月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

ファンタジー小説

黒き狼たちの戦記 第24話 まずは聞き込みから

パラストブルク王国に到着したヴォルフリックたち。まずは王都にある城に行って、依頼主であるパラストブルク国王にご挨拶、なんてことは行わない。国境を抜けたところで王都に向かう街道から外れ、まっすぐに東に向かって進んでいった。たどり着いた先はナ…

黒き狼たちの戦記 第23話 誤算、の一言で終わらせられるものではない

任地であるパラストブルク王国に向けて、出発するヴォルフリックたち。その様子はとても任務に向かう傭兵団には見えない。かろうじて腰に携えている武器が、彼らが傭兵であると認識させるものであるが、それ以外はただの旅人と同じ。元近衛騎士であるフィデ…

黒き狼たちの戦記 第22話 また、さらに気の進まないお仕事です

西のベルクムント王国と東のオストハウプトシュタット王国。この二大国にまとまって対抗する為に中央諸国連合は出来上がったのだが、ノイエラゲーネ王国がベルクムント王国の謀略に協力したように、必ずしも一枚岩とは言えない状態だ。それぞれ自国を存続さ…

四季は大地を駆け巡る #137 意外な策士

ヒューガの失踪は翌日の早朝には明らかになった。毎日、早朝から夜遅くまで鍛錬や仕事やらで忙しくしているヒューガだ。その姿が見えないとなれば、すぐに何かあったと周囲の人は気付く。まして前日の出来事を考えれば。 行く先は明らか。アイントラハト王国…

四季は大地を駆け巡る #136 明らかになったズレ

アインシュリッツ王国。これが旧ダクセン王国領に新たに建国された国の名だ。その領土はダクセン王国であった時とほとんど変わらない。変わったのは東方争乱当初にマンセル王国が奪った部分で、それ以外は元のままだ。レンベルク帝国との国境は元のまま、そ…

四季は大地を駆け巡る #135 動き出す悪意

イーストエンド侯爵の領主館では、普段とは異なる緊迫した雰囲気の中で打ち合わせが行われていた。パルス王国南部を占拠した魔族と裏切った南部貴族たちの討伐にイーストエンド侯爵家からも軍を出すことが王都で決まった。それを受けた軍事会議が開かれてい…

四季は大地を駆け巡る #134 落としどころ

傭兵王が敗北を認めたことでマーセナリー王国の情勢は一気に変化した。相変わらず各地に割拠している勢力は存在しているが、どれもそう遠くないうちにマリ王国に吸収されるか、奪えるだけ奪って解散するかのいずれかを選択することになる。それ以外の選択肢…

四季は大地を駆け巡る #133 人、物、土地。求めるものはそれぞれ

サウスエンド伯爵家の居城があるエルツシュロスは、当然だが、南部最大都市。サウスエンド伯爵家の家風もあって華やかさにはやや欠けるものの、南部経済の中心地として多くの人々が行き交う賑やかな街だ。本来は。 今現在、エルツシュロスを訪れる商人や旅人…

黒き狼たちの戦記 第21話 久しぶりの再会なのに・・・

今日は定例の従士試験の日。会場となっている王国騎士団の野外鍛錬場は見物客とその見物役目当ての露店、さらにその露店目当ての客で大いに賑わっている。いつものことだ。 ヴォルフリックにとっては二回目の従士試験。試験そのものはもっと行われているのだ…

黒き狼たちの戦記 第20話 叶わぬ願い、せめて

アルカナ傭兵団の定例会議の場。出席者は国王であり団長であるディアークとアーテルハード、ルイーサとトゥナの四人だ。力の称号を持つテレルも本来は出席者であるが、今は任地にいる為、参加していない。この参加者五人がアルカナ傭兵団の幹部ということだ…

四季は大地を駆け巡る #132 二つの動き

夜の陣地は静寂に包まれている。傭兵王は、まるで広い陣地にたった一人でいるような気分だった。そんなはずはない。陣地には四千を超える騎士や兵士がいる。今この瞬間にも減っているかもしれないが。 自軍はずっと負け続けている。一騎打ちで負け、五十人と…

黒き狼たちの戦記 第19話 俺にそんな趣味はない

ヴォルフリックが独房に入れられていたのは二週間。長すぎず短すぎず、軍法会議での彼の発言が人々に広まり、それに対する様々な反応が盛り上がりを見せ、そこから静まるまでの期間としては適当だ。傭兵団の上層部は、人々の反応をそれとなく観察し、その状…

黒き狼たちの戦記 第18話 頑張ったら被告人になりました

ノートメアシュトラーセ王国の都シャインフォハンに戻ったヴォルフリックたちを待っていたのは軍法会議。傭兵団に命じられた任務の遂行を放棄して、勝手な行動を取ったということで、吊し人のリーヴェスから告発されたのだ。 行動の結果としてヴォルフリック…

黒き狼たちの戦記 第17話 骨折り損のくたびれ儲け

ヴォルフリックたちがノイエラグーネ王国の都で拠点としているのは、地元の貧民街出身者を騙っているにも関わらず、表通りの高級ホテル。貧民街には本当にヴォルフリックたち、偽名ではアインとフォルス、が暮らしているか調べに来る可能性がある。裏通りの…

四季は大地を駆け巡る #131 破壊と創造

レンベルク帝国の帝都。城の面会室でレンベルク皇帝はグランと向き合っていた。アイントラハト王国の外交担当としてグランは定期的にレンベルク帝国を訪れている。交易の話、軍事協力についてなど話し合うことはいくつもあるのだ。 ただ帝都まで来るのは久し…

四季は大地を駆け巡る #130 よろず相談承ります

旧ダクセン王国領にある村。長く続く戦乱で男手を失い、土地が荒れ果て、なんの収穫も得られることが出来なくなっていたところに、さらに野盗と化した元マーセナリ―王国軍の騎士や兵士による襲撃を受けて、蓄えまで奪われてしまった。 明日食べるものにも困…

黒き狼たちの戦記 第16話 懐かしさに惹かれたわけではない

どこの国にも貧しい人たちが暮らす場所がある。もともと、とても人が住めるような場所ではなかったはずのそこに、どうしようもない事情があって住み着く人が出て、徐々にその数が増えて一定数を超えると、貧民街として確立して、さらに貧しい人が集まるよう…

黒き狼たちの戦記 第15話 思っていたより派手だった

ヴォルフリックたちの任務地はグリュックスインゼル王国。その都から東方に伸びる街道を国境近くまで進んだところにある山岳地帯だ。そこを抜けると、中央諸国連合加盟国の中でもっとも東に位置する、オストハウプトシュタット王国との争いにおいて最前線と…

四季は大地を駆け巡る #129 踏み出された一歩が次の一歩に繋がる

ヒューガとメルキオル王太子の会談は二刻に渡って行われた。最初はメルキオル王太子がアイントラハト王国についての質問を投げ、それにヒューガが答えるというものだったのだが、詳細については答えられないことが沢山ある。それは質問するメルキオル王太子…

四季は大地を駆け巡る #128 知る者、知らない者

サウスエンド伯爵領を奪う。この優斗の企みは一歩一歩確実に進んでいる。優斗一人の手柄ではない。もちろん南部に領地を持つ貴族を味方にする為の交渉では、優斗の存在は良い影響を与えている。勇者が味方にいるということだけで、反乱が成功する確率はあが…

四季は大地を駆け巡る #127 傭兵王に俺はなる、つもりはない

マーセナリー王国の混乱は収まる気配を見せていない。傭兵王はなんとか全土の支配権を取り戻そうとしているが、それは思うようには行っていない。まったく進んでいないわけではない。支配地域は少しずつ広げられている。だが、混乱をもたらしていた元臣下、…

黒き狼たちの戦記 第14話 狼たちが動き出す

ベルクムント王国の都ラングトア。大陸西部における最大都市であるラングトアはベルクムント王国の王都というだけでなく、西部全体の商業の中心都市という役割も担っている。ベルクムント王国国内だけでなく他国からも多くの商人がやってくるラングトアはそ…

黒き狼たちの戦記 第13話 変人扱いされるようなことか?

ヴォルフリックがアデリッサの招待を受けたのは翌日のこと。任務を前にして時間がない中だが、ヴォルフリックは約束通りに、それを受け、また城に向かうことになった。三人の従士も一緒だ。クローヴィスとフィデリオはアデリッサが何かを企んでいるのではな…

四季は大地を駆け巡る #126 託された想い

レンベルク帝国の皇城で開かれた戦勝の宴。パルス王国で行われている宴と同じように、華やかな衣装をまとった淑女たちが宴の席を彩り、楽団が奏でる軽やかな音楽に乗って人々がダンスを楽しんでいる、というものではなかった。レンベルク皇帝が説明した通り…

四季は大地を駆け巡る #125 戦いを終えて

東方完全制覇、そして大陸全土の覇権を手に入れる為の次のステップとしてレンベルク帝国征服を試みた傭兵王。だがその目論見は完全にはずれ、国境付近での戦いで敗北を喫しただけでなく、多くの臣下の離反を招くことになった。元傭兵たちの多くが、従う兵士…

黒き狼たちの戦記 第12話 良き母がどういうものかなんて知らない

ノートメアシュトラーセ王国の王子であり、太陽の称号を持つ上級騎士であるジギワルドの頼みで、お茶の時間を一緒に過ごすことになったヴォルフリックたち。ジギワルドの案内でアルカナ傭兵団の施設を抜け、城内に入り、奥へ奥へと進んでいく。どこに向かっ…

黒き狼たちの戦記 第11話 面倒くさい奴がまだいた

速やかに出動をという命令を受けたヴォルフリックではあるが、翌日すぐに目的地に向かうのかとなるとそうではない。一応は準備期間を与えられている。三箇所の任務地のうち、どこに最初に向かうのか。その次はどこの予定か。それを決めてアルカナ傭兵団本部…

黒き狼たちの戦記 第10話 真面目に仕事しましたけど?

鬱蒼と木が生い茂り、昼でも薄暗い森の中。ヴォルフリックたちは中央諸国連合の加盟国であるヘァブストフェスト王国の南部にある森に来ている。この森の奥に討伐を命じられた盗賊団のアジトがあるのだが、この場に到着してすでに半月、ヴォルフリックたちは…

黒き狼たちの戦記 第9話 隠すことで見つかることもある

クローヴィスとフィデリオが正式に従士になったことで、ヴォルフリックの日々のスケジュールは変化することになった。図書室で調べ物をする時間が減少。ギルベアトが資料を残していないとなれば、本当に調べたいことを調べる時間しか必要なくなったのだ。そ…

黒き狼たちの戦記 第8話 強くなると決めて何が悪い?

ヴォルフリックの日常は、スケジュールこそほとんど変わらないが、中身は大きく変わることになった。一番大きな変化は従士がついたこと。従士試験に合格したブランドはその日のうちにヴォルフリックに合流した。彼がヴォルフリックの従士になる為に試験を受…