モンタナ王国における戦況が大きく動き始めた。事を急いでいたエドワード王にとっては喜ばしい報告であったのだが、詳細を知るにつれて、徐々に気持ちは暗くなっていった。銀鷹傭兵団の存在がモンタナ王国の人たちに知られてしまった。百歩譲って、まだそれ…
クリスティーナ王女を旗頭にした第三勢力。それに脅威を覚えているのは王弟よりもモンタナ国王だ。国王にとってはまさかの事態。謀略の道具として使い捨てるはずが、クリスティーナ王女はそれを利用して、まだ小さいとはいえ、自勢力を作り上げてしまった。…
モンタナ王国東部の街ニュールンでの戦いは大混戦の末、銀狼傭兵団の勝利という形で決着した。王弟派も国王軍も相手の不意を突くつもりでいたところに、想定になかった第三勢力から奇襲を受けて大混乱。その混乱から立ち直ることが出来ないままに三つ巴の戦…
モンタナ王国の西に連なる山々の麓を北に伸びる街道。主要街道ではないその道を、通常であえばあり得ない大人数が移動している。ニュールンの街が戦場になると聞いて、災禍を逃れようと移動している人々の群れだ。だがクリスティーナ王女にとっては、まった…
停滞状態にあったモンタナ王国における国王と王弟派の戦いが動き出そうとしている。戦場となりそうな場所は王国東部の街ニュールン。領土内を東西、南北に延びる中央街道のひとつ、中央部から東部に繋がる中央東街道の東端にある街だ。 王弟派としては、恭順…
国王と王弟の戦いが停滞していることは、クリスティーナ王女率いる義勇軍にとっては望ましい状況だ。本格的な戦いに備えて、若い騎士や義勇兵たちを鍛える時間が出来た。せっかく得られたその貴重な時間を無駄に過ごすことを許すほど、彼らを率いるクリステ…