月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

勇者の影で生まれた英雄 #52 悲劇

フローラとメアリー王女のことを知っても健太郎と結衣の心情は大きくは変わっていない。二人のそれが変わる時は、このまま来ないのかもしれない。二人のどちらかがこの世界で命を落とすまでは。 夕食の後、そのまま食事室に留まって打ち合わせをしている二人…

異伝ブルーメンリッター戦記 第66話 交わった物語がまた分かれていく

一軍六千を率いてキルシュバオム公国に転戦することになったエカードたち。だからといってすぐに移動出来るわけではない。軍の再編についてこの戦場に残るラードルフ総指揮官との調整が必要だ。 兵士についての調整は簡単だ。エカードたちが所属していた軍の…

勇者の影で生まれた英雄 #51 違い

城内の食事室。かつてはメアリー王女と健太郎たち、そしてグレンが集っていたその場所は、今は面子を代えた話し合いの場になっていた。 集まっている面子は健太郎と結衣、そしてジョシュア王太子と勇者親衛隊の副官であるマークの四人だ。 ウェヌス王国にと…

異伝ブルーメンリッター戦記 第65話 裏表

リリエンベルク公国軍に割り当てられた陣営はそれほど広くはない。もっとも人数が少ない部隊なのだから当然ではある。ただその狭さはあくまでもここまでが陣営と線を引いた、実際には線ではなく壕で区切られている範囲内でのこと。その壕の外に出れば、訓練…

勇者の影で生まれた英雄 #50 愚行

敗戦の第一報が入った時点では、動揺はしても戦争である以上はそういうこともあると冷静に受け止めていた軍上層部も、続報が入るにつれて大混乱に陥っていった。 王都とエステスト城塞の間を多くの軍使が行き来し、情報のやり取りが行われた結果、決められた…

異伝ブルーメンリッター戦記 第64話 物語が加速する

ようやく魔人軍に動きがあった。膠着気味であった戦況もこれで動くはずだ。ローゼンガルテン王国軍にとって待ちに待った、なんていえる状況ではない。一日でも早い戦争の終結は強く望んでいるが、 激しさを増すことまで求めているわけではない。だが今回の動…