バレル千人将の助言を受けた健太郎は、自分なりに何をすれば良いかを考えた。実戦経験を得る機会は簡単には得られそうにない。たとえ得られたとしても、今の隊員たちでは経験を得る前に命を失ってしまうかもしれない。それでは鍛えることにならない。 勇者と…
事もあろうに自国の正妃候補を手込めにしようとした。勇者といえども、さすがにタダでは済まない。まして現国王であるエドワードは、元から健太郎に良い印象を持っていないのだ。甘やかすことなど絶対にない。 それでも死罪を免れたのは、勇者としての健太郎…
モンタナ王国はウェヌス王国の北東。アシュラム王国とも国境を接している小国だ。国の規模してはアシュラム王国よりも小さい。領土の広さの問題ではない。国情が不安定である為、というのは言い訳で、施政者の統治能力の低さが原因で、国が発展どころか疲弊…
ソフィアとの会談を終えて、執務室に戻ったエドワード王。苦々しい思いは、今も消えていない。ウェヌス王国に得られたものはなし。エドワード個人としては失うもののほうが多かった。飾り物であるソフィアに会談の主導権を奪われたのだ。面目丸つぶれといっ…
ウェヌス王国の王都を東西に走る大通り。騎士たちが立ち並ぶその大通りに沢山の王都住民、そして近隣の街や村からやってきた人々が集まっている。人々が集うのは、その大通りの中央をゆっくりと進む軍列を見学する為。出陣するウェヌス王国軍の軍列ではない…
ランスロットとマリアの無理心中。この結末は、グランフラム王国にとって思いもよらない出来事だった。だが驚き、悔やむだけで他には何も出来ない。 そうなる状況を作ったリオンを罰するにも、リオンが行ったのは、ランスロットとマリアを引き合わせただけ。…