月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

災厄の神の落し子 第38話 期末試験

帝国騎士養成学校にも試験はある。試験の成績が悪ければ落第、ということにはならない。留年させてまで騎士候補生を育て上げようなんて考えは騎士養成学校にはない。騎士になることを諦めて退学してもらうか、とっとと卒業してもらうかの、いずれかだ。そん…

災厄の神の落し子 第37話 つかの間の休息

騎士養成学校での昼休みの間、食事をしながら午前中の復習などの勉強を行うことがローレルの日課になっている。リルが馬の世話の為に昼休みの前半は側を離れることになったことがきっかけだ。隠れた理由には、一人でいる間、グラキエスやディルビオ、トゥイ…

災厄の神の落し子 第36話 ノーサイド

弱小騎士団と評価されているイアールンヴィズ騎士団だが、その実力はそれほど酷いものではない。ただし、あくまでも帝都周辺に拠点を持つ騎士団の中での相対評価だ。騎士団とは名ばかりの犯罪集団やリスクの低い、小遣い稼ぎ程度の任務しか行っていない騎士…

災厄の神の落し子 第35話 私設騎士団と何とかは紙一重

プリムローズの毎日は、これまで以上に充実している。ローレルとリルが帝国騎士養成学校に行っている間もそうだ。剣の鍛錬はハティが、ほぼつききりで相手をしてくれる。教え方も、プリムローズの感覚では、上手い。ハティは最初に教えたリルの意図を正しく…

災厄の神の落し子 第34話 徐々に絡み合う糸

騎士養成学校の授業は基礎の基礎である体力作りから次の段階に移った。戦闘術については基礎の基礎から基礎へ。剣術だと素振りだ。入学前から剣術を学んでいた騎士候補生にとっては、これまでと変わらず退屈な授業。だが退屈だからといって楽なわけではない…

災厄の神の落し子 第33話 押しかけ女房と小姑

エセリアル子爵屋敷に住み込みで護衛任務を行うことになったのはハティと彼の弟分、を自称しているシムーンの二人だ。決して多くない数だが、彼らが護衛の全てではない。護衛は大きく三つのグループに分かれている。ハティたちはその存在を明らかにし、面が…