戦勝会が終わるとすぐにディアークは執務室に引きこもった。そこに次々と姿を現す傭兵団の幹部たち。示し合わせたものではない。戦勝会での出来事を受けて、それぞれがディアークの様子を知りたいと考えて、集まってきたのだ。 そのディアークは深々とソファ…
カルンフィッセフルスの戦いは決戦と呼ぶにふさわしい様相になっている。中軍が合流して、一万を超える軍勢となった中央諸国連合軍。それに対するベルクムント王国とその従属国連合軍はおよそ二万八千。当初侵攻してきた二万に、フルーリンタクベルク砦攻め…
アーベントゾンネ攻略を試みるローゼンガルテン王国軍の本営。そこで今、指揮官たちを集めた作戦会議が行われている。特別な会議ではない。ほぼ毎日のように行われている定例会議だ。 会議に参加している人々の表情はどれも暗い。アーベントゾンネ攻略戦は予…
総大将のブラギの死。それによりブラギ麾下の魔王軍は降伏。拠点はアイネマンシャフト王国軍のものとなった。力による支配が意識づけられていたブラギの軍。その彼を超える力をジグルスが見せつけたことで、魔王軍は戦意を失い、降伏を拒絶して抵抗する者が…
ジグルス率いるアイネマンシャフト王国軍とアース族のブラギ率いる魔王軍の戦いは一進一退の攻防が続いている。ジグルスの策略に嵌って怒り心頭のブラギは、それ以降、一騎打ちの誘いに応じることはなく、軍同士の戦いに徹している。相手が隙を見せなくなれ…
中央諸国連合軍の中軍と共にアイシェカープを発し、ガルンフィッセフルスに向かっている愚者とパラストブルク王国軍。その移動中も鍛錬をかかしていない。中軍六千が隊列を組んで整然と街道を進んでいる間、愚者とパラストブルク王国軍は走り込み。ヴォルフ…