月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

四季は大地を駆け巡る #147 欲望そのものに善悪はない

クラウディアの要求をヒューガは、彼女が拍子抜けするくらいに、あっさりと受け入れた。イーストエンド侯爵はクラウディアの側で活動する自由を得たのだ。 もっともその自由には当然、制限がある。イーストエンド侯爵は拠点間を自由に行き来することは出来な…

四季は大地を駆け巡る #146 何の、そして誰の為に

ライアン率いる魔族の部隊はパルス王国の中央部を大きく迂回する形で北部から西部に向かっている。ユーロン双王国と対峙しているパルス王国軍に奇襲をかけるという作戦はパルス王国も想定したものだが、現時点ではその動きは掴まれていない。 イーストエンド…

四季は大地を駆け巡る #145 正しい選択

東部が魔王軍によって占拠された。この情報が届いたパルス王国王都は大混乱に陥った。王国による情報統制などまったく意味を為さない。魔王軍を恐れて東部から逃げてきた人々が情報統制を不可能にしてしまっていた。 南部に続いて東部まで奪われた。この事実…

黒き狼たちの戦記 第39話 ハイリスクで得られるのはハイリターンかノーリターンか

ベルクムント王国の宮殿では宴が催されている。感謝祭が終わってから半月と少し。ようやく世間に日常が戻ったばかりのこの時期に開かれた宴。定例のものではない。中央諸国連合への侵攻が発表され、公式なものとなったことで壮行会が開かれているのだ。 停戦…

黒き狼たちの戦記 第38話 その時に応じて考えを改めることは必要だ

感謝祭明け四日目くらいになると、実家で過ごしているだけでは退屈になった人々が、新しい年の始まりに神への祈りを捧げる為に教会に行く、という名目で外出するようになる。そうなると食堂や商店はそういった人々目当てに普通に営業を始めることになる。傭…

黒き狼たちの戦記 第37話 感謝祭を感謝するのは当たり前?

感謝祭当日の昼。ヴォルフリックはアルカナ傭兵団施設の外にいた。特別に外出許可が出たのだ。許された理由は食堂が休みだから。感謝祭当日から先、二週間は食堂の職員も実家に戻ることになる。その間の食事は自分でなんとかするしかないのだが、街の食堂や…