守護戦士養成所の訓練で、死ぬはずだった落ちこぼれが生き残った。たったこれだけのことが、救国の五家の争いに小さな波紋を広げている。実際問題として、今の時点で、何か影響を及ぼしているわけではないのだ。その落ちこぼれの推薦人がルークの一族の当主…
アストリンゲント王国の救国の五家は、それぞれ領地を、キングの一族は領地というより領土だが、持っている。アストリンゲント王国建国時に国土をほぼ五等分して領地とされたのだ。その後、侵略国である隣国ノイガストフォーフ王国の軍を押し返し、領土奪回…
実地訓練は終了した。討伐任務そのものは成功したとはいうものの戦死者三名という結果。帰還した見習い守護兵士たちは、仲間の死を目の当たりにしたことで、酷く落ち込んでいる。クラリスのチームを除いて。 クラリスたちも同期の死には心を痛めている。だが…
実地訓練に出発したクラリスたちのチーム。出発前にブリジットは大変だと文句を言っていたが、実際に移動してみるとそれほどでもなかった。養成所施設から繋がる山は、訓練で何度も登っている。走れば半日で頂上まで行って帰ってこられる。それをサーベラス…
実地訓練の実施が発表された。それが例年よりも、かなり早いということは今期入所の人たちには分からない。そういう訓練があるのかと思うだけだ。だが、その内容が明らかになると、一気に騒がしくなる。実地訓練は実戦。実際に敵と戦い、相手を倒さなければ…
養成所での訓練はますます活気を帯びている。これは指導教官たちにとって予想外の状況だ。入所から半年以上経てば、同期の間でも力の差ははっきりと現れるようになってくる。自分の能力の低さを思い知り、努力ではどうにもできない現実を知り、やる気を失う…