月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

ファンタジー小説

霊魔血戦 第17話 変化を試みる人たち、拒む人たち

養成所での訓練はますます活気を帯びている。これは指導教官たちにとって予想外の状況だ。入所から半年以上経てば、同期の間でも力の差ははっきりと現れるようになってくる。自分の能力の低さを思い知り、努力ではどうにもできない現実を知り、やる気を失う…

霊魔血戦 第16話 口説かれた、のかな?

クラリスにはサーベラスが良く分からない。入所時の霊力判定で「卒業は無理」と言われるほどの低評価を受けた。講義の時間はいつも上の空。体力作りの訓練でも、いつも周りから遅れていた。霊力は少なく、武器型はまともな形を成していない。判定通りの落ち…

霊魔血戦 第15話 小さな争いはすでに始まっている

指導教官たちは毎日打合せを行っている。特別なイベントが間近に迫っていない状況であれば、明日の訓練内容を確認して、担当を決めるだけの簡単な打合せ。その担当決めも基本は、順番にローテーションするだけなので話し合うことはほとんどない。打合せの時…

霊魔血戦 第14話 鬼教官にしごかれています

指導教官は日替わり、もしくは一日の中でも何人かに代わることになるのが通常。だが、実習に限ってだが、サーベラスたちのチームを担当する指導教官は、ガスパー教官が専任となっている。公式に決められたものではない。その時間になるとやってきて、問答無…

霊魔血戦 第13話 怪しい奴ばかり

午前中の講義内容が大きく変わった。座学から実習形式になったのだ。今、行っているのは霊力の制御。基本これがずっと続くことになる。霊力の制御にも段階がある。一日二日どころか、半年続けても、完璧と言えるようなものにはならないのだ。 まずは霊力を武…

霊魔血戦 第12話 常に情報収集は怠りません

朝早く起きて、軽い運動で体をほぐす。それが終わると講義の時間。昼食の時間まで講義は行われ、午後になってようやく鍛錬の時間になる。規則正しい生活に文句はないが、自由時間が少ないことはサーベラスには不満だ。自主練に費やす時間が取れないのだ。午…

霊魔血戦 第11話 訓練が始まりました

入所二日目。午前中は講義の時間だ。守護兵士は、守護騎士もだが、霊力を活用して戦う。それがどういうことか、どういう戦い方を考えるべきかなど、守護兵士として必要な知識を学ぶ時間だ。それ以外にも部隊において守護兵士、ボーンとして、どう動かなけれ…

霊魔血戦 第10話 お友達にはなれそうにありません

自由行動の時間が終わり、夕食の時間。食事の時間もチームでの行動だ。これがサーベラスには理解出来ない。養成所にいる間にどれだけチーム内の関係性を深め、それが戦闘訓練での連携強化に繋がっても、何の意味もない。卒業すればチームはバラバラになるの…

霊魔血戦 第9話 幼馴染がいました

守護兵士養成所への入所初日は、施設内の案内と所内で定められている各種規則の説明などのオリエンテーション、あとはチーム分けで終わり。残りの時間はチームごとの自由行動となった。自由時間であればと屋内訓練場に向かおうとしたサーベラスだが、当然、…

霊魔血戦 第8話 入所初日から落第生

アストリンゲント王国の王都ファーストヒル。国を滅亡から救った英雄王とその仲間たちが反抗を決意し、勝利を誓った丘、と伝わっている場所に街が造られ、アストリンゲント王国建国後、しばらくして王都と定められた。何もなかったその場所も、長い年月をか…

霊魔血戦 第7話 別れの時が訪れた

守護兵士養成所に向かって出発するまでの三日間。ルーの仕事は観光名所を調べる、ではなく、士官学校を調査することになった。そこでどのような教育が行われているのかを知ることが目的だ。たった三日で何が分かるのだろうとルーは思ったが、サーベラスの頼…

霊魔血戦 第6話 一族から追放されました

ルークの鍛錬はさらに激しさを増している。動きの速さが見ているルーにそう思わせるのだ。心肺機能の強化として取り入れた鍛錬は、他を鍛えるのと同じで負荷をかけること。これまで行っていた鍛錬は、体の動きを確かめながら、耐えうる最大の負荷をかけると…

霊魔血戦 第5話 少し成長しました

「僕ってけっこう格好良いかも」。近頃、ルーはそう思うようになっている。霊としての自分のことではない。元々は自分の体であったルークのことだ。切れ長の瞳に長いまつ毛は女性的であるが、幼さが薄れ、精悍さが表れてきた顔は、ひ弱さを感じさせなくなっ…

霊魔血戦 第4話 仮面が息苦しく感じる時もある

屋敷の外に出るのはいつ以来か。答えは簡単。六年と少し前、幼年学校に行った時だ。その日、自宅に帰ってルー、当時のルークは、高熱を発して、そのまま死んだ。そのままといっても五年間、昏睡状態でいたあとだ。亡くなって霊になってからも一年以上、ルー…

霊魔血戦 第3話 知らないうちに勘当されていた

霊を操れる人が僕の家にはいる。その霊は霊になった僕の姿を見ることが出来る。そして、実際に見られた。 その結果、何が起こるか。それを僕ではないルークは恐れている。僕と僕ではないルークが入れ替わった。ここまではっきりと分からなくても、僕が死んだ…

霊魔血戦 第1話 僕の守護霊が僕で、僕が僕の守護霊で

あだ名は「お化け」。学校に通うようになってからずっと嫌われ者だった。友達と呼べる存在どころか、近づいてくる同級生も一人もいない。クラス替えで仲良くなれそうな人が出来たと思っても、すぐに自分から離れていった。歪んでいる自覚がある性格も、周囲…

霊魔血戦 第2話 霊にも運不運があるのだろうか?

昏睡状態からなんとか意識を取り戻した僕、ではないルーク。本当の僕は死んでしまったのだから「なんとか意識を取り戻した」という表現はおかしいのだけど、周りから見れば、そういうことになる。ただ、まだまだ安心出来る状態ではない。これは僕ではないル…

勇者の影で生まれた英雄 #166 過ぎ去りし時は

# 国王と王弟の争い、それにクリスティーナ王女派が加わったことでモンタナ王国の内乱は三つ巴の戦いになっている。最大の支配地域を有しているのは国王。王弟は支配地域こそ国王に比べると狭いが、ウェヌス王国軍を加えた軍勢の数では最大だ。支配地域の狭…

黒き狼たちの戦記 第100話 嘘も方便、という言葉もまた使い様

最初は小さな、揺らぎのようなものだった。言葉の中にある音、イントネーションのどちらとも違う揺らぎ。上手く説明出来ないそれが何を意味するかなど、最初はまったく分からなかった。 その意味を教えてくれたのはカードゲーム。相手が嘘、はったりを口にし…

黒き狼たちの戦記 第99話 世に放たれた狼たちが向かう先は

結局、森の中に作られた休憩所でシュバルツたちは一晩過ごすことにした。シュバルツたちは王都どころかノートメアシュトラーセ王国から出ようとしている。まだまだ先は長いのだ。無理することなく休める時に休んでおく。これがこの場所での野営をシュバルツ…

黒き狼たちの戦記 第98話 明かされた過去

ノートメアシュトラーセ王国、王都シャインフォハンの争乱は終息した。あくまでも王都内での戦闘が終わったというだけで、何かが定まったわけではない。その後の状況が見えてくるにつれて、混迷は広がっている。 反乱勢力の被害は甚大。近衛騎士団は壊滅とま…

黒き狼たちの戦記 第97話 残された者たち

ディアークの声は反乱側を大いに動揺させた。ディアークはまだ健在。もしこのまま彼を逃がしてしまうようなことになったら、反乱は失敗だ。オトフリートは反逆者となり、後継者の資格を失う。そうなれば、今は彼に従っている王国騎士団もディアークの側に付…

黒き狼たちの戦記 第96話 最後の時に見る夢は

城外にも異常事態が起きていることが伝わり始めている。王国騎士団が完全武装で、門に向かって駆け出していけば、何かが起きたことなど誰にでも分かる。だが、何かが起きていることは分かっても、一般の人々には何をどうすれば良いかなど分からない。せいぜ…

黒き狼たちの戦記 第95話 受け継いだもの

反乱側の計画はディアークたちの奮戦によって狂い始めている。各所に配置されていた部隊は、予定通りにディアークたちを仕留めきることが出来ず、彼らを追って城内を駆け回っている。戦いによる死傷者もかなりの数だ。 時間の経過と人数の減少は、この先の計…

黒き狼たちの戦記 第94話 自分にはない未来に想いを繋げるということ

争乱の響きは城内全体に、やがて王都シャインフォハン全体に広がっていくことになる。だがそれはまだもう少し後のこと。今はまだ城での出来事は王都の人々には届いていない。何も知らないまま、感謝祭期間を迎えた人々は家族団らんの時間を過ごしている。そ…

黒き狼たちの戦記 第93話 逃げるが勝ち、とも言うけど

アルカナ傭兵団の将来に暗い影が落ちていることをディアークは知っていた。トゥナの未来視がそれを教えてくれていた。そうでありながら、この様な事態を招いてしまったのは、ディアークの迂闊さのせい。確かにそうかもしれない。だが、誰がそれを責めるのか…

黒き狼たちの戦記 第92話 未来を覆う影

両親の顔はよく覚えていない。幼くして亡くしたというわけではない。両親と暮らしていた記憶はある。ただ、窓一つない昼でも暗い部屋の中から、外の光を背にした人の顔はよく見えなかったというだけのことだ。実際はそれだけではないのだが、ルイーサはそう…

黒き狼たちの戦記 第91話 番狂わせとは言わせない

上級騎士最後の登場は第二シードのルイーサ。対戦相手はクローヴィスだった。ここまでなんとか勝ち上がってこられたクローヴィスにとって、この対戦が最後の腕試しの機会。それを理解していたルイーサも、彼の実力を確かめるような戦い方を行った。それなり…

黒き狼たちの戦記 第90話 ダイジェストでお送り……された

武術競技会が始まった。大会はトーナメント方式。アルカナ傭兵団幹部であるアーテルハイドとルイーサは自動的に第一シードと第二シードという位置づけになり、決勝戦まで当たらない振り分けになっている。残る上級騎士の三人、シュバルツとジギワルド、ベル…

黒き狼たちの戦記 第89話 真犯人を追え……?

各地に散っていたチームが全て帰還。申し込みが締め切られ、武術競技会の参加者が確定した。参加者数は過去最大。一方で上級騎士の参加は予定外の少なさとなった。開催決定時から参加が確定していたシュバルツとアーテルハイド、そしてルイーサ以外では、ジ…