グレートアレクサンドロス帝国の決断は出撃だった。調査の結果、南部崩壊の原因は、地下に広がっていた空間が崩落した為だと分かった。その地下空間が何かを、帝国は知っている。それが南地区だけでなく、他の方面にも広がっている事も。更なる崩落が起これば、帝都は大混乱に陥る。
帝国が恐れているのは、陥没だけではない。地下には、多くの砲弾や爆弾が置かれていた。グランフラム王国の地下からの侵攻に備えて、設置されたものだ。その一部が崩落で埋まってしまった。水を蒔くなどして措置はしたが、万一爆発するような事態になれば、どの様な事になってしまうのか。
帝国の野戦という決断は、積極的なものではなく、それしか選択肢がなくなったからだった。
一方でグランフラム王国にとっては待ちに待った、それも望み通りの展開だ。野戦で、しかも、帝国軍の大砲や銃による攻撃を想定して、構築した陣地を利用しての戦いに引き込めたのだ。
ただ一つ、誤算があったとすれば。
「……どこから、かき集めてきたのだ?」
戦場に現れた帝国軍。その陣容が明らかになったところで、アーノルドの口から疑問の言葉が漏れた。帝国軍の総数はざっと八万。想定していたよりも多い数だ。行政府軍を集結させていた事は、グランフラム王国も知っている。それでも最大で六万くらいに見積もっていたのだ。
「こちらも増強しておいて助かりました」
マーカス騎士兵団長の答えは、アーノルドの問いへの答えになっていない。
「そうだな」
それでも、アーノルドは文句を言わず、同意の言葉を口にした。グランフラム王国は、およそ一万の軍勢を増強している。
臣従している貴族家軍から、信頼出来る者を選んで編成した新しい部隊だ。それにより、グランフラム王国の総兵力は三万となっている。八万の帝国軍には遠く及ばないが、二万のままで戦う事に比べれば、はるかにマシだ。
「陣を敷いた位置も、ほぼ予定通り。ここまでは順調に来ております」
とにかく、考える時間だけは山程あった。作戦を考えるにあたって、帝国軍がどこに布陣するかも何度も検討している。その結果、グランフラム王国が考えたのは、そこにしか布陣出来ないという状況に、戦場を変えてしまうという事。障害物を置き、丘を削るなどして、帝国の選択肢を減らしていった。
その苦労が報われて、帝国は思い通りの位置に布陣した。帝国側で大軍を布陣出来て、且つ、戦場を見渡せる高い位置は、そこしかないのだ。
「問題はここからだ。アレクサンドロスは攻めてくるか、それとも陣地を固める事を選ぶか」
アーノルドが望むのは前者だ。帝国に、じっくりと陣地を固められては、野戦に持ち込んだ意味がない。それなりの備えをしたつもりなので、自陣が簡単に落ちるとは思っていないが、それでも敵陣を落とす苦労は少ない方が良い。
「どちらでも問題ありません。長期戦になればなったで、我が国が有利になるだけです」
マーカス騎士兵団長の意見は少し違う。陣を固めて、じっくりと戦う余裕は、帝国にはない。そうでなければ、帝都を出る理由がないと考えている。
長期戦になれば、その間に北部と南部は、完全にグランフラム王国の勢力下に入る。帝国は、それを恐れて出撃してきたという主張だ。
「……そうであれば良いのだが」
アーノルドも、マーカス騎士兵団長の考えは正しいと思っている。ただ、これまで何度も帝国には煮え湯を飲まされてきた。その経験から、帝国には、こちらが知らない奥の手があるのではないか、という思いが頭から離れないのだ。
「……その、ご心配は無用のようです。アレクサンドロスが動き出しました」
「何だと!?」
あまりにも早い動き。それは、アーノルドの不安を増すだけだった。
◇◇◇
戦場に現れて、陣地構築もそこそこに、グレートアレクサンドロス帝国軍は動き出した。これは、完全にグランフラム王国側の意表をつくものだった。その戦法も。
「魔法士部隊の増援を送れ! 左翼だ!」
本陣から命令が飛ぶ。それに応えて、魔法士部隊が前線に駆け出していった。これまで、帝国との戦いでは活躍の場がなかった魔法士団だが、今回は大忙しだ。
その理由は、リオンの戦いぶりを参考に、グランフラム王国が考え出した対帝国軍向けの戦法にある。
帝国軍の火器は火に弱い。魔法属性の相性で考える、この世界の人々にとって、火が火に弱いという事実は驚きだったのだが、実際にリオンの火属性魔法で、帝国軍は驚くほどの犠牲を出して崩壊した。
それを受けて、水属性魔法での戦法を検討していたグランフラム王国は、方向性を転換し、火属性魔法による戦法を編み出す事にした。
捕虜にした帝国軍兵士からも情報を聞き出した結果、考えたのは、火属性魔法の中でも従来は、ほとんど使い道がなかった防御魔法を利用するというもの。簡単に言うと、火の壁で敵の火器を防ぐというものだ。
帝国軍が遺棄した爆弾などでの試験は上々。銃は防げないが、爆弾や砲弾は爆発させる事が出来ると分かった。その戦法を、この戦いで初めて実戦投入したのだが。
帝国軍は少しを先を行っていた。爆弾を鉄の箱に入れて引火を防ぎ、攻撃直前になって取り出して投げるという方法だ。ほんの少しの工夫なのだが、これがグランフラム王国には痛かった。
鉄の箱に入っていなければ、突撃してくる敵兵士の前面に、火の壁を発現させるだけで済む。だが新しい帝国のやり方に対応するには、かなり近い所で、しかも確実に敵の爆弾に魔法で引火させなければならない。これを実現する為には、当初想定していた魔法士では全然数が足りず、帝国の攻撃を完全に防げないでいた。
「右翼の第一陣地にも、かなりの被害が出ております!」
伝令が前線の様子を伝えてくる。グランフラム王国は、何段もの陣地を構築している。その中で、右翼の最前線の陣地が、かなり危険な状態になっているようだ。
「第二陣から部隊を送れ! 各陣地、一つずつ前に! まだ第一陣を放棄する訳にはいかん!」
マーカス騎士兵団長の号令が飛ぶ。右翼の第一陣が敵に破られれば、中央の第一陣は横っ面を帝国軍に晒すことになる。一つの陣地が破られると全体を後退させる必要が出てくるのだ。
「……無理して、犠牲を増やす必要はないのではないか?」
アーノルドが、マーカス騎士兵団長の命令に懸念を伝える。陣地は八陣まで構築してある。更に、本陣に近い側の陣地は、横撃にも備えるなど、より堅牢に作られているのだ。いずれ放棄する第一陣を守る為に、兵の犠牲を増やす事は、アーノルドには疑問だった。
「あまりに敵の攻撃が激し過ぎます。アレクサンドロスは、こちらが考えている以上に、早期決着を望んでいるように思えるのです」
「……八陣があっても、安心出来ないと?」
「全てが落とされるなど、あり得ません。ただ、敵を調子に乗らせては、思わぬ不覚を取る可能性もありますので」
つまり、安心出来ないという事だ。ただマーカス騎士兵団長は、アーノルドがいなければ、グランフラム王国軍の総大将となる身だ。部下を不安にするような言葉を口にして良い立場ではない。こういう点では、素直に不安を口にするアーノルドは、まだまだ経験不足だ。
「帝国は戦いを急いでいるか……」
これには心当たりがあるアーノルドだ。今、この場には帝国が、もっとも恐れているであろう軍勢がいない。アーノルドがランスロットであっても、即戦を仕掛けるだろうと思われた。
「……前線に出てきます」
「何?」
「ここが最初の正念場。敵の攻勢を凌ぐには、指揮の伝達を早める必要があります」
「……分かった。前に出よう」
マーカス騎士兵団長が、こう思うほど、帝国の攻勢は激しく、自軍は厳しい状況という事だ。アーノルドは本陣を前に進める為に立ち上がった。
「本陣はこのままで結構。攻勢を凌いだところで、私も戻ってきます」
マーカス騎士兵団長は、自分だけが前線に出るつもりだったようだ。
「問題ない。前線を恐れていては、総大将など務まらない」
「いえ、そういう問題ではなく、陛下には騎馬部隊の指揮をお願いします。投入の機会が来るかは分かりませんが、万一もありますので」
「……なるほど」
前線が万一、崩壊するような事態が起きた場合、騎馬部隊で敵の勢いを止める必要がある。兵を落ち着かせ、新たな前線を構築する時間を稼ぐ為だ。
それだけではなく、敵が崩れた場合の追撃も騎馬部隊の役目となるが、さすがに、これは気が早過ぎる。
「伝令! 半分が付いて来い!」
伝令部隊の半分を引き連れて、マーカス騎士兵団長は前線に向かっていった。
こうしている間にも、帝国軍の攻勢は続いている。前線のあちこちで爆発音が響き、火花が飛んでいる。まだ、グランフラム王国の陣地が落とされた様子はない。
「……このままで、宜しいのでしょうか?」
マーカス騎士兵団長がいる間は一言も発しなかったランバート騎士団長が、疑問を投げかけてきた。
「何故、そう思う?」
「陣地を守る事に拘って、兵の犠牲を増やすことには疑問を感じます。我軍は三万、アレクサンドロスは八万。兵の消耗戦になれば……」
勝ち目はないという言葉を口にしない分別は、ランバート騎士団長にもあった。だが、ランバート騎士団長の説明を聞いて、既に周囲の騎士の顔には不安の色が浮かんでいる。ランバート騎士団長の考えに、一理あると考える者が多いのだ。
「時間稼ぎ。それを考えているのではないか?」
「兵を犠牲にしての時間稼ぎですか? その結果、何を得られるのでしょう?」
「……分かっているだろ? 援軍が来るかもしれない」
不思議の国傭兵団の参戦。これは戦況を決定付ける切り札になり得る。現れるのであれば、兵の損耗を恐れず、時間稼ぎをする価値はある。
「それであれば、最初から参戦してもらえば良かったのです」
「何?」
「不思議の国傭兵団に、この戦いの決着を委ねるのであれば、最初から彼らに全てを任せれば良かったと考えます」
「それは……」
ランバート騎士団長の言葉は、アーノルドへの批判でもある。不思議の国傭兵団を主戦場から遠ざける事を進言したのはヘイド宰相やマーカス騎士兵団長だが、それを認めたのは国王であるアーノルドなのだ。
「その場合は、もっと報酬額は上がるけど、払えたのか?」
「なっ?」
いきなり割り込んできた声。噂をすれば影、そのままに、リオンが本陣に現れた。
「不用心。無駄口を叩いている暇があったら、本陣の守りを、ちゃんと固めたらどうだ?」
「リオン、お前、いつの間に?」
「俺の話を聞いていたか? それを聞く前に、本陣への侵入を許した自分の部下を叱れ。それと俺は……キングだ。人の名は間違えるものじゃない」
部下の件は良いとして、自分の名前を間違えそうになったリオンが、注意出来ることではない。そもそも、アーノルドは間違えていない。
「……本陣の周囲の警戒を強めろ」
警戒を強めても、リオンであれば侵入してくるだろうと思いながらも、アーノルドは、言われた通りに部下に指示した。
「まあ、程々で良い。こっちで既に手は打ったから、張り切られたら邪魔になる」
「……礼を言ったほうが良いのか?」
「要らない。グランフラム王国の為じゃない。たまたま、守らなければいけない人が、ここにいるからだ」
「なるほどな」
本陣にはエアリエルもいる。すでに一千の部隊に守られてだ。
「……やっぱり、この場所が一番よく見えるな」
前の方に進み出て、リオンは戦場を見渡している。
「何をするつもりだ?」
「……それをこれから考える。まさか、こんなに早く帝国が戦いを始めるとは思っていなかったからな」
着陣早々に帝国が攻め込んだのは、リオンにとっても誤算だった。最低でも、大砲を据え付けるまでの間は、戦いは始まらないと思っていたのだ。
「そうでなければ?」
「戦闘が始まるのを待って、隙を見て、敵本陣に突入のつもりだったけど……結果としては同じだったな」
「どういう意味だ?」
「討つべき相手が本陣にいない」
「何だと!?」
アーノルドはとっさに立ち上がって、帝国の本陣に目をやった。こんな事をしても意味はない。帝国の本陣までは、かなりの距離がある。人の顔など識別出来るはずがない。
「見えるのか? だったら、俺の代わりに探してくれ」
案の定、リオンに嫌味を言われる事になった。
「……お前は見えるのか?」
前線でも同じだ。人の顔までは見えない。
「見えると思うから、ここに来た。少し静かにしてもらえるか? 雑談しながら、戦場の動きを見極められるほど、俺は凄くない」
「……ああ」
雑談していなくても、戦場の動きを見極められる自信はアーノルドにはない。戦場経験の問題もあるが、それだけではない。リオンが異常なのだ。
ぼんやりと、どこを見ているのかも分からない様子で、リオンは戦場の方を見つめている。指が額に置かれているのは、いつもの癖だが、それが分かる者は、この場には数人しかいない。
アリス、そしてエアリエルとソルが、いつの間にか近くに来ていた。
「……さて、困った」
やがて、指は口元まで降り、それと同時にリオンが呟いた。
「何? もしかして見えないの?」
そのリオンの呟きにアリスが、真っ先に反応した。
「二つある」
「二つ? ああ、夫婦ね? それの何が困るの?」
マリアとランスロット。リオンの目標は初めから二人だ。
「軍の動きが二つあるように見える。奴ら、連携など考えないで、それぞれ勝手に軍を動かしている」
帝国軍八万。それは一つの軍ではなく、ランスロットとマリアの二つの指揮系統で動いていると、リオンは判断した。
「あら? 夫婦喧嘩ね?」
「……作戦だろ?」
意外と笑える冗談だった。堪える分、リオンの返事に間が空いた。
「偶然でしょ? あの女が勝手にやってるのよ」
「……その可能性の方が高いか。ただ、勝手にやられると、却って面倒だな」
敵の動きを予測して、部隊を動かすリオンのやり方では、想定外の動きをする相手は、やり辛い。
「二つ同時に相手をしようと考えるからでしょ?」
「おっ、良い助言だ。確かに欲張り過ぎだな。では、どちらを先にするかとなると」
「予測しづらい方」
「重ねての助言ありがとう。作戦は決まりだな。後は……ソル。ウィンも合流してくる。本陣から少し距離を取って、部隊を待機させろ」
ソルの姿を見つけて、リオンが指示を出す。ソルとエアリエルが率いてきた部隊が、不思議の国傭兵団の部隊であった事は、これでバレた。最初からバレているが。
「はっ。しかし、いつまでですか?」
「それはロスか、ウィンの判断に任せろ。判断というか、指示を聞き漏らさないように言っておけ」
「……分かりました」
「じゃあ、行ってくる」
このリオンの言葉は、ソルの隣にいるエアリエルに向けてのものだ。
「……ええ。又、後で」
エアリエルは少し不満そうだ。リオンの隣を、アリスに任せなければならない事への不満だ。
「じゃあ、アリス、行くぞ」
リオンがこれを告げた時には、アリスはナイトメアに跨っている。その後ろにリオンも飛び乗った。そのまま、前線に向かって、ゆっくりと駆け出すナイトメア。
その斜め左から、同じユニコーンに乗った部隊が近づいてくる。黒と赤の鎧に身を固めた騎獣部隊。黒色騎獣兵団と赤色騎獣兵団の二千だ。
リオンとの合流と共に、一気に駆け足を早める騎獣兵団。その速さは、馬のそれとは比べ物にならない。瞬く間に前線に飛び込んでいった。
「もしかして、初めて見るのかしら?」
声を失っているアーノルドに、エアリエルが問い掛けた。
「……ああ」
リオンとアリスの戦いは見た事があるが、不思議の国傭兵団としての戦いを、アーノルドは初めて見る。騎獣部隊の戦いもだ。
「そう。参考にしようとは思わないほうが良いわ」
「何故だ?」
リオンに出来る事を、自分には出来ないとエアリエルは言っている。これに少し、アーノルドは反発を覚えている。
「リオンだから出来る事だから。私も分かったのは最近だけど、リオンの才能は剣でも魔法でもない、判断能力にあるわ」
「判断能力?」
「戦場全体を把握する力。相手の動きを、自軍の動きを見極める力。そして、それに基づいて、次の動きを判断する速さ。これが揃って、初めてリオンと同じ戦い方が出来るわ」
「……そうか」
嘗て、リオンが見せた広域での部隊運用。つい先程、リオンが話していた敵の動きを見極めるという事。エアリエルの説明は、アーノルドにも納得のいくものだ。
「難しく話し過ぎたかしら? どうやら分かっていないみたい」
「何?」
だが、エアリエルは、アーノルドの勘違いを指摘してきた。
「じゃあ、簡単に言うわ。人が一つ物事を考える間にリオンは二つ、三つの事を考えている。だから、あれだけの数の魔獣部隊を、思う通りに動かす事が出来るの。下手な人間が指揮したら、一部隊でも指示する前に敵のど真ん中に突入しているわ」
「…………」
ただ人より速いだけ。エアリエルの説明はそういう事だ。だが、単純だからこそ、それに勝つ方法がアーノルドには思いつかない。
実際には、リオンの戦い方に近づく事は出来る。マーキュリーを始めとした騎獣兵団の指揮官たちは、努力の末に部隊を動かす力を身に着けているのだ。
「少しは役に立ってね? 南部平定の叛乱も、北部貴族の工作も、西部で帝国の工場を潰したのも、全部、不思議の国傭兵団の仕事だわ」
「何だと?」
「戦場を定め、戦機を作り、帝国を野戦に引き釣り出したのも不思議の国傭兵団。これで最後の戦いも傭兵団だけで決着をつけたら、この戦いは誰の戦いって事になるわ」
「…………」
初めて知った、いくつもの事実。アーノルドは衝撃のあまり、又、言葉を失う事になった。
「じゃあ、私はこれで」
アーノルドを落ち込ませるだけ落ち込ませて、エアリエルは本陣を離れていく。これが、エアリエルにとっての、アーノルドへの復讐のつもりなのだから、この程度で済んだことを感謝してもらいたいくらいだ。あくまでも、エアリエルにとってのであるが。
「……陛下?」
驚愕に固まってしまったアーノルドに、ランバート騎士団長が心配そうに声を掛ける。
「……俺は何をしていた? それともリオンとは、初めから、これだけの差があったという事か?」
「まだ、終わっておりません。戦いも、そして、お二人の決着も」
「……そうだな。それに俺は、ランスロットとの決着も付けなくてはならないのだ」
「はい。必ず、その機会はやってきます。お気持ちを強く持って、その時を待ち下さい」
「ああ」
やがて来る決着の時。その時の為に十年以上の歳月をかけて準備してきたリオンと、今、この時になって備えようとしているアーノルド。二人に差が出るのは当然だ。これをアーノルドは分かっていない。