ドュンケルハイト大森林内の旧都。その中の一際大きな建物の一室でヒューガとイーストエンド侯爵は向かい合っている。イーストエンド侯爵にとって待ちに待った話し合いの場が用意されたのだ。同席しているのはクラウディアとカルポだけ。国同士の正式な交渉の場としては略式過ぎるが、イーストエンド侯爵に文句はない。これは公式の場ではない上に、自分の立場を曖昧なものにしておきたいという意図もイーストエンド侯爵にはある。ヒューガ一人でも構わないと思っているくらいだ。
「魔王を倒す為に、すぐに軍を出すべきだ」
いきなり本題に入るイーストエンド侯爵、これをヒューガに了承させなければ話は始まらない。細かなことは戦うことを決めたあとに調整すれば良いと考えているのだ。
「そのつもりはない」
だがヒューガは即座に拒否した。イーストエンド侯爵がこれを言い出すことは分かっていた。結論は出ているのだ。
「魔王とはすでに敵対関係にあるはずだ。時間を与えれば、それだけ敵は強力になる。それが分からないのか?」
「時の経過は敵にだけ有利に働くわけじゃない」
決戦の準備には時間が必要だとヒューガは考えている。今よりも国を強くする。その為に今、アイントラハト王国の人々はこれまで以上に忙しく働いているのだ。
「魔王が我が国を手に入れてしまえば、抗える者は誰もいなくなる」
「そう思うなら、奪われないように頑張れば良い」
ヒューガはイーストエンド侯爵のようには思っていない。パルス王国は大国だ。だからといって絶対的な強さを持っているわけではない。そうであれば、そもそも今のような状況には陥っていない。
「パルス王国を助けるつもりはないと言うのか?」
「何故、助けなければならない?」
「エルフ族が我が国を恨んでいることは分かっている。だが過去の因縁を気にして、判断を誤らないほうが良い」
一度、カルポに視線を向けたあと、イーストエンド侯爵はこれを告げた。エルフ族がパルス王国に対して悪感情があることは分かっている。だが目的を達成する為には、その悪感情がヒューガの判断に影響を与えないようにしなければならないのだ。
「別にそれが軍を出さない理由じゃない」
イーストエンド侯爵に言われなくても、判断を誤るつもりはない。ヒューガだけでなく、アイントラハト王国の重臣たちは個人的な感情を優先させることなどまずない。
「では他にどんな理由がある?」
「今のパルス王国の状況は自業自得だ。罪人が裁かれようとしているだけなのに、何故、その邪魔をする? この国の人たちを犯罪に加担させなければならない?」
「……魔王を召喚したのは我が国だ。だが、それは罪人呼ばわりされなければならないようなことか?」
ヒューガの表現は極端すぎるとイーストエンド侯爵は思う。彼はまだヒューガの言っていることを理解出来ていないのだ。
「その召喚した勇者を騙して戦わせた上で、手柄を横取りし、さらに奴隷にしようとした。運良く逃れられた元勇者は、その恨みを晴らそうとしているだけ……は良く言い過ぎか。とにかくパルス王国には裁かれる理由がある」
「……そんな真似はしていない」
全ては否定出来ない。だがヒューガの話には、イーストエンド侯爵の知らない事実もあった。
「いや、している。俺は本人からこの事実を聞いた。本人といっても聖女のほうだけどな。聖女を奴隷にして何をさせようとしていたのか。この国の人々がそれを許すと思うか?」
奴隷にされ、人としての尊厳を踏みにじられた人が多くいるアイントラハト王国が、この事実を許すはずがない。この考えは個人の感情ではない。アイントラハト王国建国の精神がそれを認めないのだ。
「……仮にそれが事実だとしても、それは新貴族派が勝手に行ったことだ」
「その張本人が今、パルス王国の国王をやっている。パルス王国の罪だ」
「……我々は知らなかった」
アレックス王個人が裁かれるのは構わない。イーストエンド侯爵としても都合が良いくらいだ。
「知らなかったのではなく、知ろうとしなかった。自分たちの権力を強化することに夢中で、真実を置き去りにした。その結果が今だ」
「真実を置き去りにしたつもりはない。それに政争は国を安定させる為のもの。私欲ではない」
自分の責任を否定するイーストエンド侯爵。これについてはなんとしてでもヒューガの考えを変えなくてはならない。
「どういうつもりかは関係ない。俺が言っているのは結果だ。裏切った南部貴族の大半は新貴族派。何故、彼らが裏切ったのか考えたことはないのか?」
「それこそ私欲だ」
「彼らの多くが子供を失った。彼らの犠牲に国は何も報いようとしなかった。それどころか声をあげる力さえ奪ってしまった。子供を奪われた親が、その恨みを晴らそうとしている。こうは思わなかったか?」
優斗に組した貴族家に正義があるとはヒューガも考えていない。だが彼らの側が一方的に悪いわけでもない。反乱を決断させた責任は、パルス王国の側にもある。だから自業自得と言っているのだ。
「……その言い分は受け入れられない。戦争を求めたのは彼らだ。彼らは彼らが求めた戦争で子を失った。これこそ自業自得ではないか?」
「そう。自業自得。彼らは罪に対して、子供を死なすという罰を受けた。罰を受けていなかったのはパルス王国だけだ」
「……我が国が罰を受けていないと責めるのであれば、何故、エリザベートを許している? 裏で糸を引いていたのは彼女だ! 彼女こそこの状況を招いた主犯! その彼女を許して、何故、パルス王国を許さない!?」
ヒューガの理屈にある矛盾。それをイーストエンド侯爵は突いてきた。
「例えば……伯父としてディアと元勇者を結婚させたいと思うか?」
「何だと?」
「たとえにディアを使うのは俺も嫌だけど、他に思いつかない。娘がいるなら、その人のこととして考えろ。親としてのほうが考えが合う」
「何故、そんなことを考える必要がある? 今はエリザベートの……まさか、エリザベートがただローズマリーと魔王を結婚させたくないだけで、あんな謀を行ったと言うつもりか?」
優斗と結婚する可能性があった女性はクラウディアとローズマリー。そしてローズマリーはエリザベートの娘。ヒューガがこの話を持ち出してきた理由がイーストエンド侯爵にも分かった。まったく納得出来ないが。
「そのまさか、だとしたら?」
「あり得ん! お前はあの女狐に騙されているのだ! 権力を手に入れる為に国王を殺すような女なのだぞ!」
「殺してないから」
「だからお前は騙されているのだ! 今すぐにあの女を追放しろ! あれは国を滅ぼす! 災いをもたらす悪女だ!」
声を荒らげてエリザベートを非難するイーストエンド侯爵。彼女には恨みがある。恨まれている覚えもある。ヒューガの側にいられては面倒な存在なのだ。
「善人だとは俺も思っていないけど、そこまでの言い方は酷くないか?」
「まだ足りないくらいだ」
「じゃあ、聞くけど、彼女が国王を殺す動機は?」
エリザベートにまったく悪心がないとはヒューガも思っていない。彼女が権力を求めたのは、理由の多くは兄のネロの為だとしても、事実だ。だが冤罪で責められるのは納得いかない。
「何を分かりきったことを。アレックスを王にする為。裏から彼を操って、パルス王国を我がものにする為だ」
「でもそうはならなかった。それは何故か? アレックスには後ろ盾がいなかったから。エリザベートさんには後ろ盾になれるほどの力がなかったから。貴方の言う国を滅ぼすほどの謀略家がこんなことも事前に分からないと?」
「……そんなはずはない。そんなことはあり得ない。女狐は嘘をついているのだ!」
ではエリザベートは誰を後ろ盾にしようとしていたのか。思いついた人物であることをイーストエンド侯爵は否定した。前国王がエリザベートの謀略の手助けをすることなどあり得ないと。
「可能性は十分にある。俺の知る国王は、国王ではなく父として物事を考えていた。エリザベートさんの為ではなく、娘の為と考えたのかもしれない」
ヒューガの視線がクラウディアに一瞬、向く。ヒューガが、第一王女であるクラウディアを国外に連れ出そうとしていることを、前パルス国王は認めた。王ではなく父として娘の幸せを考えた。もう一人の娘であるローズマリーに対しても同じことをした可能性はある。
ただ、ヒューガにとってはどうでも良いことだ。彼はエリザベートはすでに罰を受けていると考えている。罰を受けて大森林に流された。そこで生きていたからといって責められることではない。
「……どうしてもパルス王国に協力する気はないのか?」
「負け戦に加わるつもりはない」
「負け戦にしない為に協力を求めているのだ」
「それはどうだろう? 俺なら今話していたことを、魔王領侵攻の真実も含めて、ばらす。今の状況を作り上げたのはアレックス王と重臣たち。我々は簒奪者とその協力者を討つために立ち上がったのだ、とか言って。それを知った人々がどう思うか。それ次第だな」
パルス王国に正義はない。アレックス王と重臣たちのせいで自分たちは苦しんでいる。その彼らさえいなくなれば。こんな風に思う人が多ければ、もう現パルス王国に勝ち目はない。アイントラハト王国が参戦しても、混乱に巻き込まれるだけ。ヒューガはこう考えている。
「……クラウが望んでいる」
「はっ?」
「アレックス王ではなくパルス王国の民を救う為に戦うのだ! クラウがそれを望んでいるのに、お前は協力しないと言うのか!?」
ヒューガに議論で押されたイーストエンド侯爵は、早々に切り札を使うことになった。決して効果的とは言えないタイミングで。
「……それは本当に」
「それはイーストエンド侯が話すことではないと思います。万一、クラウディア様にその思いがあったとしても、パルス王国との交渉には関係ないのではないですか?」
ヒューガがクラウディアの真意を確かめようとするのを遮って、カルポがイーストエンド侯爵を非難する。ここでクラウディアの考えを述べさせるべきではないと考えての行動だ。
「クラウはパルス王国の王女だ」
「我々はパルス王国の王女を迎え入れたつもりはありません。今この場にいるのはアイントラハト王国のクラウディア様。パルス王国の人ではありません」
「ではアイントラハト王国の王妃であるクラウが、いや、クラウディア様が望めば貴国は動くのか?」
「それは我が国の中で決めること。他国の方にお話することではありません」
この場では結論は出させない。参戦のことだけでなくクラウディアの立場についても。カルポはそう決めて、発言をしている。それが自分の役目と考えているのだ。
そのカルポの手助けをするかのように、議論を止める者が現れた。部屋の扉をノックして入ってきたのは。
「おや? これはこれは……お邪魔でしたかな?」
「……貴様。何故こんなところにいる? ここで何をしている?」
イーストエンド侯爵も知った人物、グランだった。
「何故と聞かれても。儂をその「こんなところ」に追いやったのはパルス王国ですが? 何をしているかについての答えは、王に仕えている、ですな」
「……このような者まで」
グランもエリザベートもパルス王国では罪人。イーストエンド侯爵にとっては敵視し、敵視されてもいるだろう相手だ。そんな二人がヒューガの側にいる。彼にとっては忌々しい状況だ。
「うちは人手不足だから。それで何?」
「ご報告に伺ったのですが……」
この場にはイーストエンド侯爵がいる。話をすることは躊躇われた。
「軍事のことでなければ、別に構わない。後々しつこく聞かれるほうが面倒だ」
「そうですか……では。レンベルク帝が陛下に会うために国境に向かっております」
「どうして?」
これまであったことの詳細はレンベルク皇帝に説明しているはず。グランはその為に、レンベルク帝国に行っていたのだ。
「ご自身の目で陛下がお元気であることを確かめたいのではないかと。怪我の様子だけでなく、御心も」
「ああ……到着はいつ?」
レンベルク皇帝にまで心配をさせている。それを知って、ヒューガは申し訳ない気持ちになった。
「急いで戻ってきたつもりですが、レンベルク帝も少人数で移動するように聞いておりますので、それほど離れていないと思います。明後日には国境に到着するのではないかと」
「分かった。じゃあ、準備に入ったほうが良いな」
他国の使者を迎える時ほどではないが、レンベルク皇帝本人を迎えるのにまったく何もしないわけにはいかない。ただカルポもグランも言われなくても分かっているそれを、あえて言葉にしたのは、この場を終わらせる為。イーストエンド侯爵に分からせる為だ。
「私も会わせてもらいたい」
「えっ? さすがにそれは無理」
他国との話し合いの場に、イーストエンド侯爵を同席させるわけにはいかない。
「同席を求めているわけではない。個別に会談する場を作って欲しいのだ。パルス王国の代表者として話す機会が欲しい」
レンベルク帝国の皇帝と話をする機会。これまで一度もなかったその機会を逃すわけにはいかない。強国であるレンベルク帝国の協力が得られれば、優斗との戦いが優位になる。イーストエンド侯爵としてはなんとしても実現させたい。
「……俺が決められることじゃない」
「仲介してもらうだけで良い。相手もパルス王国の現状に興味があるはずだ。まったく受け付けないということはないと思う」
「……それなら」
レンベルク皇帝が知らない情報をイーストエンド侯爵が持っているのかは微妙だと思ったが、話をしたがっていることを伝えるだけ。それくらいは引き受けようとヒューガは考えた。話し合いはパルス王国の為にはならないだろうが、レンベルク皇帝が、四エンド家の一人がどういう人物かを知ることには意味がある。こうも考えている。
ヒューガにとってイーストエンド侯爵は信用ならない人物。他人を使う側でしか、ものを考えられない人物。共に何かを為すことが出来る相手ではないのだ。
◆◆◆
会議が終わったあと、クラウディアは東の拠点に移動した。イーストエンド侯爵は話をしたがっていたが、用事あると言って、それを断って来ている。話したくないという思いはあるが、断った理由は気持ちの問題だけではない。実際にやりたいことがあるのだ。
一度自分の部屋によって気持ちを落ち着かせると、クラウディアは建物の奥に向かった。これまでは決して足を向けなかった場所だ。
「……王ならいませんよ」
クラウディアの姿を見て、驚いた様子のエリザベート。ヒューガが戻ってきていないことを告げると、その場から立ち去ろうと立ち上がった。
「知っています。さっきまで一緒でしたから」
「……では何の用で?」
エリザベートはクラウディアが返事をするとは思っていなかった。少なくとも会話は受け入れるのだと思って、用件を尋ねた。
「父を殺していないというのは本当ですか?」
「本当……と答えても信じられないでしょう?」
クラウディアが自分に敵意を抱いていることを、エリザベートは知っている。敵意を向けられる覚えもある。
「……ここでは何を?」
「……これ。王の為にお茶をいれるのが私の仕事。最近は他の人の為にいれることも増えたわね。意外と評判が良いのですよ」
持っているカップを指差して、自分の仕事を説明するエリザベート。
「それだけ?」
「私には他に出来ることがないわ。だからせめて、その時の王にとって最高のお茶を用意出来るように頑張っているつもりです」
「ヒューガの気を引くためね?」
何の見返りも求めることなくヒューガに尽くす。エリザベートがそんな女性であるはずがない。
「王は息子くらいの年齢ですよ? そんなつもりはありません。ただ……いえ、違いますね。王は私が求めていた時間を与えてくれました。そのことに深く感謝していますし、年齢は関係なく素敵な方だと思っています。ただ王は私を女性として見ていない。これが事実です」
誘惑しようと思ったことがないわけではない。ただ今はそんなことは必要ない。共にお茶の時間を過ごす。それでエリザベートは満足なのだ。
「その時間というのは?」
「そんなに私に興味がありますか? それとも王との関係をまだ疑っているのですか? それであれば本当に心配無用ですよ。体の関係は一度もありません。心も、私の一方的な片想いですよ」
「……そうじゃなくて……どうして貴女が受け入れられたのが知りたくて」
エリザベートは何故、アイントラハト王国の国民として受け入れられているのか。かつてを知るクラウディアには不思議でしかたがない。
「何故……それは私にも分かりませんね。ただ、私が求めていたのは普通のこと。その普通を王は最初から理解してくれました」
「普通?」
エリザベートの要求が普通のものであるとは思えない。
「愛する人の側で、何気ない日常を過ごすこと。好きなお茶を飲みながら、他愛のないことを話し、笑う。パルスでは得られなかった時を、王は与えてくれています」
「パルスで……でも貴女は」
彼女がパルス王国で求めたのは権力。正妃の座であり、最後は国の実権を奪おうとした。そのはずだった。
「……貴女であれば理解してもらえるかもしれないと思ったのですけど……やはり甘い考えでしたね?」
「どうして私であれば理解出来ると思ったのですか? 私が何を理解出来ると?」
「誰にも顧みられないことのない辛さ」
「あっ……」
エリザベートの言葉がクラウディアの心を揺らす。パルス王国にいた時にずっとクラウディアが感じていた想い。それが彼女の口から飛び出してきたのだ。
「愛すべき人に一切、顧みられることなく、ただ子を産む道具として扱われた私の気持ち。私はただ愛されたかっただけ。愛され、愛し、その人の為に尽くしたかった。家族としての時を過ごしたかった」
「…………」
エリザベートがそんな想いを抱いていたなんてことをクラウディアは考えたこともなかった。
「ここに来て、この気持ちを思い出しました。パルス王国にいた時の私は正気ではなかった。でも……クラウディア様……申し訳ございません」
「えっ?」
深々と頭を下げて、謝罪を口にするエリザベート。突然の行動にクラウディアは何のことか分からなかった。
「貴女のお母さまの死の責任は私にあります。ここに来て暮らすようになって、自分がしてしまったことを後悔するようになりました。今更と思うでしょう? 謝罪しても許されることでないのは分かっています。それでも……伝えないではいられません」
頭を下げたまま、クラウディアの母を死に追いやったことを謝罪するエリザベート。彼女の言う通り、今更だとクラウディアは思う。謝罪されても時は戻らない。だがそれはエリザベートにとっても同じ。パルス王国で過ごした時間が幸せなものに変わることはない。
「……今更だね」
「はい……」
「大切なのはこの先。貴女はすでに新しい道を歩んでいるのですね?」
エリザベートは過去を悔い、己を変え、もしくは取り戻し、新しい人生を歩んでいる。クラウディアはそれを羨ましく感じた。大きく変わったはずの自分の人生が、実際はそうではなく、過去を引き摺っているもののように思えた。
「……ええ。ここではそれが許されるのですよ」
「そう……」
アイントラハト王国では、多くの人がどん底にあった人生から引き上げられている。ヒューガに救われて。だが彼の力だけではないのだとクラウディアは思う。きっかけはヒューガとの出会いであっても、変えたのはその人たち自身。本人の気持ちがあって今がある。エリザベートに会って、そう思うようになった。
自分はどうなのか。変えたいという強い気持ちを持てているか。持っているのであれば、持てていないのであれば自分はどうするべきか。どうすれば変えられるのか。
何度も繰り返したはずの思考が、初めてのように思える。だからこそ、今度は答えを得られる。なんとなくクラウディアはそう感じた。