月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

ファンタジー小説

悪役令嬢に恋をして 第114話 絡みあう策謀

街の中央広場に、多くの住人たちが集まっていた。普段はない柵の周囲に集まった住人たちは、不安気な表情で、中央に設けられた処刑台を見つめている。これから公開処刑が始まるのだ。 この街で公開処刑が行われるのは初めての事だ。まして、これから処刑され…

悪役令嬢に恋をして 第113話 変わらない者、変わった者、変わってしまった者

グランフラム王国と不思議の国傭兵団の二度目の軍議。今回、不思議の国傭兵団からは、リオンとアリスだけが出席している。 軍議といっても、まず最初に話し合われるのは報酬などの条件。グランフラム王国と不思議の国傭兵団の契約は、まだ結ばれていないのだ…

悪役令嬢に恋をして 第112話 知らされた思い

不思議の国傭兵団は、カマークを出て、駐屯地にしている周辺の村に向かったのだが、リオンは同行せずに、カマークに残ったままだった。これからの事を打ち合わせる為だ。 打ち合わせの場所は、カマークのフォルスの店。敷地の奥にある、許された者しか入れな…

悪役令嬢に恋をして 第111話 気が付くとハーレム?

リオンたちは朝からカマークに向かっている。グランフラム王国の依頼を受けるためだ。 アリスは検討して返事をするとアーノルドに伝えたが、依頼を受ける事は初めから決まっていた。そうでなければ、バンドゥに現れる必要はないのだ。返答を先延ばしにしたの…

悪役令嬢に恋をして 第110話 初めての修羅場

グランフラム王国軍による追撃で、グレートアレクサンドロス帝国軍の混乱は激しさを増し、完全に戦うどころではなくなってしまった。兵士の混乱を治めるべき指揮官の大半が、すでに逃げ出してしまっている事が大きかった。 グレートアレクサンドロス帝国軍に…

悪役令嬢に恋をして 第109話 英雄の帰還

城壁の上から西を望むとグレートアレクサンドロス帝国軍の姿が見える。遂にカマークに到着したのだ。 まずは陣地を固めようとところなのだろう。その場から近づいてくる事はなく、何やら慌ただしく動いている様子が見える。 この距離でもすでに大砲の射程内…

悪役令嬢に恋をして 第108話 真打ち登場?

初戦を、ほぼ完敗という結果に終わったグランフラム王国ではあったが、グレートアレクサンドロス帝国軍がすぐに侵攻を開始しなかったおかげで、どうにか軍を立て直す事が出来た。 バンドゥが四方を山に囲まれていた事も幸いだった。兵士は逃げたくても逃げる…

悪役令嬢に恋をして 第107話 それぞれの切り札

マリアにとってグランフラム王国との戦いは、決して負けられない戦いになる。ここで負けるような事態になれば、自身の軍部への影響力は失われる事となり、それが帝国全体への影響力の低下に繋がる事はマリアにも分かっている。 皇后としてただ奥にいるだけの…

悪役令嬢に恋をして 第106話 帝国の混乱

まさかのメリカ王国侵攻作戦の失敗に、グレートアレクサンドロス帝国は浮足立った。先行軍として送り込んだ二万のうち帰還出来たのは、わずか四割に過ぎない。銃や大砲は全て戦場に放棄され、その損失もかなりのものだった。 すぐに後続軍を送り再侵攻を図ろ…

悪役令嬢に恋をして 第105話 復讐へのプロローグ

グランフラム王国にグレートアレクサンドロス帝国の使者が現れた。用件は聞くまでもなく分かっている。降伏勧告の使者だ。 追い返しても良いのではないかという意見もあったが、アーノルドは話だけは聞くことにした。降伏勧告を受け入れる余地があるという事…

悪役令嬢に恋をして 第104話 急いては事を仕損じる

ファティラース王国が消失した事でグレートアレクサンドロス帝国は、旧グランフラム王国領のほぼ全てを手にした事になる。バンドゥとその周辺が残っているが、旧グランフラム王国領全体で見れば辺境のわずかな土地に過ぎない。グレートアレクサンドロス帝国…

悪役令嬢に恋をして 第103話 老兵は死なず

バンドゥ南部の領境は、今はファティラース王国との国境だ。その国境の砦で両国の交渉が行われていた。同盟交渉という名目で始まった交渉ではあるが、今では中身が変わっている。ファティラース王国は領地の支配力を失いかけていて、国としての体を成さなく…

悪役令嬢に恋をして 第102話 揺れる想い

北部、旧ウィンヒール王国領に侵攻するだけの軍勢は今のグランフラム王国にはいない。領土拡大の機会ではあるが、それは諦めざるを得ない。その上でアーノルドは何か出来ないかを考えた。国の為ではなく民の為に。その結果、思い付いたのは。 「……北部に物資…

悪役令嬢に恋をして 第101話 人生は出逢いで決まる

帝都防衛戦において多くの犠牲を出したグレートアレクサンドロス帝国は、軍の再建に専念しており、軍事行動を控えている。ただその期間は、グランフラム王国が考えているよりも、遥かに短くなるはずだ。 帝国における軍の再建とは戦いで失った銃火器、そして…

悪役令嬢に恋をして 第100話 戦いの後で

グランフラム王国による王都奪回作戦は失敗した。元ウィンヒール王国貴族の裏切りもあって、グレートアレクサンドロス帝国はその支配地域を更に拡大する事となっている。 旧グランフラム王国領の西部全域、北部の八割、南部についてもすでに過半がグレートア…

悪役令嬢に恋をして 第99話 グランフラム国王の最期

話 アーノルド王太子が近衛騎士団を率いて、マリアの親衛隊との戦いを優勢に進めている頃。グランフラム王国軍全体は、グレートアレクサンドロス帝国の砲撃によって崩された陣形の再構築に必死の状況だった。 大砲の射程外に部隊を後退させようとしても、砲…

悪役令嬢に恋をして 第98話 王都奪回の戦い

グランフラム王国軍の本隊二万がカマークを発って二ヶ月。グレートアレクサンドロス帝国から一切の攻撃がないままに、旧グランフラム王都、現アレクサンドロス帝都トキオにたどり着いた。ウィンヒール方面から移動してきた別動隊三万も同じ。何事もなく進軍…

悪役令嬢に恋をして 第97話 決戦の時の為に

ウィンヒール王国を崩壊させ、その力をほぼそのまま吸収したグランフラム王国は王都奪回へと動き出した。これがグレートアレクサンドロス帝国の望む通りの展開だと知りもしないで。 ただ仮に知っていたとしても、グランフラム王国の決断は変わらなかっただろ…

悪役令嬢に恋をして 第96話 エルウィンの最期

ラング宰相の身の安全を保証したところで、いよいよ本格的な交渉に入る、とはいかずにグランフラム王国側は、更にウィンヒール王国に対して揺さぶりをかけた。ラング宰相には知られないように、他の交渉担当に対してエルウィンの出生に疑義がある事を伝えた…

悪役令嬢に恋をして 第95話 悪あがき

もう後は滅びるだけと思われていたグランフラム王国が息を吹き返した。ウィンヒール王国との戦いは、グランフラム王国が圧倒的に優勢な状況で進んでいるのだ。 ただこれは当然の結果で、冷静になって戦力分析を行えば、グランフラム王国側の有利は明らかだっ…

悪役令嬢に恋をして 第94話 グランフラム王国vsウィンヒール王国

グレートアレクサンドロス帝国によるファティラース王国への攻勢。ウィンヒール王国によるグランフラム王国への侵攻。この二つは同日に開始された。両国で日にちを示し合わせての事だ。 グレートアレクサンドロス帝国は、一時的にとはいえ、旧グランフラム王…

悪役令嬢に恋をして 第93話 四国争乱

グランフラム王国は西部がアレクサンドロス王国、北部と王都周辺がウィンヒール王国、南部はファティラース王国、そして東部がグランフラム王国という形となった。だがこの構図は、ほんの数ヶ月で崩れる事になる。 ウィンヒール王国軍は王都から撤退。代わり…

悪役令嬢に恋をして 第92話 グランフラム王国崩壊

グランフラム王国に、いよいよ大動乱の波が押し寄せてきた。ランスロットが遂に積極的に動き始めたのだ。 アクスミア侯家の従属貴族の過半数が自陣営に流れたところで、ランスロットは強引な手段を取り始めた。従わない従属貴族の討伐に動いたのだ。 強硬姿…

悪役令嬢に恋をして 第91話 四年間の成果

ローランド王国の侵攻はメリカ王国軍に大いに衝撃を与えた。だがリオンの望むように、戦いを止めて撤退という事にはならなかった。 そうしたくても東方諸国連合軍が追撃してくるのは間違いない。撤退戦の困難さをメリカ王国軍はよく理解しているのだ。敵国か…

悪役令嬢に恋をして 第90話 タリア王国奪回作戦

イリア王国とタリア王国は元々一つの国だった。だがある時、王位継承を巡っての内乱が起こり、それが決着つくことなく終わった事で、二国に分裂したままとなった。元々豊かというには程遠い国だったのだが、二つに分裂した事で益々貧しくなった。 特に何の資…

悪役令嬢に恋をして 第89話 リオンとアリスの関係

タリア王国からの依頼を受けるかどうか。これについては、リオンの考えは決っている。まだ子供でありながら、王としての風格を見せたタリア国王にリオンは感心している。自分が持たない覚悟を、タリア国王が持っている事にも。 タリア国王を名だけの国王で終…

悪役令嬢に恋をして 第88話 また詐欺にあった気分

メリカ王国軍は侵攻作戦の失敗を悟って、送り込んだ部隊を全て撤退させた。その時には既にかなりの部隊が襲撃を受けていたので、手遅れと言えばそうなのだが、それでも放置しておく訳にはいかない。侵攻を続ければ、それだけ撃破される部隊が増えるだけなの…

悪役令嬢に恋をして 第87話 もうひとつの戦乱

グランフラム王国に新たな動乱が巻き起ころうとしている中、それよりも一足も二足も早く、大陸東南部で戦争が行われていた。メリカ王国と、その東にある幾つかの小国の連合、東方諸国連合との戦いだ。 グランフラム王国との決戦を前に東方平定を試みたメリカ…

悪役令嬢に恋をして 第86話 リオンの愛弟子

王族の生活空間である城の奥は、仕える侍女以外は、近衛であっても極限られた者しか立ち入りが許されない閉鎖空間だ。奥に住む者に外部の者が面会する場合は、奥の手前にある謁見室を利用する事になる。 その謁見室の一つで、エアリエルは訪れた者たちと向か…

悪役令嬢に恋をして 第85話 ランスロットの反乱

西部国境の街カンザワ。跡継ぎの座を追われたランスロットが領主として流されたノウトの中心都市だ。だがこの四年間で、この辺境のノウトがグランフラム王国内でもっとも発展した土地となった。 これはマリアの力が大きい。今のマリアの自信は、かつての思い…