月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

四季は大地を駆け巡る #61 それぞれの縁

月に一度、傭兵ギルド本部に送られてくる営業報告の資料。各支部から送られてきたそれに、ギルド長は順番に目を通している。常であれば、大まかな数字と特別に報告されてきた事項のみを確認して終わる作業に、今回は朝からかかりっきりだ。それも自分一人で…

勇者の影で生まれた英雄 #90 心の整理

クレインに知らされた母親の真実の姿はグレンの心に大きな傷を与えた。だが、そのことがグレンとヴィクトリアの距離を縮めるきっかけにもなり、グレンに一つの小さな決断を促すことにもなった。 通された部屋。そこにある小さなベッドで眠る赤子を気難しそう…

勇者の影で生まれた英雄 #89 後始末

ウェヌス王国軍が領内から撤退したことを確認したところで、グレンはゼクソン王都に入った。王都に入ってすぐに状況の確認に取り組む。真っ先に行ったのは当然、今回の反乱に関わる情報の確認からだ。 その報告を行うのはクレインだ。 「まず今回の反乱の原…

悪役令嬢に恋をして 第53話 バンドゥの剣

リオンたち、別働隊の今日の宿泊地は、ニガータに続く街道沿いにある街マーバスだ。王都を出て北に向かう街道を進むと最初に辿り着く城塞都市だ。 千人程度の軍勢であれば、軽く収容出来る規模を持っているので、リオンはここを最初の集合地点と決めていた。…

勇者の影で生まれた英雄 #88 最後の仕上げ

ゼクソン王国の反乱がすでに終息しているとも知らずに、健太郎率いるウェヌス王国軍は、ゼクソンとの国境を越えて領内に入っていた。 率いる軍勢は五千。その士気は、それなりに高い。今度こそゼクソン王国に勝つ。そういう思いに軍全体が奮い立っていた。 …

悪役令嬢に恋をして 第52話 戦う理由

リオン率いるニガータ防衛別働隊の出陣は、当初の予定とは異なり、近衛騎士団と日にちを合わせる事になった。リオンが別の日に出発するつもりである事を知った近衛騎士団長が、横槍を入れてきたのだ。 ただでさえ近衛騎士団長は、リオンとソルの関係が良いも…