月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

ファンタジー小説

異伝ブルーメンリッター戦記 #101 これも元サヤというのかな?

城に籠もっての防衛戦。これまでとは異なる戦いに直面して、リーゼロッテたちはやや混乱している。ただ経験がないというだけではない。襲撃してきた敵の実態が掴めていないのだ。 当初、城の中央入口に現れた敵の数は五十ほど。やはりそれが全てであるはずは…

異伝ブルーメンリッター戦記 #100 戦いは新展開を向かえる、かも

思い通りにいかない戦況に頭を悩ましているキルシュバオム公爵に、さらに面倒事が増えた。ひとつはリリエンベルク公国からやってきたマクシミリアン・テーリングの扱いだ。 マクシミリアンの生存はキルシュバオム公爵も知っていた。知っていて、何も行わない…

異伝ブルーメンリッター戦記 #99 再登場したらキャラ変していた

魔王軍にとって現在の戦況は優勢なのか劣勢であるのか。この判断は難しい。リリエンベルク公国侵攻作戦は開始当初こそ圧倒的に優勢であったが、今その勢いは完全に止まり、領土の奪回こそ許していないが多くの味方を失うことになっている。 一方でゾンネンブ…

異伝ブルーメンリッター戦記 #98 目指すものは同じ

街頭に立ち仲間を募ってきたカロリーネ王女。その成果があって、ウッドストック以外にも共に行動しようとする仲間が現れた。彼等の目的はカロリーネ王女のそれと異なるので、仲間と表現するのは微妙だ。それに目的が異なるというだけでなく、その彼等はもと…

異伝ブルーメンリッター戦記 #97 悩める人々

花の騎士団=ブルーメンリッターはゾンネンブルーメ公国領に入ってすぐの場所から、なかなか動けないでいる。魔王軍側がその位置に強力な防衛戦を敷いているのだ。 魔王軍の目的はローゼンガルテン王国主力の足止め。その間に後方ではユリアーナが率いる軍も…

異伝ブルーメンリッター戦記 #96 出会うべくして出会った二人

キルシュバオム公爵家によるローゼンガルテン王国支配は、当初の想定とは大きく異なり、停滞している。そもそも当初の想定が楽観的であり過ぎたのだ。魔人との戦いの最中に簒奪を行うことそのものが極めて楽観的ということだが。 ただキルシュバオム公爵であ…

四季は大地を駆け巡る #102 お節介は時に煩わしく、時にありがたい

ローズマリー王女の婚約者、次代の王位を継ぐ者となっても正式の婚儀を終え、王への即位の儀を終わらせるまでは、アレックスは近衛第一大隊長のままだ。特にやる事は変わらない。変わった事といえば、総大将としての戦後処理で山ほどの報告書に目を通し、そ…

悪役令嬢に恋をして #70 フレイ子爵の反乱

メリカ王国のオリビア王女が捕虜になっている。この事実をグランフラム王国は、事もあろうにメリカ王国から教えられて初めて知った。戦後の交渉の為にと現れたメリカ王国の使者が真っ先にこれを話したのだ。 全く事情を知らないグランフラム王国側の交渉担当…

四季は大地を駆け巡る #101 政争の勝者

王都はひっそりと静まり返っている。建物には黒い弔旗が掲げられていて、それがなお一層、王都の雰囲気を暗いものにしている。その王都の大通りをゆっくりと進む軍。魔族領侵攻軍だ。 盛大な凱旋式典など当然行われない。一旦、王都の外で野営地を組んだ軍は…

悪役令嬢に恋をして #69 戦いの結末は、次の戦いの始まり

オクス王国との国境に後少しの位置まで、グランフラム王国の軍勢は退却してきた。後は、国境の緩衝地帯となっている丘陵地を超えるだけ。それで、オクス王国の領内に逃げ込む事が出来る。 だが、その丘陵地の入り口でグランフラム王国軍は移動を止めて、陣形…

四季は大地を駆け巡る #100 揺れるパルス王国

この数か月、パルス王国は激動の時を迎えている。時に悲痛が、時に歓喜がパルス王国に住む人々の間を駆け巡った。 最初に届いたのは訃報。ノースエンド伯が魔族との戦いで戦死したというものだ。事情を知っている者にとってそれはにわかには信じがたいものだ…

悪役令嬢に恋をして #68 立場逆転中

グランフラム王国とメリカ王国の戦いは、結果としてグランフラム王国側の勝利で終わった。王都攻略を目指して、侵攻してきたメリカ王国側が、その目的を果たすことが出来なかった、というだけでなく、勝敗がはっきりと分かるほどの損害をグランフラム王国は…

四季は大地を駆け巡る #99 揺れる心

魔王城の奥深くにある寝室には対照的な男女が向かい合って座っている。興奮冷めやらぬ、といった様子で盛んに話しかけている男とその話を沈痛な面持ちで聞いている女。 自らを魔王と呼ぶようになった優斗と魔族であるライアンの所有物となった美理愛の二人だ…

悪役令嬢に恋をして #67 裏イベントは終わらない

メリカ王国との戦いが進んでいる中、アーノルド王太子たち、魔人討伐軍の一行は、任務を終えて帰途についていた。 マリアしか分かっていない事だが、後半パートも終盤に差し掛かっている。魔人との戦いも架橋を向かえ、より一層厳しい戦いとなる、はずなのだ…

四季は大地を駆け巡る #98 新魔王誕生

美理愛が優斗に付き従って辿り着いたのは魔王城の奥にある一室。そこは魔王を抱えた魔将が出てきた部屋だ。 廊下には二体の死体が折り重なったまま、置き去りにされていた。それを気にすることなく、優斗は横を通り過ぎ奥の部屋に入っていく。 部屋の真ん中…

悪役令嬢に恋をして #66 裏イベント:メリカ王国迎撃作戦

最終的にメリカ王国迎撃戦におけるリオンの立場は、情報統制官というものに落ち着いた。戦地での様々な情報を収集し、それを分析し、分析に基いて自軍が行うべき行動を指揮官に進言する。 決定権がないだけで、やらされる事は同じだ。指揮権を無くし、情報統…

四季は大地を駆け巡る #97 愚者の愚策

目の前にそびえるのは真っ黒に染まる城。魔王城と呼ぶには優美な雰囲気を醸し出す城。そう考えた美理愛は自分の思い込みを反省することになる。ヒューガは言った。「魔族の魔は悪魔の魔ではない。魔力の強い一種族の呼び名に過ぎない」と。頭では理解してい…

悪役令嬢に恋をして #65 凡王にも野心がある

結局、国王に押し切られる形で、メリカ王国に最大限の損失を与えるという目的の作戦をリオンは考えさせられた。考えなければ、別の者に考えさせた上で、リオンも作戦に参加させるという、脅しのような言葉を国王に告げられたのが決め手だった。 自分に自信が…

逢魔が時に龍が舞う #22 救出作戦

第七七四特務部隊本部にあるオペレーター室。今、そこに全特務部隊員が集合している。全員といっても集まれる隊員だけ。それが出来ない隊員もいる。彼等が集まっているのは、その集まれない隊員の為だ。 オペレーター室では、無線の声が流れている。第七七四…

四季は大地を駆け巡る #96 まさかの可能性

テーブルの上に置かれていたティーカップを手に取り、口に運ぶ。すっかり冷めてしまい香りも抜けた紅茶など美味しくはないのだが、今はただ乾いた口を潤せればそれで良い。 セレネから送られてきた連絡文。久しぶりに送られてきたのでよほどのことだと覚悟し…

悪役令嬢に恋をして #64 何かが少し変わっている

アーノルド王太子たちは、魔人討伐軍本隊より、少し先行して王都に戻っていた。今回は凱旋式などなし。速やかに王都に入城するようにとの指示を受けての事だ。 実際に王都に入っても、勝利を祝う雰囲気はない。それどころか、どこか張り詰めた雰囲気が王都に…

四季は大地を駆け巡る #95 将来の為に

今日は週一回行われている全体会議の日。大会議室には各部署の責任者たちが集まっている。新たに加わった三人も参加だ。その三人が増えただけで会議の様子はかなり違うものになっている。色々な物事が動き出し、もともと取り組んでいた問題もその解決の勢い…

四季は大地を駆け巡る #94 想いを抱えた人たち

広い執務室。そこに置かれた大臣でも使いそうな大きな机。座り心地の良い椅子。働く環境としては申し分ない。マリ王国では下級役人であったユリウスにとっては、かなり恵まれた職場環境だ。グランと二人だけでなければ。 目の前に山と積まれた書類。その全て…

勇者の影で生まれた英雄 #95 王の帰還

グレンがルート王国を離れて、すでに半年以上が経つ。さすがに重臣会議の場は、国王不在を憂いた発言が目立つようになった。もっともそれは、一人の男が騒ぎ立てているだけに過ぎないのだが。 「いつになったら陛下は戻ってくるのだ?」 「また、その話か? …

逢魔が時に龍が舞う #21 嫌いな理由

尊は鬼の所在を探知出来る。この事実は秘密にはならなかった。あくまでも第七七四特務部隊内、そしてその特務部隊の存在を知る人々の間では、という条件付きだが。 隠しても意味はない。その事実を証明する尊の行動はショッピングセンターでの事件が初めてで…

異伝ブルーメンリッター戦記 #95 名も無き勇者たちよ!

前面に展開しているのは鬼王軍およそ一万。そのほとんどは魔物だ。鬼王軍にとってはいつもの陣形。前衛に魔物を配置して、敵の足を止めさせる。その上で味方の魔法や弩砲などで遠距離攻撃を行う。魔物の犠牲など気にすることはない。魔物はいくらでも補充が…

悪役令嬢に恋をして #63 敵役はどっち?

魔人討伐任務を終えて王都への帰路。アーノルド王太子は、宿舎の食堂の椅子に座って、届いた書状に目を通しては、溜息をついていた。内容としては自分の思っていた通り。だが、その自分の考えを押し通せなかった事を悔やんでいるのだ。 今回の魔人討伐の舞台…

四季は大地を駆け巡る #93 試される人たち

カール将軍はヒューガとの謁見を終えて、部下たちが待っている場所に向かった。 そして辿り着いたのは、王都から離れた場所にある東の拠点。そう聞かされているだけで、実際に移動したカール将軍に離れた場所に移動したという実感はない。扉を一つくぐっただ…

勇者の影で生まれた英雄 #94 胸に抱えているもの

トキオにある勇者軍の鍛錬場はかなり大きい。トキオはもともとあった街を軍事に特化した形に造り上げた拠点。区画整理という言葉では済まない大規模工事を行って、広大な敷地を確保した上で軍事施設を作っているので、どれも余裕があるのだ。 その広大な鍛錬…

逢魔が時に龍が舞う #20 分析

天宮から甘さを指摘された尊への尋問だが、実際にそれで終わるはずがない。 相手に肉体的、精神的苦痛を与えて真実を追究するという手段は、前時代的なものだ。今の時代にそれを行えば、絶対に弾三者に知られない状況であれば別だが、かなりの確率で職を失う…