ファティラース王国が消失した事でグレートアレクサンドロス帝国は、旧グランフラム王国領のほぼ全てを手にした事になる。バンドゥとその周辺が残っているが、旧グランフラム王国領全体で見れば辺境のわずかな土地に過ぎない。グレートアレクサンドロス帝国…
バンドゥ南部の領境は、今はファティラース王国との国境だ。その国境の砦で両国の交渉が行われていた。同盟交渉という名目で始まった交渉ではあるが、今では中身が変わっている。ファティラース王国は領地の支配力を失いかけていて、国としての体を成さなく…
北部、旧ウィンヒール王国領に侵攻するだけの軍勢は今のグランフラム王国にはいない。領土拡大の機会ではあるが、それは諦めざるを得ない。その上でアーノルドは何か出来ないかを考えた。国の為ではなく民の為に。その結果、思い付いたのは。 「……北部に物資…
帝都防衛戦において多くの犠牲を出したグレートアレクサンドロス帝国は、軍の再建に専念しており、軍事行動を控えている。ただその期間は、グランフラム王国が考えているよりも、遥かに短くなるはずだ。 帝国における軍の再建とは戦いで失った銃火器、そして…
グランフラム王国による王都奪回作戦は失敗した。元ウィンヒール王国貴族の裏切りもあって、グレートアレクサンドロス帝国はその支配地域を更に拡大する事となっている。旧グランフラム王国領の西部全域、北部の八割、南部についてもすでに過半がグレートア…
アーノルド王太子が近衛騎士団を率いて、マリアの親衛隊との戦いを優勢に進めている頃。グランフラム王国軍全体は、グレートアレクサンドロス帝国の砲撃によって崩された陣形の再構築に必死の状況だった。 大砲の射程外に部隊を後退させようとしても、砲撃は…