月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

四季は大地を駆け巡る #129 踏み出された一歩が次の一歩に繋がる

ヒューガとメルキオル王太子の会談は二刻に渡って行われた。最初はメルキオル王太子がアイントラハト王国についての質問を投げ、それにヒューガが答えるというものだったのだが、詳細については答えられないことが沢山ある。それは質問するメルキオル王太子…

四季は大地を駆け巡る #128 知る者、知らない者

サウスエンド伯爵領を奪う。この優斗の企みは一歩一歩確実に進んでいる。優斗一人の手柄ではない。もちろん南部に領地を持つ貴族を味方にする為の交渉では、優斗の存在は良い影響を与えている。勇者が味方にいるということだけで、反乱が成功する確率はあが…

四季は大地を駆け巡る #127 傭兵王に俺はなる、つもりはない

マーセナリー王国の混乱は収まる気配を見せていない。傭兵王はなんとか全土の支配権を取り戻そうとしているが、それは思うようには行っていない。まったく進んでいないわけではない。支配地域は少しずつ広げられている。だが、混乱をもたらしていた元臣下、…

黒き狼たちの戦記 第14話 狼たちが動き出す

ベルクムント王国の都ラングトア。大陸西部における最大都市であるラングトアはベルクムント王国の王都というだけでなく、西部全体の商業の中心都市という役割も担っている。ベルクムント王国国内だけでなく他国からも多くの商人がやってくるラングトアはそ…

黒き狼たちの戦記 第13話 変人扱いされるようなことか?

ヴォルフリックがアデリッサの招待を受けたのは翌日のこと。任務を前にして時間がない中だが、ヴォルフリックは約束通りに、それを受け、また城に向かうことになった。三人の従士も一緒だ。クローヴィスとフィデリオはアデリッサが何かを企んでいるのではな…

四季は大地を駆け巡る #126 託された想い

レンベルク帝国の皇城で開かれた戦勝の宴。パルス王国で行われている宴と同じように、華やかな衣装をまとった淑女たちが宴の席を彩り、楽団が奏でる軽やかな音楽に乗って人々がダンスを楽しんでいる、というものではなかった。レンベルク皇帝が説明した通り…