月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

霊魔血戦 第34話 騎士の一族

現時点において、五家の争いは表面には浮かんできていない。これは想定通りのこと。隣国ノイガストフォーフ王国との不戦条約が結ばれたからといって、それが絶対に守られる保証はない。守られると信じられるような関係には二国はない。百年以上も戦争を続け…

霊魔血戦 第33話 不協和音は消えない

二年目に入ったサーベラスは忙しい。養成所からは自チームだけでなく、他チームの訓練にも参加するように言われている。団体対抗戦でのサーベラスの活躍が認められた結果、ということになっているが、サーベラスにとっては迷惑な話だ。訓練時間の多くは他の…

霊魔血戦 第32話 人の気持ちは他人には分からない

三日間の休養期間を終えて、訓練が再開された。サーベラスたちは二年目の養成所生活を迎えることになったのだ。チーム編成については、かなりのゴタゴタがあった。人数のバランスが崩れているので、それを正す為にチームを再編するべきという話が出たのだ。…

霊魔血戦 第31話 鈍感主人公ではない

団体対抗戦という年度末試験が終わり、守護兵士養成所は春休みに入った。といっても期間は三日。春休みというのは期の変わり目ということと、その短さを皮肉る意図も込めて、そういう呼び方になっただけだ。 誰も帰省などすることなく、そもそも三日では一番…

霊魔血戦 第30話 惑わせるつもりなんてないのだけど

彼を怖いと思ったのはこれが二度目。一度目は離れた場所で彼の戦いを見ているだけだった。それでも、彼の戦い方は、血しぶきをまき散らして地面に倒れていく敵を哀れと思ってしまいそうになるほど凄惨で、怖ろしいと感じた。自分とは根本的に何かが違う。そ…

霊魔血戦 第29話 約束は守らなければなりません

引き続き行われた個人戦の第二戦、第三戦。チーム月の犬も勝利をあげたが、チーム成り上がりが連勝したことで、個人戦の勝利チームはチーム成り上がりとなった。続く団体戦も勝利して、チーム成り上がりが完全勝利となるか、チーム月の犬が意地を見せるか。…