月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

勇者の影で生まれた英雄 #140 予想通り?の展開

グレンたち銀狼傭兵団はモンタナ王国王女クリスティーナ率いる義勇軍に残ることにした。複雑な立場であるクリスティーナの軍にいることは、無駄な厄介事に巻き込まれる可能性がある。だが今現在それは可能性であり、問題が顕在化しているわけではない。なに…

勇者の影で生まれた英雄 #139 エドワード王の焦り

戦争の噂が王都内で広がっている。相手がどこかなど具体的な情報はない。出撃の時が近いようだというだけの漠然とした噂だ。それは仕方がない。噂を流した人たちが、それ以上のことを知らないのだから。噂の出所はトリプルテン、を教えている教官たち。軍事…

勇者の影で生まれた英雄 #138 目的は違っても

第三軍の訓練場に活気が溢れている、というのは大袈裟だ。全体としては普段と変わらぬ熱意で兵士たちは訓練に取り組んでいる。それはそれで活気があるというべきだが、それを遙かに超える熱意ある訓練を行っている部隊がある。第十大隊第十中隊第十小隊、ト…

勇者の影で生まれた英雄 #137 揺れる気持ち

モンタナ王国侵攻の準備。それは今のところ順調とは言えない。ウェヌス王国が望むよりも早く、事が動き始めているのだ。 モンタナ王国内の戦気は高まっている。国王と王弟の戦いはいつ始まってもおかしくない状態だ。それに合わせて王弟を支援する軍勢を送ら…

勇者の影で生まれた英雄 #136 目的を間違ってはいけない

モンタナ王国に不穏な空気が漂っている。王弟派が戦いの準備を始めたという噂が国内に広まっているのだ。本来であれば秘匿すべき反乱準備。それが決起する前に広く知れ渡ったのは王弟派に隠す意図がないから。国王派を刺激し、内乱のきっかけを作る為だ。そ…

勇者の影で生まれた英雄 #135 まさかの結びつき

トリプルテンの調練は、少し前とは異なり熱気を帯びている。訓練メニューそのものは厳しいものであったが、それに対して初めから出来ないと思って真剣に取り組まなかった隊員たち。訓練メニューが厳しいだけで、逆に隊員たちの様子は気の抜けたものだったの…