月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

勇者の影で生まれた英雄 #75 英雄色を好む

「何故、分かったのですか?」 ゼクソン国王とヴィクトリア殿下が同一人物であることを認める問いに納得顔のグレン。ただ、この件については、まだはっきりさせていないことがある。 「陛下」 「この姿でそう呼ばれるのは」 「……変な拘りですね。では、ヴィ…

異伝ブルーメンリッター戦記 第89話 それぞれがそれぞれの新しい物語の役割を演じ始めた

ジグルスが率いる勢力、アイネマンシャフト王国の参戦はリリエンベルク公国における戦いを複雑にした。といってもそれを仕掛けたジグルスにとっては当然、複雑なんてことはなく、かつリリエンベルク公国軍は、それを率いるリーゼロッテが新たに参戦してきた…

勇者の影で生まれた英雄 #74 再交渉

ウェヌス王国との間に交渉の余地はない。そうなれば、ゼクソン王国にエステスト城塞を引き渡して次の行動に移る、という風にはならないのがグレンのしぶとさだ。 トルーマン前元帥との交渉を終えてからの数日間、グレンは周りから見れば、惚けているように見…

異伝ブルーメンリッター戦記 第88話 新たな物語の結末はまだ決まっていない

ブラオリーリエの戦いは、苦しい状況ながらも何とかリリエンベルク公国軍が持ちこたえているという状況だ。リーゼロッテの強力な魔道具も含めたリリエンベルク公国軍の遠距離攻撃による犠牲を恐れて、魔人軍側が慎重に動いているという点も戦いが長引いてい…

勇者の影で生まれた英雄 #73 再会

エステスト城砦に銀狼兵団が籠って三か月以上が経つ。状況はグレンの望む通りには進んでいない。進んでいるのは、予想通りの方向だ。 勇者軍はあれ以来、全く姿を現さない。そしてゼクソン軍の方も。 「いい加減に城砦を引き渡したらどうだ?」 「それが出来…

異伝ブルーメンリッター戦記 第87話 ストーリーが塗り替えられていく

ローゼンガルテン王国と魔人軍の戦いはその状況を一変させた。だがローゼンガルテン王国はまだ事態を把握しきれていない。各地から次々と新しい情報が届いてはいるが、あまりに予想外の状況に分析が追いついていないのだ。それでもある程度、情報が揃い、仮…