月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

勇者の影で生まれた英雄 #95 王の帰還

グレンがルート王国を離れて、すでに半年以上が経つ。さすがに重臣会議の場は、国王不在を憂いた発言が目立つようになった。もっともそれは、一人の男が騒ぎ立てているだけに過ぎないのだが。 「いつになったら陛下は戻ってくるのだ?」 「また、その話か? …

逢魔が時に龍が舞う 第21話 嫌いな理由

尊は鬼の所在を探知出来る。この事実は秘密にはならなかった。あくまでも第七七四特務部隊内、そしてその特務部隊の存在を知る人々の間では、という条件付きだが。 隠しても意味はない。その事実を証明する尊の行動はショッピングセンターでの事件が初めてで…

異伝ブルーメンリッター戦記 第95話 名も無き勇者たちよ!

前面に展開しているのは鬼王軍およそ一万。そのほとんどは魔物だ。鬼王軍にとってはいつもの陣形。前衛に魔物を配置して、敵の足を止めさせる。その上で味方の魔法や弩砲などで遠距離攻撃を行う。魔物の犠牲など気にすることはない。魔物はいくらでも補充が…

悪役令嬢に恋をして 第63話 敵役はどっち?

魔人討伐任務を終えて王都への帰路。アーノルド王太子は、宿舎の食堂の椅子に座って、届いた書状に目を通しては、溜息をついていた。内容としては自分の思っていた通り。だが、その自分の考えを押し通せなかった事を悔やんでいるのだ。 今回の魔人討伐の舞台…

四季は大地を駆け巡る #93 試される人たち

カール将軍はヒューガとの謁見を終えて、部下たちが待っている場所に向かった。 そして辿り着いたのは、王都から離れた場所にある東の拠点。そう聞かされているだけで、実際に移動したカール将軍に離れた場所に移動したという実感はない。扉を一つくぐっただ…

勇者の影で生まれた英雄 #94 胸に抱えているもの

トキオにある勇者軍の鍛錬場はかなり大きい。トキオはもともとあった街を軍事に特化した形に造り上げた拠点。区画整理という言葉では済まない大規模工事を行って、広大な敷地を確保した上で軍事施設を作っているので、どれも余裕があるのだ。 その広大な鍛錬…