領地に向かう準備で忙しくしているのはレグルスだけではない。レグルスの周囲の人々も色々とやらなければならないことがあって、忙しくしている。 なんといっても一番は「何でも屋」のバンディー。王都を離れていることが増えたレグルスに代わって「何でも屋…
レグルスが新たな領地を与えられたという噂は、少しずつではあるが、確実に人々の間に広まっていった。噂が広まるのに時間がかかったのは前領主サイリ子爵の死の真相を公に出来ない事情が王国にあるから。隣国から人を攫ってきて奴隷のように扱っていたなど…
領地替えの準備で寝る間もないほど忙しくしている中、レグルスは意外な来客を迎えることになった。サマンサアンだ。彼女がこのタイミングで会いに来る理由が、レグルスには思いつかない。彼女との関係は過去の人生とは違う。特別なものはまったくない。そう…
領地替え。それもこれまでのゲルメニア族の居住地を領地としていたのとは異なり、きちんと領地を運営しなければならないことにレグルスはなった。ただ住む場所を引っ越せば良いというわけでは、当然ない。様々な役割の家臣を揃えていかなければならい。まし…
パーティー会場を離れてレグルスは、国王と共に執務エリアの奥の小会議室に入った。レグルスが初めて訪れた会議室。国王が少人数で他に聞かせられない相談を行う為の会議室なのだが、そんなことはレグルスには分からない。 会議室に入ると、先に宰相と諜報部…
王城の大広間には着飾った多くの人が集まっている。奏でられる音楽、テーブルの上に並ぶ様々な料理。飲み物を乗せたトレイを持つ給仕人たちが、人々の間を動き回っている。王国主催のパーティーが開かれているのだ。 ただ今日開かれているパーティーは、通常…