月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第32話 やり残したこと

裏社会の縄張り争い。ワ組と彼との戦いはそういうことにされた。当然、それにブラックバーン家が関わっていたなんて話はない。憲兵に連れられていた子供は、犯人ではなくワ組に誘拐されていた被害者。連行されたのではなく保護された、という強引な作り話が…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第31話 許されざる罪と分かっていても

裏中央通りを西門から城に向かって真っすぐに進み、三つ目の交差点を北側に曲がって、最初の路地。そこを右に折れるとすぐに見えてくる建物は一見、普通の宿屋。入口の扉を抜けるとすぐのところに受付があり、その雰囲気もまた宿屋そのものだ。 だが実際にそ…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第30話 三対百の戦いの行方

ワ組の組長の耳に届いた報告は、化け物と子供に襲われ、五人のうち四人が殺されたというもの。あり得ない事態に、組長であるベージルは激怒した。返り討ちにされたことに怒ったのではない。子供はまだ、喧嘩での彼の実力は分かっているので受け入れられるが…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第29話 あるはずのなかった復讐イベントが始まる

花街の花は美女と喧嘩。その喧嘩が今日も行われている。ただ、今日の喧嘩は花とするには賑やかさが足りない。始まったばかりの時は、いつものように野次馬の歓声でそれなりに盛り上がっていたのだが、今は皆が固唾をのんで中央で戦う二人を見つめている。彼…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第28話 垣間見える影

華やかなドレスを身にまとった女性たち。その彼女たちをエスコートする男性の装いも豪奢なものだ。王城で最も大きい広間を、さらにそれに繋がる庭園までも開放して行われているパーティー。王都で暮らす貴族だけでなく、王国中央部に領地を持つ貴族たちも招…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第27話 類は友を呼ぶ?

北方辺境伯家の王都屋敷。広大なその屋敷に置かれている家具はどれも一級品。ダイニングセット一つで、庶民であれば、何年も暮らしていける金額であったりする。貴族と平民、それもトップクラスの貴族家と平民の家では、その暮らしに大きな、という表現では…