月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

逢魔が時に龍が舞う 第26話 兄妹喧嘩

尊の入院は予定通り一ヶ月で終わった。精霊科学研究所にとっては納得出来ない退院だ。検査の結果は異常なし。尊が持つ特殊能力の元となるようなものは何も見つけることが出来なかった。かといって入院の延長も出来ない。それ以上、何を検査すれば良いのかも…

逢魔が時に龍が舞う 第25話 知ってしまった想い

怪我を負った尊は、軍の病院に入院させられている。場所が軍管轄の病院というだけで治療に携わっている人間のほとんどは、精霊科学研究所の研究員だ。尊の怪我は激しい運動を控えることと、定期的に薬や包帯を替えれば良いだけで、これ以上、特別な治療は必…

逢魔が時に龍が舞う 第24話 八つ当たり

第七七四特務部隊の定例会議の場は、重苦しい雰囲気に包まれている。先日発生した遊撃分隊に対する襲撃。それはYOMIとの戦いが本格化したことを示している、と考える参加者は多い。そうであるなら第七七四特務部隊に勝ち目はあるのか。難しいと考えるの…

逢魔が時に龍が舞う 第23話 厄介者

救出された今泉の配属先が変わった。尊と同じ遊撃分隊への異動だ。これはヒアリングによって分かったことを、十分に検討した結果の措置。もちろん、その検討に尊は関わっていない。関わっていれば、その時点で尊は異動に反対したはず。そうであっても異動と…

勇者の影で生まれた英雄 #118 戦いの目的

ルート王国は勇者軍との戦いに向けて着々と準備を進めている。勇者軍も行軍を隠す段階ではなくなっていて、かなりの勢いでルーテイジに近づいていた。その情報は逐一グレンの下に届けられる。出動した勇者軍は五千。率いているのは健太郎。大量の攻城兵器と…

勇者の影で生まれた英雄 #117 銀鷹傭兵団襲撃

エリック・ハーリー千人将、アシュリー・カー千人将を筆頭にした騎士団の帰還は、ウェヌス王国に驚きを持って迎えられた。彼らはすでに忘れられた存在だったのだ。 早速にジョシュア国王臨席の下、帰還報告の場が設けられた。居並ぶ重臣の中、両名を先頭に四…