月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

黒き狼たちの戦記 第57話 悪だくみが絶えることはない

エーデルハウプトシュタット教国は聖神心教会の総本山。だが教会の運営のほとんどは各教会、もしくはそれを束ねる教区に任されている。大陸全土に教会がある為に、一極集中で日々の運営状況を管理することなど不可能なのだ。 事実ではある。だが、それが結果…

黒き狼たちの戦記 第56話 真実なんて簡単に辿りけるものじゃない

幼い頃から周囲は常に温もりを感じさせてくれる雰囲気だった。誰もが自分に笑みを向け、何か行えば褒めてくれた。そうであることが当たり前だった。 世の中に悪意というものが存在するのを知ったのは八歳の時。父に剣を教えてもらえることが決まったあとだっ…

異伝ブルーメンリッター戦記 第150話 二人の物語はまだ終わりではない

ローゼンガルテン王国軍はグラスルーツを放棄。領境の城砦まで後退することになった。この時点でリリエンベルグ公国奪回作戦は、失敗という結果で終わることになる。それだけではない。戦争そのものの終結に向けての動きも現れている。ローゼンガルテン王国…

異伝ブルーメンリッター戦記 第149話 やり残しのないように

侵攻軍七万二千。これ以上は不可能という大軍を編制しての旧リリエンベルグ公国領奪回作戦は、自軍の半分にも届かない敵軍を相手に、大失敗に終わった。たった一戦で侵攻軍は壊滅的な打撃を受けて撤退。その第一報が入った時、まさかの大惨敗という結果に大…

異伝ブルーメンリッター戦記 第148話 主人公に代わって攻略、ではない

七万という大軍での侵攻。そうであっても不安を感じていなかったわけではない。前回の作戦でブルーメンリッターは為す術もなく壊滅に追いやられているのだ。魔人は強い。それを改めて思い知らされた戦いだった。 そうであるからこその大軍。これ以上の大軍を…

異伝ブルーメンリッター戦記 第147話 英雄と戦うということ

キルシュバオム公国軍二万二千の内、前軍六千、そして王国騎士団の前軍六千の計一万二千が前進を始めた。それに対してアイネマンシャフト王国軍はブラオリーリエの瓦礫の影に隠れていた巨人族の部隊を前衛に押し出してくる。身の丈よりも遥かに巨大な盾を持…