月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

災厄の神の落し子 第3話 天職というべきなのか

帝都の定義がどこまでというのは難しい。公式にはかなり広範囲。帝都を囲む防壁は大きく分けると内壁と外壁の二つがあり、外壁の内側が帝都となる。ただ外壁は一周するのに半月はかかるほどの広範囲を囲っている。正確には囲っているというのは誤りで、いく…

災厄の神の落し子 第2話 怪しいことが多すぎる

馬が大人しくなったところで御者を代わった彼。そうしたくてしているわけではない。女の子に任せては、また同じ結果になるだけ。自分がやるしかないのでやっているだけだ。 女の子はその彼の隣に座っている。馬車の中には何体もの死体がある。いくら親しい人…

災厄の神の落し子 第1話 A girl meets a boy

地面に転がるいくつもの死体。その中に立つ、ふわふわした金髪に大きな翠色の瞳のまだ幼い、十人が十人、可愛らしいと思うだろう女の子。だが今の彼女は可愛らしい顔を歪め、目の前に立つ剣を持った男たちを睨んでいる。死体は彼女の従者たち。馬車で移動し…

災厄の神の落し子 プロローグ

初代皇帝アルカス一世によって建国されたアークトゥラス帝国の治世は三百年に届こうとしている。未だに帝国の支配は盤石、とは決して言えない。真逆の状態だ。 帝国貴族の何人かが力を増すようになり、領地を巡る争いが増えて行った。帝国に力があるうちはま…

SRPG「アルデバラン王国動乱記」~改~ 第222話 エピローグ

またやり直しの人生。それでも今回は、前回と同じように前向きになれる変化があるはずだった。それをジョーディーは望んでいた。だがその変化は今のところない。少なくともジョーディーはその事実を認識出来ていない。それ以前の人生をなぞることになってい…

SRPG「アルデバラン王国動乱記」~改~ 第221話 プロローグのプロローグ

オペレーションルームで鳴り響く警告アラームが執務室全体に響き渡っている。警告アラームそのものは珍しくもない。システムの異常を検知して発せられるアラームは、オペレータに対処を促すことが目的。対応するオペレータによって止められて、それで終わり…