月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

悪役令嬢に恋をして 第80話 ソル・アリステスの決意

異世界ファンタジー小説 悪役令嬢に恋をして

 バンドゥへの行軍を急いでいたアーノルド王太子たちではあるが、当然と言うべきか、救援には間に合わなかった。行程を半ばも行かないうちに戦いが終わったとの情報を聞き、更に先に進んだ所で戦闘に参加したバンドゥ領軍のかなりの人数が討ち死にしたと聞き、やがて詳細が明らかになってリオンもその中の一人だと知った。
 それでもアーノルド王太子は極限られた側近たちと一緒に、領地に戻るバンドゥ領軍に同行することにした。リオンの死がどうしても信じられなかった。それに、どうやら生きているらしいエアリエルが心配でもあったからだ。
 途中で部下を率いて追いついてきた近衛騎士団長に、引き返すように何度も言われたが、頑なに拒否して、そのままバンドゥ領に入った。
 そしていよいよカマークに到着したアーノルド王太子一行を迎えたのは、ソルだった。

「……ご苦労だったな」

 最初にソルに声を掛けたのは近衛騎士団長だった。上司として、無難な挨拶が出来るというだけの話だ。アーノルド王太子あたりは、どう話を切り出して良いのか分からなくて、何も言葉が出ない様子だ。

「団長までご一緒とは」

「一度、使者に立っただけで便利扱いだ。騎士兵団は色々バタバタしているからな。それに比べれば暇に見えるのであろう」

 これは嘘だ。国王が、下手な者を送っては面倒な事になると考えて、近衛騎士団長を選んで、バンドゥに向かわせたのだ。

「早速だが、ここまでの全てを聞かせてもらいたい。話せる者を集めてくれ」

 個人的な感傷は脇に置いて、近衛騎士団長は戦いの様子と今のバンドゥの状況についての情報収拾を急ぐ事にした。これを知らなければ、この先どうすれば良いのか考える事が出来ないからだ。

「自分が話します」

「ん? お前が全ての説明をすると言うのか?」

「はい。逆に自分以外に全てを説明出来る者はおりません」

「……エアリエル嬢は?」

「生きてはおられます」

 それだけでも凄い事なのだと、ソルの言葉は示している。その意図は、近衛騎士団長にも伝わった。

「……そうか。では頼もう」

「はい。長くなると思いますので、会議室で話しましょう」

 そして案内されたのは、カマーク城の中では割りと大きな会議室。それでも全員は入れるはずもないので、主だった者だけで話を聞くことになった。
 全員が席についた所で、ソルはこれまでの出来事について説明を始めた。魔物がバンドゥに現れてからの話だ。
 魔物の大軍の出現を知ったリオンは、真っ先に領民の避難支援に取り掛かった。警護隊に各村を回らせて魔物の出現を知らせ、カマークへの避難を誘導させる。距離があって、カマークまで辿り着くのが難しい者たちには、近くの砦、これも村ではあるのだが、に向かわせた。何の守りもない村に居るよりは遥かにマシだからだ。
 それと並行して、黒の党を領内に散らばらせ、情報収集を始める。アーノルド王太子たちへの説明では、ソルは黒の党の名を出さなかった。黒の党の存在は、公にすべきではないと考えたからだ。
 魔物がどこに、どれくらい居て、どこに向かって、どの程度の速さで進んでいるのか。領民の避難状況はどうか。こういった情報を頭に入れながら、リオンは行動を起こした。
 ソルにカマークの守りを任せての、近衛騎獣部隊を率いての出陣だ。魔物と戦う事が目的ではない。砦に逃げ込んだ領民たちを助け出す為だ。砦を襲っている魔物が居ればそれを討ち、移動出来る余裕があればカマークに避難させる。もしくは領外に脱出させる。その為に、魔物の包囲の穴を見つける役目も黒の党が担った。
 それが無理であれば、そのまま砦で次の機会を待つように指示をして、別の砦に向かう。バンドゥ領内にある、あちこちの砦で、何度も何度もそれを繰り返した。
 このリオンの動きに魔人がきれた。領内のあちこちで村を襲うことでリオンを疲弊させるつもりが、逆に縦横無尽に領内を駆けまわるリオンに、魔人側が翻弄される事になってしまったのだ。

「ちょっと待て。魔人が居たのか?」

 ソルの説明を遮って、近衛騎士団長が問いを発する。

「はい。あれだけの魔物を率いるとなると、一人では無理だったようで二人現れました」

「その魔人の名は?」

「自分は知りません。リオン様も知らなかったのではないでしょうか? 名乗っている隙があれば、魔法を打ち込むか、剣を振るっています。そういう方ですから」

「……だろうな」

 魔人の名は分からず終い。だが二人という数字の合致が、どういった存在であるか示している。魔人ゴランは四天王を名乗っていたのだ。廃城に居たのはゴランとバロンの二人。残りの二人は、決戦よりも前の戦いで討っていた魔人のどれかと思っていたのだが、そうではなかった。

「説明を続けます」

 リオンに振り回されていた魔人側は、戦術を転換した。無駄な小細工は止めて、堂々と数の力で押し切る事にしたのだ。領内に居た全ての魔物をカマークに集結させた。その数はおよそ三十万。リオンが黒の党に救援を要請するように命じたのは、この時点だ。三十万はあくまでもその時の数で、まだまだ増える気配が明らかになり、わずかでも隙がある間に人を外に送り出そうと考えた結果だった。
 
「……では、どれくらいの数が集まったのだ?」

「分かりません。五十万だろうと六十万だろうと、数える気にはなりませんから」

 三千の群れは二つ、一万の群れが三つ、この計算なら、それほど誤差なく出来る。だが、一つの集団となっていては、三十万でも五十万でも数える事など出来るはずがない。
 ソルが言っているのはこういう事だ。

「……続けてくれ」

「はい」

 カマークに的を絞られると、リオンもカマークに張り付くしかない。魔人の戦術転換は、結果として成功した。野戦ではなく防衛戦では、リオンの側に奇襲の余地はなくなってしまう。
 魔物の大軍と正面から戦う事になったカマークの戦いは、ここからが地獄だった。
 大量に用意していた石や矢も、予想以上に早く尽きてしまった。補充をしようにも、周囲を魔物に囲まれていて、外に出ることなど出来ない。壊した倉庫などの廃材も弾代わりにしたのだが、それだって限りがある。飛び道具を失った防衛側は、一気に攻撃力を低下させた。
 残った手段は、リオンとエアリエルの魔法攻撃と出撃しての接近戦。魔力が尽きれば、回復するまでは接近戦しかない。
 リオン側に救いがあったとすれば、敵はあまりに大軍過ぎて、実際に戦う数は五十万だろうと一万だろうと、そう変わらないという事だ。外壁まで辿り着いた魔物を追い落とす戦いは厳しいものがあったが、それ以外は、寝る間がほとんどない事を除けば、通常の戦いと大差はない。

「……寝る間がない?」

「魔物はあまり睡眠を取らないようで。そうでなくても、昼夜交替で攻められれば、寝ることなど出来ません」

「……何日それを?」

「覚えておりません。数える事を禁じられてもおりました。数えれば、それだけ辛くなるだけだと、リオン様が言われて」

「そんな精神的な事で何とかなるものではないだろう?」

「もちろん。カマークを落とされなかったのは、かなりの備えがあったからです。詳細の説明はしても意味はありませんので省きます。どうしても気になるようでしたら、実際に見てください」

 カマークの防衛力は、かつて城塞都市として機能していた頃をはるかに超えている。堀を掘り下げたり広げたり、外壁の補強は勿論、周囲の地形まで攻めにくいように変えている。
 何のためにと聞かれたくないので、ソルは説明を省いたのだ。

「……分かった。それで最後はどうなったのだ?」

 近衛騎士団長は聞かなくても何の為か察している。それよりも気になるのは、先の話だ。
 ここまで追い込まれた状況になれば、もう戦いも決着だ。こう考えて催促した近衛騎士団長だったが、少し気が早かった。結末までには、もう一山あるのだ。
 魔神の出現という大きな山が。

「魔人を倒しました。それをきっかけとして、魔神が復活したのです」

「ちょっと待て!? 今、何と言った!?」

 耳を疑う言葉に、近衛騎士団長は慌てて聞き直した。

「神の方の魔神が現れたのです。何をもって、それが分かったとは聞かないで下さい。あれは魔神、それ以外の何者でもあり得ないほど、異質な存在でした」

「……王太子殿下?」

 近衛騎士団長の問い掛けに、アーノルド王太子は首を振った。聞かれても分からない。マリアからは、魔神が復活すれば、この世界は終わりだとしか教えられていないのだ。

「本当に魔神なのか?」

 ソルを疑うわけではないが、アーノルド王太子としては、これを尋ねるくらいしか頭に浮かばない。

「それは先程申し上げた通り、魔神とはそもそも何なのか分からない自分には断言出来ません。しかし、リオン様は一つの推測を残されました」

「推測?」

「魔人、人の方です。魔人の動きが不自然だったのです。とても届かない魔物の群れの奥の奥に居たはずなのに、何故か前線に出て来ました。まるで、討たれる事を自ら望んでいるかのように」

「……それで?」

 廃城でたった二人で現れた魔人も同じようなものなのではないか。こんな思いがアーノルド王太子の頭によぎった。

「実際にわざと討たれようとしたのだと考えられています。魔人は自身を、魔神復活の為の生け贄にしたのだと」

「何と……?」

「本拠地を襲撃される事になって魔人たちは焦った。魔神の復活にはまだまだ犠牲が足りなかったのです。では本拠地を捨てて逃げるかとなると、それも出来ない。本拠地は魔神復活の儀式の場でもあったからです」

「儀式の場。どうしてそれが分かるのだ?」

「それは自分には分かりません。ただの仮説かもしれません。しかし、それで辻褄は合います。魔神復活を諦めきれない魔人たちは最後の賭けに出た。それが自分たちを生け贄に捧げて、足りない分を補う事です。バンドゥの領民もその数に入っていたのかもしれません」

 ここまでの事は、さすがのリオンにも分かるはずがない。リオンは廃城での戦いはもちろん、廃城の地下がどうなっているかも全く知らないのだ。では、ソルにどうしてこれが説明出来るのか。
 他の者に聞いたからだ。この世界の物事であれば、大抵は知っている存在に。

「魔人の復活を図る為にバンドゥを襲った……」

 そして、復活と同時に最大の敵であるリオンを屠る為。だが、これはソルは口にしなかった。さすがに、これを話せば、リオンの考えではないと分かるからだ。

「そして、その企みは成功しました。いや半分成功というところでしょうか?」

「半分とは?」

「復活は完全なものでなかったのだと思います。だから討ち取る事が出来た」

「……リオンはどうやって魔神を討ち取ったのだ?」

「魔力を爆発させて」

「何?」

「正直分からないのです。物凄い雷鳴が響いていたと思ったら、突然、魔神が居た場所を中心に、凄まじい爆発が起こりました。少し遅れて爆風が吹き荒れ、それが収まったと感じた時には魔神の姿は、その周囲に居たリオン様たちも消えていたのです」

「そうか……」

 リオンの死。予め聞いてはいたが、ソルの口から聞かされると、改めてショックを受けてしまう。リオンならもしかしたらと、この場に居る全員がわずかな期待を抱いていたのだ。

「お前は良く無事だったな?」

 落ち込んでしまったアーノルド王太子に変わって、近衛騎士団長がソルに問いかける。

「リオン様の命令で、エアリエル様を救うために前線を離れておりました。魔神にやられて瀕死状態の我らを助ける為に、危険な魔法を使われたようで」

「な、何だと!?」

 ソルの説明に、すかさずアーノルド王太子が反応した。王族であるアーノルド王太子も奥義の魔法は知っている。当然、それを使えばどうなるかも。

「その場で気を失われただけです。お命に別状はありません」

「そ、そうか」

「これで説明は終わりです。補足としては、魔物は全て討ったわけではなく、逃げ去って行ったのです。何十万もの魔物です。バンドゥ周辺に警戒を呼びかけたほうがよろしいかと思います」

「分かった。それは手配しておく」

 ソルの提案には近衛騎士団長が返事をした。実際に動くのは同行してきた近衛騎士団なのだ。近衛騎士団長は同席させていた部下に目配せをして指示を出す。それを受けた近衛騎士が部屋を出て行った。

「エアリエルに会えるか?」

 リオンと同様か、もしかしたらそれ以上に、アーノルド王太子はエアリエルの事が気になっていた。リオンが死んだ今、エアリエルがどれほど落ち込んでいるか、アーノルド王太子は心配でならない。

「会えません」

「何?」

 まさかの答え。ソルが否定するとは、アーノルド王太子は考えていなかった。

「エアリエル様は酷く落ち込んでおられます。死を何とか思い留まって頂いている。こう言えば、状態はお分かりになるでしょうか?」

「それは分かる。だが、その様な状態だからこそ心配で」

「無礼を承知で申し上げますが、王太子殿下に見舞われて、それでエアリエル様は元気になられるでしょうか?」

「ソル! 無礼ではないか! 貴様、それでも近衛か!?」

 ソルの言い様には、アーノルド王太子の近衛騎士であるランバートが切れた。ソルの態度は近衛として許される事ではない。ただそんなことはソルも分かっている。

「そのことですが、自分は近衛を辞するつもりです。出来ましたら、今この場でお許しを頂きたい」

「な、何だと? そんな勝手が許さるか!?」

「勝手と言われても、自分は仕える方もいない身。誰に迷惑をお掛けするわけでもありません」

 ランバートに怒鳴られても、ソルに堪えた様子は全くない。気持ちを変えるつもりもない。

「辞めて何をするつもりだ?」

 ランバートに代わって、近衛騎士団長が問いかけてきた。

「しばらくはバンドゥで、少しでも復興の力になれればと思っておりますが」

「この地には別の領主が送られてくる。その者に仕えるのか?」

「いえ。領主に仕えなくても復興を手伝う事は出来ます」

「そうか……だが、これで分かったとは言えんな」

 近衛騎士団長は、元々ソルを高く評価している。簡単に手放せるものではない。ただ許可しない理由は、これだけではない。

「自分の気持ちは変わりません」

「まあ、そう言うな。とにかく、そうだな、二人で話をするか? 王太子殿下、会議は一旦お開きという事で如何ですかな?」

「……ああ、そうだな。丁度、休憩を取りたいところだった。そうしよう」

 気持ちを整理する時間がアーノルド王太子にも必要だった。

「では四半刻ほど休憩を。ソルと私は、この場で話を続けます」

「ああ、分かった。では俺たちが席を外そう」

 二人きりで話す場を作る為に、アーノルド王太子たちは部屋を出て行った。出ても行き場がないのだが、そうする以外にない。
 そして、部屋にはソルと近衛騎士団長の二人が残った。

 

「……自分の気持ちは変わりません」

「それは分かっている。だが、その前に聞くことがある」

「何でしょうか?」

「何を隠している?」

 近衛騎士団長の鋭い視線が、ソルに突き刺さっている。まるで抜身の剣を向けられているような圧迫感を、ソルは感じている。

「……特に何も隠しておりません」

 その視線に耐えて、ソルは言葉を発する。

「嘘をつけ。お前は色々と分かり易いのだ。こういう点では、フレイ子爵を見習ったほうが良いな」

「自分の何が?」

「エアリエル嬢に対する言葉遣い。アーノルド王太子とエアリエル嬢で、エアリエル嬢を優先させている事。お前、エアリエル嬢に仕えているつもりだな?」

 ソルの態度から、その忠誠は王族であるアーノルド王太子ではなく、エアリエルに強く向いている事は明らかだった。更に近衛を止めるとなれば、この結論になる。

「……リオン様の奥方様です。少しでもお支えしたいと考えるのは、おかしいでしょうか?」

「ふむ。もっともらしい理由だな。では、もう一つ」

「……何ですか?」

 ソルの警戒心がますます膨れ上がる。

「どうやって、エアリエル嬢が死ぬのを止めた?」

「それは……」

「あの二人はお互いに相手を唯一の存在として生きていた。リオンを失って、エアリエル嬢が死なないでいる事のほうが私には不自然に感じる。説得したなんて言うなよ? お前の説得など、彼女の心には届かん」

「…………」

 言おうと思っていた言葉を奪われて、ソルは何も言えなくなった。

「お前で守れるのか? 一剣士になろうとしているお前に、守り切れる秘密なのか? 自分一人で背負える事なのか?」

 動揺しているソルに、更に近衛騎士団長は畳み掛ける。

「自分は……」

「何が大切かを考えろ。フレイ子爵はそれが出来た。少々、極端なところはあるが、目的の為に必要だと思えば、他のものは何でも捨てられるのがフレイ子爵の強さだったのだ。お前にとって一番大事なものは何だ?」

「……エアリエル様をお守りする事です」

「それは何からだ?」

「……グランフラム王国」

「何だと……」

 さすがにこの答えがソルの口から出るとは、近衛騎士団長は予想していなかった。

「この国のあらゆる悪意からエアリエル様を守らねばなりません。それがリオン様の最初で最後のご命令なのです」

 ソルの頭の中にリオンの言葉が浮かぶ。それは近衛騎士団長に伝えた内容とは違う命令だった。

『もしお前が俺を仕えるべき主だと思っているのであれば、俺の最後の命令を聞いて欲しい。生まれてくる俺の子供の近衛騎士になってくれ。そして、守ってやってくれ。俺の子供に俺のような想いをさせないでくれ。これが俺のお前の主としての最初で最後の命令だ』

 ソルはリオンの命令を受けた。今のソルの主はエアリエルのお腹の中に居る子供なのだ。ソルには新たな主に対しての強い想いがある。必ず無事に生まれることを見守ると。もう二度と主を失うような事態にはしないと心に誓っていた。

「ソル! 団長! 急いで来てください!」

 いきなり部屋に、かなり焦った様子でランバートが飛び込んできた。

「どうした!?」

「王太子殿下が、槍を持った侍女たちに囲まれて! 近づけば命はないと脅されております!」

「それくらい何とかせんか!?」

「それが王太子殿下が手出しをするなと。どうやらフレイ子爵夫人に会おうとして、それで」

「何だと!? どうして、王太子殿下が!?」

 ランバートの説明を聞いたソルは驚いた様子で、席を立つと、部屋を飛び出して行った。その後を近衛騎士団長とランバートは追いかけた。