月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第62話 虎穴に入って、何を得られたのだろう?

王都には教会の総本山とされている建物がある。本当の総本山は別の場所。言葉の通り、王都から遠く離れた険しい山にあるのだが、大国アルデバラン王国に敬意を表するという意味で、そうすることで王国内の布教活動が円滑に進むという目的で、王都にある教会…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第61話 災難が向こうから近づいてくる

期末試験が終わり、王立中央学院は夏季休暇に入った。一か月の長期休暇だ。王立中央学院における長期休暇はこの夏季休暇だけ。年末年始も連休があるが、五日くらいなのだ。 それを知った時、この世界の人たちは勤勉だとアリシアは思った。元の世界の学校では…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第60話 思いがけず生まれた想い

賑やかな音楽と掛け声が宴席の場を盛り上げている。桜太夫が座っているテーブルも大盛り上がり、というわけにはいかないが、とりあえずこの場を閉めることは見送られた。場の雰囲気はそれを許すものではなかった。 ナラさんが「すっかり、アオの十八番」と言…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第59話 秘めた想い

彼とは何度も会っている。信心深くなくても貴族家の人間であれば、最低でも年に一度は必ず教会を訪れ、神に祈りを捧げるものだ。それが辺境伯家という王国貴族の頂点に位置する貴族家となると、迎える教会の側もそれなりに礼儀を尽くす必要が出てくる。その…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第58話 知らないほうが良い秘密もある

アリシアには、ひとつ疑問に思っていることがあった。周囲の人たちのレグルスに対する評価に対する疑問だ。皆がレグルスは北方辺境伯家の落ちこぼれだと言う。だがアリシアにしてみれば、そのように評価される理由が分からない。実技授業では、確かに、もっ…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第57話 意外な事実が明らかになった

週末、いつもは行かない道場にレグルスは出掛けた。平日にフランセスとエリカと三人で美術館に行く為に、さぼった一日分を補填する為だ。これが出来ると思っているから、レグルスはフランセスと平日遊びに行くことを受け入れたのだ。 平日と同じ、三時間ほど…