貴族領をまるまる一つ制圧したクリスティーナ王女派。本人の決意は固まっていないのだが、事情を知らない周囲からはそう見られている。 その事実を知った国王はすぐに近隣の貴族家に討伐を命じた。クリスティーナ王女の下にいる兵力は数百、それも半分以上が…
ギルバート宰相は忙しい時間の中、エドワード王との打ち合わせの時間をもうけた。エドワード王との会議は頻繁に行われている。だが今日話し合う内容は他の人がいる会議の場で話すべきことではない。そう考えてエドワード王に個別に時間をとってもらったのだ…
西の大国ウェストミンシア王国の都。いうまでもなく西方最大の城郭都市であるその場所に、遠征を終えた将兵たちが帰還してきた。それを迎える王都の住民たちは大騒ぎ。勝敗に関係なく、とにかく家族が無事に帰ってきてくれた事実だけを喜んでいる人々も多い…
王都での軍事会議。すでに事が動いている今となっては各地の状況が計画通りに進んでいるかを確認し、問題があればその解決策を検討することが主、であるべきなのだが今日の会議はそういうものではなくなっている。 その理由はカー大将軍を通じて伝えられたア…
憧れていたグレンの成り上がり英雄譚。それが自分の思っていたようなものではなかったことをクリスティーナ王女は思い知らされた。勝者の反対側には敗者がいる。勝者側の英雄は敗者の側から見れば大悪人だということを彼女は知った。 クリスティーナ王女が決…
フローラが街に出られる機会が増えている。今の段階で正式に王妃にするという決断はエドワード王には出来ない。そうであってもフローラの魅力を無駄にすることはない。多くの護衛を従え、王家の紋章が記された馬車に乗っていれば人々は勝手にそういう立場の…