月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

四季は大地を駆け巡る #60 真の建国の日

ヒューガの目の前に東の拠点で暮らす全員が並んでいる。その中にはブロンテースと無名の人族の顔も見える。そして南の拠点で療養していた三人のエルフたちの姿まで。 人々が集まっているのはヒューガたちの出立を見送る為だ。 こういった大袈裟なことは不要…

悪役令嬢に恋をして 第24話 王太子の恋

リオンの行動を観察している者がいれば、その精力的な活動に驚愕するだろう。そう思える程、リオンは色々なところに手を伸ばして、様々な工作を行っている。一従者が、それも自家の力も借りずに、やれるようなことではない。 それを可能としているのは、ただ…

四季は大地を駆け巡る #59 第五百四回精霊会議

結界の目途が立ったことで、ヒューガは早速、都を使うことについてセレネに話を通すこととした。扉を抜けて、西の拠点に着く。この場所に来るのも久しぶりだ。 セレネとだけ話をして、すぐに東の拠点に戻るつもりだったのだが、彼女は部屋にいなかった。仕方…

悪役令嬢に恋をして 第23話 イベント:魔人の胎動(後半)

数だけであれば勝てると騎士は言った。 だがそれも数に限りがある前提での話だ。アンデッドの魔物たちは、倒しても倒しても立ち上がってくる。そんな敵が相手では勝てるはずがない。 それだけではない。いつの間にか後ろからも魔物が襲い掛かってくるように…

悪役令嬢に恋をして 第22話 イベント:魔人の胎動(前半)

「何故、こうなった?」 こんな呟きを漏らしても今更だ。事はもう進んでいるのだ。リオンはエアリエルの付添で、王都からそう遠くない場所にある廃城の中を歩いている。 同行者はアーノルド王太子、ランスロット、シャルロット、そしてマリア。この四人と、…

四季は大地を駆け巡る #58 新時代の到来

エアルは毎日、ヒューガの部屋に通っている。特に何か用があるわけではないが、忙しい中、少しでも時間が空くとヒューガに会いに行くのだ。 ほんのわずかな時間、顔を見せるだけのこともあるので、ヒューガからさすがにそれは止めろと言われたのだが、エアル…