平日は、昼は学院、夕方からは道場で鍛錬。休日も午前中は道場に通い、午後からは「何でも屋」の仕事を手伝うというのがレグルスの毎日。中央学院の授業が再開されたことで、この日常も元に戻ることになった。余計なことに巻き込まれなければ、勉強と鍛錬ば…
王立中央学院から剣術対抗戦に出場できるのは二学年、三学年それぞれ二チームずつとなっている。その出場チームのメンバーを選ぶための選抜試験の結果、アリシアとジークフリート第二王子、タイラー、キャリナローズ、クレイグの五人は参加選手として選ばれ…
花街で行われた喧嘩祭りにおけるジャラッド戦での惨敗は、レグルスに改めて鍛錬に取り組む意識を変えさせることになった。変わったといっても、わずかに残っていた甘えが完全に消え去ったというだけのこと。端で見ていても、その変化は分からない。それに気…
教室の隅のほうで男子学生二人が話をしている。聞き耳を立てるまでもなく、聞こえてくる会話。話している二人に内緒話をしているつもりはない。周りが興味を引く内容でもない、男子学院生の中にはそうでない者も何人かいるかもしれないが、と考えているのだ…
通りを塞ぐ形でジャラッド他、ブラックバーン騎士団の騎士たちが並んでいる。それに文句を言う人はいない。不便に感じている人はいても、彼らが作り出す張り詰めた空気が、それを声にすることを許さない。 ジャラッドを頂点とした楔形に並んでいる騎士たち。…
喧嘩祭りの会場は、普段の喧嘩と同じ大通りを奥に進んだ広場。いつもと違うのは、そこに観覧席が設けられていることだ。木で作った箱をいくつも積み重ね、固定しただけの簡易なものであるが、段差を作れば後ろにいる人たちも良く見えるようになる。それで十…