月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

悪役令嬢に恋をして 第31話 後悔先に立たず

エアリエルが監察部に拘束された後。アーノルド王太子たちは、まさかの事態に青ざめた顔で茫然と立ち尽くしていた。 そんな中で唯一状況を理解していない者が居る。マリアだ。 「良かった。これで一件落着だわ」 こんな場違いな発言をしてしまう程に。周囲の…

悪役令嬢に恋をして 第30話 イベント:悪役令嬢糾弾

学院全体が、不穏な空気に覆われるようになった。 アーノルド王太子が宮内局に手を回して、リオンを強引に罷免させたという事実が、あっという間に噂として生徒たちの間に広まってしまったのだ。 平民、そしてリオンたちと接点のあった下級貴族の生徒たちは…

悪役令嬢に恋をして 第29話 抗う者のいない世界

アーノルド王太子にとって、エアリエルからリオンを引き離せるという情報は大歓迎だ。エルウィンの話はアーノルド王太子を大いに喜ばせた。 それはまだアーノルド王太子には、エアリエルへの未練があるということなのだが、それについて誰も気にする者はいな…

悪役令嬢に恋をして 第28話 向けられた悪意

舞踏会での騒動は、リオンを大いに動揺させていた。 リオンは、確実に物事は好転していると思っていた。ヴィンセントは身分の低い生徒たち限定とはいえ、多くの人たちに慕われるようになっている。エアリエルとアーノルド王太子の距離は、リオンが驚くほどの…

悪役令嬢に恋をして 第27話 学内舞踏会

校舎の中を貴族の使用人たちが慌ただしく動き回っている。今日行われる舞踏会の準備の為だ。女子生徒たちは特に晴れの舞台を前にして、準備に余念がない。使用人たちが忙しくしているのはその為だ。 学院開催の舞踏会は、貴族としての嗜みを身に付ける為の授…

悪役令嬢に恋をして 第26話 手に入れた武器

平民の生徒たちとの接近はリオンにも良い影響を与えている。 平民が王国学院に入学するには、かなり厳しい試験に合格する必要がある。元々、平民であっても国政の場に登用するだけの価値があるかどうかを入学段階で試すという意図だったので、その難しさは並…