームで、本当の意味で、負けたのはクレイグだけ。そのクレイグも負けたのは北部騎士養成学校三年Aチームとの一戦だけで、他の試合は、他の…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第96話 明日を変えたければ、今日を変えなければ

平日は、昼は学院、夕方からは道場で鍛錬。休日も午前中は道場に通い、午後からは「何でも屋」の仕事を手伝うというのがレグルスの毎日。中央学院の授業が再開されたことで、この日常も元に戻ることになった。余計なことに巻き込まれなければ、勉強と鍛錬ば…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第95話 新しいご近所さんが出来ました

王立中央学院から剣術対抗戦に出場できるのは二学年、三学年それぞれ二チームずつとなっている。その出場チームのメンバーを選ぶための選抜試験の結果、アリシアとジークフリート第二王子、タイラー、キャリナローズ、クレイグの五人は参加選手として選ばれ…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第94話 悩みや欲は誰にでもあるものだ

花街で行われた喧嘩祭りにおけるジャラッド戦での惨敗は、レグルスに改めて鍛錬に取り組む意識を変えさせることになった。変わったといっても、わずかに残っていた甘えが完全に消え去ったというだけのこと。端で見ていても、その変化は分からない。それに気…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第93話 誰が敵で誰が味方か

教室の隅のほうで男子学生二人が話をしている。聞き耳を立てるまでもなく、聞こえてくる会話。話している二人に内緒話をしているつもりはない。周りが興味を引く内容でもない、男子学院生の中にはそうでない者も何人かいるかもしれないが、と考えているのだ…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第92話 公人としての気持ち、私人としての想い

通りを塞ぐ形でジャラッド他、ブラックバーン騎士団の騎士たちが並んでいる。それに文句を言う人はいない。不便に感じている人はいても、彼らが作り出す張り詰めた空気が、それを声にすることを許さない。 ジャラッドを頂点とした楔形に並んでいる騎士たち。…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第91話 盛り上がっていますか?

喧嘩祭りの会場は、普段の喧嘩と同じ大通りを奥に進んだ広場。いつもと違うのは、そこに観覧席が設けられていることだ。木で作った箱をいくつも積み重ね、固定しただけの簡易なものであるが、段差を作れば後ろにいる人たちも良く見えるようになる。それで十…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第90話 花祭りが始まる

花祭りは、過去に何度も行われている花街最大のお祭りだ。ただこの十年、一度も開催されていない。準備にそれなりに手間がかかること。日常業務だけで十分に忙しい花街の人々にとって、結構な負担になるのだ。さらに花祭りは店側の持ち出しになる。祭りには…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第88話 始まりの時、終わりの時

ジークフリート第二王子暗殺未遂事件の調査は、実質、打ち切りとなった。公式には「もう調査はしない」とは宣言出来ないので、続けられることになっているが、それだけに費やされる人員はいない。他の事件と同様に、軍務局警察部や内務省警保部の日常業務の…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第87話 日常の変化

ジークフリート第二王子暗殺未遂事件の影響で、王立中央学院はしばらく休み。空いた時間をレグルスは道場と「何でも屋」の仕事にあてた。当初は自主鍛錬の時間も増やすつもりだったのだが、それは断念。時間がたっぷり取れると分かった師匠たちが張り切り過…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第86話 真相は闇の中に消える

ジークフリート暗殺未遂事件は王国を、そして王立中央学院を大いに揺るがせた。少し考えれば分かる。食事に薬を混入させた者が誰かとなると、もっとも怪しむべきは学院関係者。襲撃犯であることが明らかな猛獣使いたちでは、絶対に不可能とは言わないが、誰…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第85話 小さな分岐点

王立中央学院の武系コースの学院生は、猛獣相手に一対一であれば余裕で戦えるくらいには鍛えられている。強者であれば一対四、五であっても戦えるだろう。公平な条件下であれば。 今、彼らを苦しめているのは夜の闇。宿舎を燃やしていた炎はその勢いが衰え、…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第84話 これは予定通りのイベント、ではない

途中で、これも訓練の一環として、野営を行い、その翌日の夕方に目的地に到着した。予定通りの到着だ。一泊二日程度の行軍で予定が狂ってしまうなど、移動が困難んになるほどの嵐に襲われたなどということがない限り、あり得ない。予定通りに到着出来て当た…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第83話 イベントらしいイベントが始まる、はず

二学年前期のイベント。学院のイベントであり、ゲームシナリオにおいてもイベントのひとつとなっている模擬実戦訓練が始まった。始まったとは言っても、まずは現地への移動。王都外壁内の防衛拠点のひとつである砦がある山まで、二日かけての移動だ。 それは…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第82話 未来はどこに向かっているのか

レグルスは転生して、すぐに前世の記憶を紙に記している。ただ何から何まで記録出来ているわけではない。原因は分からないが、転生直後から前世の記憶は急速に失われていく。残しておかなければならないと思う記憶を選りすぐって記録するのだ。 久しぶりにブ…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第81話 小さな悪役令嬢?

加速していた物語は、一気にその勢いを失っている。アリシアはそう感じている。SRPG『アルデバラン王国動乱記』において王立中央学院に入学してしばらくの時期は、戦記ではなく、恋愛物語が進行していく。ジークフリート第二王子との出会い、接近、その…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第80話 運命が変わる時

教会による慈善活動の手伝いを終えたレグルスたちは店に戻った。酒場は今日は休みだ。慈善活動は結構な重労働になることを予想して、あらかじめ休むと決めていた。疲れて動けないからというより、打ち上げを店で行う為という理由のほうが強い。 贅沢にお湯を…