月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

霊魔血戦 第28話 戦う前に結果は決まっている

いよいよ団体対抗戦の日がやってきた。開催場所は養成所施設の東側。山の麓の丘陵地帯だ。会場となったその場所には、普段はほとんど接点のない先輩たちも姿を見せている。観客として盛り上げる為ではない。彼らは彼らで年度末試験としての団体対抗戦がある…

霊魔血戦 第27話 どちらが悪いのか

自分は可愛い。こんな風に思うのは、驕っているようで恥ずかしいという気持ちはある。心の中から消したいと考えている。だが常に周囲がそれを証明してしまうのだ。幼い頃からそうだった。皆が自分を可愛いと言ってくれた。周囲がそういうのだから、そうなの…

霊魔血戦 第26話 我が道を進むのは簡単ではない

団体対抗戦はポイント制。敵の攻撃を完璧に防げばポイントが付き、防御が破られれば攻撃側にポイントが付く。防御を完全に破砕するようなダメージを与えると高ポイント。一撃で粉砕してクリティカルヒットと判定されれば、それだけで勝利が決まることになる…

霊魔血戦 第25話 他人の気持ちを推し量ってみる

養成所の訓練は団体対抗戦に向けてのものに、内容が変わっている。養成所のカリキュラムが変わったわけではない。自由行動の時間が増えて、チーム毎にどのような訓練を行うか、自由に決められるようになったのだ。いかに当日までに万全の準備を整えることが…

霊魔血戦 第24話 チームを移籍しました

期末試験という位置づけの団体対抗戦のルールが変わった。ひとチーム五人から六人に変更。人数が足りないチームは、他チームから一時的に貸し出すという内容だ。クラリスの要望が通ったのだ。 もともと多くの指導教官は、五人という数に拘りがあったわけでは…

霊魔血戦 第23話 期末試験があるらしい

王都に送った手紙の返事が届いた。国王に情報を届けるための手紙ではない。家族に宛てて送った、ように見せかけて部下に届けた、手紙の返事だ。ガスパー教官は異なる内容の手紙を、別の宛先に送っていたのだ。 送られてきた手紙を眺めて、数字を紙に書きだす…