ジグルス・クロニクスとは何者なのか――自分が転生者だと知り、そうでありながら特別な才能を有していないと思い知った時からジグルスはそれを考えていた。さらにこの世界がゲーム世界であり自分の名は登場人物にはないと知ったあとは、その考えに囚われてい…
ジグルス・クロニクスとは何者なのか―― リリエンベルク公爵家従属貴族クロニクス男爵の一人息子。母親はエルフだと噂されている。貴族家の嫡子としては滅多にいるものではない。少なくとも過去、ローゼンバッツ王立学院にそういった生徒が入学したことはない…
エカードの命令に従って、ということにして、ジグルスについての情報収集を始めたクラーラ。その行動は精力的だった。 まず行ったのは徹底した聞き込み。ジグルス・クロニクスという生徒を知っているか、知っているなら彼がどういう人か知っているか。彼に関…
リーゼロッテは今日も放課後の部室に一人で残って、考え事をしている。考えているのはジグルスのこと。だが今日はこれまでとは考える内容が違う。何故、ジグルスに心を惹かれるのか。その答えはもう得られたのだ。 ユリアーナとジグルスの立ち合いを見ていた…
授業中は以前と同じように自身の存在感を消し去っているジグルス。だが実技の時間である今は、さらに強く意識して気配を消している。立ち合いなどに参加させられことなく、授業の見学していたいからだ。 怠けたいからではない。授業はサボっているが、見学し…
主人公たちの訓練を見学したあと、約束通り、カロリーネ王女との面会に赴いたジグルス。だがカロリーネ王女のほうは少し約束を破った、は言い過ぎかもしれないが、隠し事をしていた。 案内された部屋にいたのはカロリーネ王女の兄。次期国王になる予定のアル…