月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

勇者の影で生まれた英雄 #156 求めるものが違う

権力を手に入れることで出来れば、すべてが上手く行くはずだった。自分が国王になれば国を正しい方向に導き、多いに発展させることが出来るはずだった。多くの人が自分の登壇を喜び、期待し、それに応えた自分は名君と称えられるはずだった。はずだった。は…

勇者の影で生まれた英雄 #155 焦らず、急いで

ゼクソン王国の西部。ウェヌス王国との国境に近いその場所に六千ほどの軍勢が集まっている。その多くはゼクソン王国最西部に造られた、移設された上で強化されたという表現が正確だが、防衛拠点の守りについているグスタフ・ゲイラー将軍率いるゼクソン王国…

勇者の影で生まれた英雄 #154 葛藤

国王と王弟との争いが本格化している中、クリスティーナ王女は第三勢力を作りあげた。作りあげたといってもその勢力は小さなものだ。活動を支える金銭や物資などは周辺貴族たちの支援のおかげで困ることはない状況であるが、肝心の戦力は銀狼傭兵団百名のみ…

勇者の影で生まれた英雄 #153 本格始動

貴族領をまるまる一つ制圧したクリスティーナ王女派。本人の決意は固まっていないのだが、事情を知らない周囲からはそう見られている。 その事実を知った国王はすぐに近隣の貴族家に討伐を命じた。クリスティーナ王女の下にいる兵力は数百、それも半分以上が…

勇者の影で生まれた英雄 #152 意外性は大事

ギルバート宰相は忙しい時間の中、エドワード王との打ち合わせの時間をもうけた。エドワード王との会議は頻繁に行われている。だが今日話し合う内容は他の人がいる会議の場で話すべきことではない。そう考えてエドワード王に個別に時間をとってもらったのだ…

勇者の影で生まれた英雄 #151 決戦の足音

西の大国ウェストミンシア王国の都。いうまでもなく西方最大の城郭都市であるその場所に、遠征を終えた将兵たちが帰還してきた。それを迎える王都の住民たちは大騒ぎ。勝敗に関係なく、とにかく家族が無事に帰ってきてくれた事実だけを喜んでいる人々も多い…