月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

ファンタジー小説-SRPGアルデバラン王国動乱記~改~

SRPG「アルデバラン王国動乱記」~改~ 第219話 決戦

二戦連続での敗北。それも圧倒的に有利な状況からの惨敗だ。その結果がもたらしたものは大きかった。王国北部はほぼ反乱軍一色に染まる。北部貴族はブラックバーン家に、形としてはエリザベスに、仕えることを選択したのだ。北部だけではない。各地でブラッ…

SRPG「アルデバラン王国動乱記」~改~ 第218話 切り札

戦いの帰趨を決めるかもしれない戦いが始まろうとしている。こう考えているのはブラックバーン家、そしてアルデバラン王国上層部の一部だけで、大多数は、この先も続く戦いの中のひとつ、それも反乱鎮圧に向けた戦いの始まりだという認識だ。 そう思われる理…

SRPG「アルデバラン王国動乱記」~改~ 第217話 四面楚歌

王国の重臣会議。今日の会議は、通常の参加者ではなく、その中から更に人選を行って、開かれている。多くに知らせるにはまだ早い情報。未確定な部分が多いというだけでなく、伝える人を選ばなければならない重要な情報がもたらされたのだ。アルデバラン王国…

SRPG「アルデバラン王国動乱記」~改~ 第216話 後戻りは出来ない

アルデバラン王国西部に侵攻したエルタニン王国軍を撃退する為に派遣された王国騎士団。総指揮官は王国騎士団三神将の一人、オーガスティン中将。領土内に他国が侵攻したという一大事だ。三神将が総指揮官を努めるのは当然のこと。ただ彼が任命された理由は…

SRPG「アルデバラン王国動乱記」~改~ 第215話 まだ先の話

アルデバラン王国騎士団との一戦での勝利で盛り返したブラックバーン家軍。一度は王国に降伏したブラックバーン騎士団や家臣たちが味方に戻ったことで戦力も充実。勢いに乗って、王都に向かって進軍を開始する、ことにはならなかった。 情勢はそこまで甘くな…

SRPG「アルデバラン王国動乱記」~改~ 第214話 稀代の謀略家?

ジークフリート王は今日も重臣たちを招集して、会議を行っている。王国全土で事が動いている。その勢いを止めることなく、次の一手を繰り出していかなければならない。世界制覇までは、まだ道は遠いはず。のんびりしている余裕はないのだ。今は何もかも自分…

SRPG「アルデバラン王国動乱記」~改~ 第213話 北部動乱

エリザベスを担いだ反乱は、それを起こした側にとっては上手く行っていない。要因はいくつかある。ひとつは、反乱を起こす側であるのに後手に回ってしまったこと。エリザベスが旗印となる前、アルデバラン王国とブラックバーン本家に反旗を翻した人たちは、…

SRPG「アルデバラン王国動乱記」~改~ 第212話 手放した者たち、手をつなぐ者たち

戦争中は軍同士の戦闘以外の、表には出ない闘争も行われている。諜者同士の戦いだ。戦時中でなくてもある戦いだが、平常時と異なるのは躊躇うことなく敵側を殺すこと。泳がせて相手の意図を探るなんて真似はしない。少しでも多くの情報を入手すること、情報…

SRPG「アルデバラン王国動乱記」~改~ 第211話 シン・二代 胆勇無双

ジークフリート王はご機嫌だ。いくつかの誤算はあったが、主導権を握ってからは、自分が求める通りに物事は進んでいる。順調と評価できる状況だ。 姉のエリザベスは行方不明。所在が明らかになることはない。すでに死んでいて、死体はどこかに埋められている…

SRPG「アルデバラン王国動乱記」~改~ 第210話 抗う者

東方辺境伯領ほどではないが、西方辺境伯家の状況も慌しい。辺境伯家は王国の守りの要、とはなっているが、近年は自国の領土を攻められることなど、ほとんど想定していない。一方的に攻め込む側だったのだ。 そうはいっても備えは万全。エルタニン王国軍が全…

SRPG「アルデバラン王国動乱記」~改~ 第209話 追いつめられた人たち

物事はジークフリート王の、もしくはジョーディーの思い描く通りに進んでいる。そんなことにはならない。そんな簡単に物事が進むのであれば、ジークフリート王かジョーディーのどちらかが、とっくに目的を果たしている。想定外のことが起きるからゲームは、…

SRPG「アルデバラン王国動乱記」~改~ 第208話 重なる謀略

さすがに、城内に女性を連れ込んで遊び惚けることをずっと続けるなんて真似は、ジョーディー新王には許されない。王としての責務を果たさなければならない。しかも今は国難の時、と言っても良いくらいの状況。考えるべきこと、決めるべきことは山ほどあるの…

SRPG「アルデバラン王国動乱記」~改~ 第207話 下衆な男

サマンサアンは王妃になる。その座を奪うはずだったアリシアのほうが今回、絞首台に昇った。何度も何度も繰り返された悲劇が、ようやく回避されたのだ。 そうであるのにジョーディーの気持ちは晴れない。今の状況に心を痛めている。彼の目的はサマンサアンを…

SRPG「アルデバラン王国動乱記」~改~ 第206話 曝け出した素顔

国王の急逝を受けて、王国は速やかに次の国王を決定した。ジークフリート王子がその人だ。長幼の序を守れば、ジュリアン王子が次の国王となるべき。こういう声は当然あった。どちらに決まるにしても片方が不在の間に決定するのはいかがなものか、という意見…

SRPG「アルデバラン王国動乱記」~改~ 第205話 崩壊の始まり

花街での出来事は、その日のうちに国王の耳に届いた。花街と国王の間には特別な繋がりがある。隠すことなど出来ない。それでも国王は一日の間を空けた。自分に花街での話を伝えてきた者を、ジークフリート王子に推測させない為だ。それでもジークフリート王…

SRPG「アルデバラン王国動乱記」~改~ 第204話 バッドエンド

我ながら馬鹿なことをしたものだとアリシアは思う。あの場は惚けておけば良かったのだ。サマンサアンは確たる証拠をもっていたわけではない。だから自分に白状させようとした。あとから考えて、それが分かった。 仮にその場を逃れた後に証拠が見つかっても、…

SRPG「アルデバラン王国動乱記」~改~ 第203話 王国の混迷

国民の人気を集めるアリシアとジュリアン王子を結婚させて、王家への支持を高め、慶事を作ることで乱れている世の中への不満から目を逸らさせる、という国王の計画は失敗。それも最悪の形で終わることになった。 アリシアは、罪状はまだ確定していないが、牢…

SRPG「アルデバラン王国動乱記」~改~ 第202話 悪役令嬢の覚醒

レグルスが暗殺された。この情報はオーウェンからエリザベス王女に、エリザベス王女から国王に伝えられた。そこから先は、ある意味いつものように、極限られた人物だけが知ることになる。具体的にはジュリアン王子、宰相、諜報部長、あとは王国騎士団長の四…

SRPG「アルデバラン王国動乱記」~改~ 第201話 伏兵

物事が、当事者を除け者にして、先に進んでいく。 ジュリアン王子とアリシアの結婚手続きが、双方の合意を待つことなく、動き出したのだ。もちろん、今の段階では正式に公表はされていない。あくまでも下準備という段階だ。 だがその動きを王国は、国王は隠…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第200話 向かう先に待つものは

栄光騎士団はめざましい活躍を見せている。アリシアの活躍のおかげ、とするのは少し違う。活躍はアリシアのお人好し、ではなく正義感があってこそであるのは間違いないことだが、それだけで任務が上手く行くはずがない。栄光騎士団の活躍は王国諜報部の支え…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第199話 敵味方

タイラーはずっと亡くなった兄クリスチャンの屋敷に引きこもっている。心の整理が出来ないでいるのだ。そうであって欲しくはなかったが、やはり、クリスティアンは自分の暗殺を企んでいた。それはすでに明らかになっている。自分を殺そうとしたクリスティア…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第198話 運命は巡る

ジュリアン王子の騎士団、栄光騎士団の初任務は王国中央南部にある少数民族バスケス族の居住地での調査になった。そこが選ばれた理由は単にカリバ族が暮らしているハートランドから、比較的近いというだけ。協力するカリバ族の人たちが合流しやすいからとい…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第197話 新たな動き

黒色兵団は王都に戻って来た。自ら望んでのことではない。国王の召喚を受けて、仕方なくだ。さすがにレグルスも国王の命令を無視するわけにはいかなかったのだ。 王都は、王国各地で争乱が起きているとは思えない、明るい雰囲気。それに疑問を感じたレグルス…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第196話 意外な動き

王都に戻って来たアリシアだが、彼女には住む場所がない。レグルスとの婚約が解消となり、ブラックバーン家に貸し与えられていた屋敷を出た後は、ジークフリート王子が用意してくれた屋敷に住んでいたのだが、今はそこも出ている。好意に甘え続けているのは…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第195話 齟齬

黒色兵団が任務に復帰する、という情報はまだ王都には伝わっていない。だからといって、それを待たなければ任務を行えないということではない。王国騎士団の下部組織という位置づけではあるが、王女であるエリザベス王女が率いる黒色兵団には、かなりの独立…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第194話 転換点

アリシアは忙しい任務の合間を利用して、王都に戻って来た。国王の命令を受けての帰還なので、合間がなくても戻らなければならなかっただろう。 王国の各地で次々と起こる争乱。貴族家の内乱であったり、少数民族の蜂起であったり、大規模盗賊団が暴れている…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第193話 予想外の展開

猫の手も借りたいほどの忙しさ。この言葉通りの状況に陥っている王国騎士団ではあるが、実際に猫の手を借りても事態は解決しない。それが人の手であったとしても、戦う力のない者の手では役に立たない。無駄に死傷者を増やすだけの結果に終わってしまう。 反…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第192話 誰が為の人生

物語が一気に加速した。これはアリシアの感想だ。この世界がゲーム世界、ゲームストーリーからは完全に外れているがゲームと同じ設定の人々が生きる、普通とは違う世界だと知っているアリシアだからそう思うのであって、そうではない人々は、各地で起きた争…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第191話 旅立ち

領地に向かう準備で忙しくしているのはレグルスだけではない。レグルスの周囲の人々も色々とやらなければならないことがあって、忙しくしている。 なんといっても一番は「何でも屋」のバンディー。王都を離れていることが増えたレグルスに代わって「何でも屋…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第190話 歓送

レグルスが新たな領地を与えられたという噂は、少しずつではあるが、確実に人々の間に広まっていった。噂が広まるのに時間がかかったのは前領主サイリ子爵の死の真相を公に出来ない事情が王国にあるから。隣国から人を攫ってきて奴隷のように扱っていたなど…