月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

黒き狼たちの戦記 第35話 人はそれぞれ背負っているものがある

ノートメアシュトラーセ王国は小国。その小国の二十人にも満たないアルカナ傭兵団の上級騎士たちが、大陸の東西二大国ベルクムント王国とオストハウプトシュタット王国を相手にして堂々と渡り合っている。そのアルカナ傭兵団の上級騎士たちはクローヴィスに…

黒き狼たちの戦記 第34話 敵を知る。まずはそこから始めよう

三団対抗戦の第二戦、近衛騎士団と王国騎士団の対戦は近衛騎士団の三戦全勝という結果に終わった。王国騎士団としては、アルカナ傭兵団との対戦を含めて一勝も出来なかったという惨敗であるが、それなりに意地を見せた結果だ。近衛騎士団との対戦は捨て試合…

黒き狼たちの戦記 第33話 愚策であることも分からない愚か者たち

三団対抗戦当日。会場となる王国騎士団の屋外鍛錬場の倉庫でボリスは、大きな体を丸めて、何やら作業をしている。流れる幾筋もの大粒の汗。それはすでにボリスの服を、びっしょりと濡らしていた。 拳を握り、手に持った剣に打ち付ける。その度に金属音が響き…

四季は大地を駆け巡る #142 止まらない歩み

優斗率いる魔王軍によるイーストエンド侯爵家軍殲滅作戦は、成功と言える結果で終わった。たとえイーストエンド侯爵家軍に止めをさした最大の要因が、ルナの極限魔法による被害だったとしても。 ルナの極限魔法により甚大な被害を受けたのはイーストエンド侯…

四季は大地を駆け巡る #141 招いた悲劇

逃げるヒューガたちを追いかける優斗の前に立ち塞がったのはギゼン。戦場に現れたのは彼だけではない、ホーホーに騎乗した春の軍、そして秋の軍の一部が、ヒューガたちの脱出ルートを切り開く為に動き回っている。彼らにとって魔王軍もイーストエンド侯爵家…

四季は大地を駆け巡る #140 宣言

激しい戦いが行われていた戦場に静けさが広がっていく。優斗のやり様に呆れた多くの魔族が、成り行きを気にして戦いの手を止めた結果だ。劣勢であったイーストエンド侯爵家軍もその隙をついて反撃に出るような真似はしない。一時、優勢になってもすぐに戦況…