月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

四季は大地を駆け巡る #77 大国のジレンマ

パルス王国と魔族の戦いが本格化しようとしている。戦況は逐一、ノースエンド伯爵を通じて、領地に戻っているイーストエンド侯爵にも届けられているが、その中身はパルス王国にとって決して良いものではない。 届けられた報告を聞いて執務室に戻ってきたイー…

四季は大地を駆け巡る #76 戦いが始まる

ヒューガから詳しい事情を聞かされた美理愛は、頼み事を聞くことにした。奴隷にされていたエルフを助ける為、しかもそれがかなり命懸けの行動だと知ってしまっては、美理愛が断れるはずがない。それが分かっているからヒューガは美理愛にお願いしたのだ。 美…

四季は大地を駆け巡る #75 息抜き

パルス王国のノースエンド伯爵領から北に進んだ、魔族の領土にかなり近づいている場所。平時であれば人気のないその平原に今は数え切れないほど多くの天幕が立てられている。その間を動き回っているのは武装した人たち。パルス王国の魔族領侵攻軍の陣地だ。 …

四季は大地を駆け巡る #74 新生活の始まり

城に続く大通りを馬車の行列が進んでいる。もうすぐ領主であるイーストエンド侯爵の到着。それを迎える為に城門の前には多くの騎士が並んでいる。クラウディアもその迎えの列に加わって、チャールズの隣に立っている。ただ彼女の気持ちは、イーストエンド侯…

四季は大地を駆け巡る #73 見えない未来

イーストエンド侯爵一行は領地へ続く街道を東に向かって急いでいる。本来はこれほど急ぐ道程ではなかったのだが、今は事情が出来た。先行する集団に追いつこうとしているのだ。 それも最初はここまでとは思っていなかった。追いかけている集団には子供もいる…

四季は大地を駆け巡る #72 うねり

イーストエンド侯爵家の領主館。その執務室で今日も、チャールズとクラウディアは各地から届けられる報告書や決裁書に目を通している。 クラウディアはこういった仕事が得意だ。王家に生まれた彼女。王女であっても、きちんとした帝王教育を受けている。パル…