月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

逢魔が時に龍が舞う 第14話 働く理由

第七七四特務部隊の本部には陸士たちの机もある。ほとんど使われることのないその机だが、今はそこに尊が座っていた。教科書を開いて熱心に勉強をしている尊。だが熱心さと勉強の進みは必ずしも比例するわけではないようだ。腕を組んで「うんうん」唸ってい…

四季は大地を駆け巡る #83 広がる溝

クラウディアは仲間たちと共に森の奥に向かって進んでいる。全体で五十人のパーティ。当初予想していたよりも少ない数だ。パーティの中にはイーストエンド侯爵の配下の人も多くいる。それを考えると予定の三分の二程度しか集まらなかったことになる。 それで…

逢魔が時に龍が舞う 第13話 見捨てられた土地

湾岸地区は国から見捨てられた場所。こんな風に言われるくらい、震災後の復旧が進んでいない。被害が甚大であった湾岸地区を復旧するには、ただ元に戻すだけでなく、津波も含めた地震対策を施すことも必要で、それには莫大な費用がかかる。それよりも新都心…

四季は大地を駆け巡る #82 裏の顔

夏たちと別れて城に向かうクラウディア。その足取りは重い。ジュンに言われたことに胸を痛めているのだ。 自分はヒューガと別れてから何も変わっていない。クラウディアにはその自覚があった。だが、変わる為に何もしていないと他人から言われると、ここまで…

逢魔が時に龍が舞う 第12話 年齢詐称?

第七七四特務部隊の臨時会議。定例会議では見ない顔まで揃っている。前回任務の内容はこれまでの考えを大きく変えてしまうもの。その異常事態に関係部署の責任者が全て集められているのだ。今、報告に立っているのは公安調査局。 「鬼が組織を形成していると…

四季は大地を駆け巡る #81 期待

夏が生活費を節約する為に自炊することにして、随分と経つ。宿の主人が調理場を自由に使って良いと言って貰えたのは夏にとって大助かりだった。ギルドで聞いた通り、無愛想な主人であるが、他にも何かと便宜を図ってくる。良い宿を見つけることが出来たと夏…