月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

ファンタジー小説-悪役令嬢に恋をして

悪役令嬢に恋をして 第6話 お嬢様に隠し事は出来ません

ヴィンセント様とエアリエル様にはエルウィン様という腹違いの弟が居る。 三か月以上もこの屋敷に居て、ようやくそれが分かった。こんな大切な情報を教えてくれない周りの人もどうかと思うが、人に避けられる立場の俺だ。自分から、情報は求めなくてはいけな…

悪役令嬢に恋をして 第5話 生活にもかなり慣れました

ウィンヒール家に仕えるようになってから三か月になる。ここでの生活も大分慣れてきた。 朝は日の出の前に起きて、体を鍛える毎日。この家の朝は早い。使用人は日の出とともに起きだして、仕事を始めるので、その前に起きないと自分の時間が作れないからだ。…

悪役令嬢に恋をして 第4話 従者の一日

ウィンヒール侯爵家の嫡男であるヴィンセントの専任従者。それが自分の仕事になった。 どうしてこうなったのか、いくら考えても答えが見つからない。仕方なく、聞きたくない相手に尋ねる事にした。 「あの」 「何だ? 何か分からない事があるのか?」 先程ま…

悪役令嬢に恋をして 第3話 とりあえず仕事は決まりました

目が覚めると昨日とは違う部屋だった。 昨日の夜に俺の部屋だと案内された場所だ。ベッドと小さな机とタンスが置かれている。それだけで、スペースがほとんど無くなる様な狭い部屋。 元の部屋も同じようなものだから気にはならない。四畳半一間でトイレは共…

悪役令嬢に恋をして 第2話 結局、俺は何者なのだ?

侍女の後について廊下を歩く。廊下を見ただけで、この建物が驚く程広いということが分かった。 どこまでも真っ直ぐに続く廊下。その左右の壁には数えきれない程の扉が並んでいる。巨大ホテルがこんな感じだろうというところだ。巨大ホテルなど行ったことがな…

悪役令嬢に恋をして 第1話 いきなりこの展開はヘビー過ぎる

目を覚ますと、目の前には多くの星が瞬く夜空が広がっていた。 これ程の綺麗な夜空を見たのは生まれて初めてだ――こんな感動は一瞬で消し飛んだ。辺りに漂う何のものとも分からない強烈な異臭によって。 堪らずこの場を離れようとしたが、次に襲ってきたのは…