月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

黒き狼たちの戦記 第54話 見えているものが全てではない

中庭でヴォルフリックたちが鍛錬を行っている様子を眺めているフィデリオ。彼自身の鍛錬もあるのだが、どうにも気が散って集中出来ないでいた。上の空のような状態で鍛錬を行っても効果はない。それどころか怪我をしてしまう危険もあると考えて、こうして中…

異伝ブルーメンリッター戦記 第125話 真実の受け取り方

自分たちは何かを間違っているのではないか。一度、心に湧いてしまったこの思いが消えることはなかった。もともとその思いをクラーラは持っていた。苦しい時は何度もあったが、なんとか頑張っていた魔人との戦い。自分たちの活躍で王国の人々を救うのだと心…

異伝ブルーメンリッター戦記 第124話 すれ違いは続く

ブルーメンリッターはグラスルーツに到着した。ブルーメンリッターと呼んでいるが、それはエカードの、まだ何も為していないが、功績を強調する為。王国騎士団の騎士、兵士をあわせて総勢一万だ。さらに後備として一万が編制されているのだが、これはまだ領…

異伝ブルーメンリッター戦記 第123話 邪魔者たち

リリエンベルグ公国の南端。ローゼンガルテン王国によって閉ざされていた領境の関所を抜け、両側を山に挟まれた川沿いの街道を進むこと二日。視界は一気に開け、街道沿いに広がる田園風景が見えるようになる。魔人との戦いで荒廃した姿を想像していたブルー…

黒き狼たちの戦記 第53話 視点が違えば見えるものも変る

ロートが営む食堂。フロアの隅にあるテーブルでヴォルフリックたちは食事をとっている。クローヴィスもセーレンも、ボリスも一緒だ。彼らを黒狼団の拠点である食堂に連れてきたのには訳がある。もちろん、食堂が黒狼団の拠点だと正直に話すことではない。そ…

黒き狼たちの戦記 第52話 優しさが辛く感じられることもある

ノートメアシュトラーセ王国軍部の重臣たちを集めた会議。その場は重苦しい雰囲気に包まれている。また新たな軍事上の難題が沸き上がってきたのだ。ベルクムント王国との戦いを勝利で終わらせた中央諸国連合。だがそれで本当の終わりとはならなかった。さら…