月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

勇者の影で生まれた英雄 #153 本格始動

貴族領をまるまる一つ制圧したクリスティーナ王女派。本人の決意は固まっていないのだが、事情を知らない周囲からはそう見られている。 その事実を知った国王はすぐに近隣の貴族家に討伐を命じた。クリスティーナ王女の下にいる兵力は数百、それも半分以上が…

勇者の影で生まれた英雄 #152 意外性は大事

ギルバート宰相は忙しい時間の中、エドワード王との打ち合わせの時間をもうけた。エドワード王との会議は頻繁に行われている。だが今日話し合う内容は他の人がいる会議の場で話すべきことではない。そう考えてエドワード王に個別に時間をとってもらったのだ…

勇者の影で生まれた英雄 #151 決戦の足音

西の大国ウェストミンシア王国の都。いうまでもなく西方最大の城郭都市であるその場所に、遠征を終えた将兵たちが帰還してきた。それを迎える王都の住民たちは大騒ぎ。勝敗に関係なく、とにかく家族が無事に帰ってきてくれた事実だけを喜んでいる人々も多い…

勇者の影で生まれた英雄 #150 指された一手

王都での軍事会議。すでに事が動いている今となっては各地の状況が計画通りに進んでいるかを確認し、問題があればその解決策を検討することが主、であるべきなのだが今日の会議はそういうものではなくなっている。 その理由はカー大将軍を通じて伝えられたア…

勇者の影で生まれた英雄 #149 善悪と正誤

憧れていたグレンの成り上がり英雄譚。それが自分の思っていたようなものではなかったことをクリスティーナ王女は思い知らされた。勝者の反対側には敗者がいる。勝者側の英雄は敗者の側から見れば大悪人だということを彼女は知った。 クリスティーナ王女が決…

勇者の影で生まれた英雄 #148 優しい人々に囲まれて

フローラが街に出られる機会が増えている。今の段階で正式に王妃にするという決断はエドワード王には出来ない。そうであってもフローラの魅力を無駄にすることはない。多くの護衛を従え、王家の紋章が記された馬車に乗っていれば人々は勝手にそういう立場の…