月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

異伝ブルーメンリッター戦記 #31 リセット

異世界ファンタジー小説 異伝ブルーメンリッター戦記

 陽の光を遮る為に半開きにされた白いカーテンが、窓から入る風に揺れている。外は快晴。強い日差しと、その暑さを和らげてくれる心地よい風。多くの人の心を明るくする、気持ちの良い天気なのだが、それによってリーゼロッテの心が沸き立つことはない。
 カーテンと同じ白いシーツと布団。それに包まれたジグルスに目を覚ます様子がないのだ。合宿からすでに一週間が経っているというのに。
 傷は完全には塞がっていないが出血を止まっている。何カ所かの骨折は、完治にはまだ何週間もかかるだろうが、それが目を覚まさない理由とは考えられない。出血が多すぎたから、というのが医師の意見であり、リーゼロッテもそうだと思っている。医学の知識などないリーゼロッテには医師の言葉を信じるしかないのだ。
 治癒魔法が使えたら、という思いがリーゼロッテにあるが、これは責任を感じすぎ。確かに合宿所にいた治癒魔法の使い手が現場に到着するまでには時間がかかったが、手遅れというほどではなかった。それなのに治癒魔法が本来の効果を発揮しなかったのは、魔人によって負わされた怪我だからだ。
 物理的な攻撃であっても魔人のそれには魔力が込められている。ただ殴っているだけのように見えても魔法攻撃であり、それを受けた相手に魔法が作用するのだ。それが治癒魔法の効果を薄めてしまう、という事実が周知となるのは、まだ先の話、魔人との戦いが本格化したあとだ。
 ジグルスが目覚めないのも体内に残留している魔人の魔力のせいなのだが、それも当然この時点では分からない。

「…………」

 ジグルスの右頬に手を伸ばすリーゼロッテ。魔人の攻撃によって出来た傷跡を指で優しくなぞる。リーゼロッテたちを逃がす為に負った怪我の一つ。もっとも軽傷であった頬の怪我も跡が残ったままだ。

「ジーク……お願い。起きて」

 眠ったままのジグルスにリーゼロッテは声を掛ける。もう何度目か分からない。だが今回もジグルスはそれに応えてくれなかった、のだが。

「あら? ジークったら、名を教えてしまったの?」

「えっ?」

 人払いをして二人だけしかいないはずの病室。その病室に女性の声が響いた。

「私の言いつけを全然守っていないじゃない。困った子ね」

「……貴女は?」

 突然現れた女性に素性を尋ねるリーゼロッテ。だが答えを得なくても分かっている。銀色の髪、人形のように整った、整いすぎて人間味を感じない顔立ち。実際に彼女は普通の人間ではない。初めて見るリーゼロッテでもエルフであることが分かった。

「それ、聞く必要ある?」

「いえ。ジークのお母様ですわね?」

 エルフの女性がこの場所に現れた。ジグルスの母親以外、考えられない。

「お母様って柄じゃあ……まあ、良いわ。まったく……心配して様子を見に来てみれば、予想を遙かに超える大惨事。どうしてこんなことになっているの?」

「それは……私たちを助ける為に魔人に立ち向かって……申し訳ありません」

「魔人に立ち向かって? 都に魔人が現れたの?」

 ジグルスの母親にとって、さらに予想外の出来事。驚きに目を見張っている。

「いえ。都の近くの山中に学院で使っている合宿所があって。その場所にかなり前から魔物が出没するようになったのですけど」

「魔物だけでなく魔人もいたと……そう、そんなことが……」

「私のせいです。本当に申し訳ありません」

「貴女のせい……貴女みたいな女の子がジークは好きなの?」

「えっと……」

 深刻な話をしていたところに、いきなり話が変わって、リーゼロッテは戸惑っている。問いにどう答えて良いか分からないのもある。

「ちょっと思っていたのと違ったわね」

「……ごめんなさい」

 ジグルスの母親にこんな言われ方をして、リーゼロッテは落ち込んでしまう。ジグルスとは不似合いと言われたと受け取ったのだ。

「謝る必要はないわ。私が勝手にジークは可愛いらしい感じの女の子が好きなのだと思っていただけよ。貴女は可愛いというより綺麗じゃない。きつそうに見えるし……これは喜んだほうが良いのかしら?」

「喜ぶ、ですか?」

「母親の私に似た感じの女の子が好みってことでしょ? ジークには嫌われていると思っていたから、そうだとすれば嬉しいわ」

「嫌われているなんて。そんなことはないと思いますけど……」

 ジグルスから変わった母親だとは聞いていた。だが嫌いだという言葉は一度も出たことがない。

「つまり、好きな女の子の前で格好付けちゃったのね? だからこの子は弱いのよ。ほんとどうしようもない愚か者ね」

「ジークは強いですわ!」

「えっ?」

「あっ……あの、ジークは凄く勇気があって……戦う力も弱いとは思いませんけど、特に心はとても強いと思います」

 ジークをけなす言葉に思わず反応してしまったリーゼロッテ。母親相手にムキになって否定したことを恥ずかしく感じているのだが、それでもジークが弱いというのは受け入れられない。

「……いいえ、弱いわよ。ジークの名前はね、遙か昔、神話の時代の英雄の名なの。でも今はそれを選んだことを後悔しているわ」

「どうしてですか?」

 今度はジグルスの名前の由来に話が飛ぶ。

「その英雄はとても強いのだけど、背中に一カ所だけ弱点があって、その弱点のせいで殺されてしまうの。この子も同じように一つの弱点のせいで命を縮めてしまうのかもしれないと思ったわ」

「そんなことにはなりません。ジークは、今よりももっと強くなりますわ」

 母親の心配を薄めようというだけの言葉ではない。リーゼロッテは本気で、ジグルスは今よりももっと強くなれると思っている。だがリーゼロッテの気持ちはどうであれ、ジグルスの母親がこの言葉を喜ぶことはない。

「貴女は思い違いをしている。私はこの子に強くなって欲しいわけじゃないの。戦いとは無縁の穏やかな世界で長生きして欲しいの。何よりも自分の命を大切にして欲しいの。それが母である私の願いなのよ」

「……はい」

 息子を危険な戦場に喜んで送り出す母親なんていない。自分の想いは母親の愛情に比べて非情なのではないか。そんな風にリーゼロッテは感じてしまう。

「もっと世の中を知りたいという、この子の希望を受け入れて学院への入学を許したけど……どうして約束通り、大人しくしていられないかな?」

「……あの、それもきっと、私のせいです」

 ジグルスは一年生の間はずっとその存在を消していた。それは母親の言いつけを守っていたからだとリーゼロッテは知った。
 その約束を破らせたのはリーゼロッテだ。自分を守る為にジグルスは表に出て行動するようになったとリーゼロッテは思っている。

「一応、確認するけど……貴女、リリエンベルク公爵の孫娘よね?」

「はい。そうですわ。リーゼロッテと申します」

「どの程度の想いなのか分からないけど……先々、悲しい思いをするのは間違いないわね。うん、忘れたほうが良いわ」

「えっ?」

「忘れなさい」

 ジグルスの母親の切れ長の目。自分を見つめる黒い瞳が大きくなっていくようにリーゼロッテは感じた。大きく、とてつもなく大きくなって飲み込まれてしまったと。
 それがリーゼロッテの最後の記憶。いや、記憶にはなり得なかった。

 ――気を失っていたリーゼロッテを目覚めさせたのは、廊下を駆けてくる大勢の足音。足音だけではない。金属が触れ合う音も聞こえてきた。
 何が起きたのかと病室の入り口を見つめるリーゼロッテ。その瞳に映ったのは病院には似つかわしくない鎧姿の騎士たちの姿だった。

「……君は?」

「私は……リーゼロッテ・テーリングですわ」

 ぼんやりした頭を軽く振ることで目覚めさせて、リーゼロッテは名乗った。

「君がリリエンベルク公爵家の……聞きたいのだが、銀髪の女性を見なかったか?」

「銀髪の、女性ですか?」

「そうだ……遠回しの聞き方は止めよう。エルフの女性を見なかったか?」

「……見ていません」

 何故、騎士がこんなことを尋ねるのか、リーゼロッテには分からない。

「本当か? 入院しているジグルス・クロニクスの母親だ。ここを訪れたのではないのか?」

 騎士はリーゼロッテの答えを明らかに疑っている。

「ジグルス・クロニクス……クロニクス男爵家のですわね?」

「……ここに入院しているだろ?」

 リーゼロッテの反応がおかしい。騎士が知らされている情報では、こんな答えを返すような関係ではないはずなのだ。

「ここに……私は何故、ここにいるのかしら?」

「なんだって……?」

「エルフの女性……ジグルス……ジグルスは知っているわ。でも……」

 ジグルス・クロニクスは知っている。自家の従属貴族家クロニクス男爵の息子で、学院に通っている。何度も部室で顔を合わせてもいる。だが、何かが違う。何が違うか分からないが、何故か胸が苦しくなる。

「百人将。ベッドには誰もいません」

「な、何? ジグルス・クロニクスは……? いや……探せ! 周辺を探すのだ!」

 リーゼロッテにジグルスはどこに行ったのか尋ねようと思ったが、それは無駄だと騎士は分かった。今のリーゼロッテに聞いても無駄だと。
 慌ただしく廊下を駆け戻っていく騎士たち。その足音が遠ざかっていく。

 ――リーゼロッテがただ一人残った病室に静寂が戻った。強い日差しを遮る為に半開きになっていた白いカーテンは、いつの間にか窓全体を覆っている。そのカーテンと同じ白いシーツは、ジグルスとともに消えていた。
 だがリーゼロッテがそれに気付くことはない。彼女の頭の中に広がる黒い霧のようなもの。それがリーゼロッテから大切な何かを奪っていた。

 

◆◆◆

 パルス国王の執務室に多くの騎士が出入りを繰り返している。その慌ただしさは、まるで戦争でも起こったかのようだ。もちろん、実際に戦争が起こっているわけではない。こうなった原因はジグルスの母親が都に姿を見せたこと、そしてそれを知った国王が何としても捕らえて連れてくるようにと、王国騎士団に厳命を下したことにある。
 執務室を訪れる騎士たちは、ジグルスの母親についての情報を報告しているのだ。実際には執務室に詰めている王国騎士団長に騎士たちが様々な情報を伝え、それを分析した結果を騎士団長が国王に伝えている。

「息子が入院していた病院に姿を現したのは間違いありません」

「目撃情報があったのか?」

「いえ。ですが怪我をして以来、ずっと寝たきりだった息子が姿を消しました」

「なんだって……?」

「自力では動けませんので誰かが連れ去ったはずで、それが誰かとなれば母親である疑いが強いかと」

 つまり、あくまでも推測。連れ去った姿を見た人もいないのだ。

「……何故、それを許した?」

 最悪の場合、ジグルスを使って父親を呼び戻すことが出来ると国王は考えていた。ほとんど、というか完全に子供を使った脅迫となるので最後の手段と考えていたのだが、ジグルスまで逃がしたとなれば、その手段を失うことになってしまう。

「申し訳ございません。部隊を向かわせたのですが、一足遅かったようです」

「……最優先で対応すべき場所だ」

 ジグルスの母が何故、都に現れたのかとなれば、息子に会うために決まっている。ジグルスが入院していた病院に姿を現すことは誰でも分かることだ。

「はい。言い訳に聞こえるかもしれませんが、ご命令を受けて、真っ先に部隊を向かわせました。それでも間に合わなかったのです」

「……情報伝達に問題があったと言うのか?」

 母親が都に現れたことが国王に伝わり、王国騎士団に命令が発せられるまでの時間。そこに問題があるのだと王国騎士団長は言い訳していると、国王は考えた。

「それだけでなく息子の所在を母親が掴んでいたこともあるかと」

 ジグルスが病院にいることを母親は知っていた。そうでなければ王国騎士団より先に病室に辿り着けるはずがない。

「……リリエンベルク公爵家か」

 その情報を母親に伝えた者がいるとすれば、リリエンベルク公爵家。国王はこう考えた。

「可能性はあります。病室には公爵家のご令嬢もいたそうですので。ただ……」

 王国騎士団長は国王の考えを完全には肯定していない。出来ない情報を得ているのだ。

「何かあるのか?」

「はい。そのご令嬢に改めて事情を聞いたのですが、なにやら様子がおかしいそうです」

「様子がおかしい? 隠し事をしている後ろめたさでもあるのではないか?」

「尋問、いえ、話を聞いた騎士の感覚ではそういう雰囲気ではなく、母親はもちろん、息子のこともよく分かっていない様子であると」

「何を馬鹿な。リリエンベルク公爵家のリーゼロッテはジグルス・クロニクスのことを良く知っている。恋愛感情を抱いているという情報もあるくらいだ」

 まだ学生とはいえリーゼロッテはリリエンベルク公爵家、そしてジグルスと親しい関係だ。国王の耳には色々と情報が届いている。

「そうなのですが……門衛の者も通過を許したことを覚えておりません。自分の失態を隠そうと惚けている可能性はありますが、そうでなければ?」

「……何が言いたい?」

「他人の記憶を消す魔法があるのではないかと疑っております」

「まさか……」

 そんな魔法の存在など国王は聞いたことがない。存在するとも思えない。とんでもなく危険な、使う側にとっては便利な魔法で、過去に必ず使われていたはずだ。

「侵入が分かったのは魔法を検知したからです。記憶を消したのではないとすれば、どのような魔法を使ったのか」

 都に入る門には魔法の発動を検知する仕組みがある。不正な侵入を防ぐ為だ。門だけではない。城内はもちろん、都内にもいくつも検知する魔道具が設置されており、何かあればすぐに城に情報が届くようになっているのだ。
 今回も、それによって不審者の侵入を把握し、門近辺での目撃情報からジグルスの母である可能性を知ったのだ。

「……危険過ぎる」

「はい。ですが恐らく、それほど強力な魔法ではないのでしょう」

「何故、そう思う?」

「我々の記憶は消されておりません。大量の人間に効果を発揮するのであれば、真っ先に消すべきは、恐れながら陛下のご記憶、そして我等軍部の者たちの記憶です」

 ジグルスの父が英雄であること、生存していることを国王と王国騎士団が忘れてしまえば、召喚されることはなくなり、このように厳しい捜索を受けることもない。それを行わないのは、出来ないから。王国騎士団長はこう考えている。

「……そうだな」

「ただ、今お話したことは推測に過ぎません。リリエンベルク公爵家の令嬢が本当に記憶を消されているかについて、出来ますれば王女殿下に確かめて頂けますと助かります。騎士団ではどうしても尋問の雰囲気が消えず、彼女の本当の感情が読めないと担当者が申しておりますので」

「カロリーネか……分かった。伝えておこう」

「肝心の捜索ですが、都内にある宿屋をしらみつぶしに探しております」

「リリエンベルク公爵家は?」

 国王はリリエンベルク公爵家の疑いを解いていない。疑いを晴らす情報は何もない、というのは事実だが、何年も掛けて蓄積してきた不信感はそう簡単に払拭されるものではないのだ。

「屋敷周辺には手の者を配置しておりますが、今のところ不審な動きはありません」

「そうか……」

「……魔人に関する調査はいかが致しますか?」

 王国騎士団長は話題を魔人に変えた。彼にはジグルスの父親への拘りはない。ジグルスやその母親の捜索に時間を割くよりも、合宿所に現れた魔人の調査を優先させたいと考えているのだ。その彼にとっても、魔人と戦ったであろうジグルスが行方不明になったのは、情報を得られなくなるという点では痛いので、捜索に手を抜くつもりはないとしても。

「魔人か……その後、何か分かったのか?」

「死因は鋭い刃で喉を切られた為、に見えますが現場周辺にあったのは槍だけ。それも魔人の死体からはかなり離れたところにありました」

「その槍は?」

「ジグルス・クロニクスが持っていたものと思われます。他の生徒も同じ物を所有していましたので間違いありません」

「そうか……」

 ジグルスはどのように魔人と戦ったのか。どうやって倒すことが出来たのか。これについては国王も大いに興味がある。英雄の息子もまた。こう思っているのだ。

「魔人の死体にあった肩口の傷。これは槍によるものです。しかし、致命傷を与えたのは別の武器だと考えております」

「それは何だ?」

「分かりませんが、ジグルス・クロニクスの物ではないのではないかと。あくまでも発見時の様子からの推測に過ぎませんが」

 王国騎士団長は魔人を倒したのはジグルスではないと見抜いている。それほど難しいことではない。一週間以上も寝込む怪我を負った状態で、どうして魔人を殺せたのか。頚部を切り裂いたのであれば大量の返り血を浴びてもおかしくない。だが発見時のジグルスはそうはなっていなかったのだ。

「彼でなければ誰が魔人を倒したのだ?」

「可能性の一つとして考えられているのは仲間割れ。仲間であれば、相手が油断しているところで正面から致命傷を与えることも出来るでしょう」

「……それはあれか? 他にも魔人がいると言いたいのか?」

「その可能性は否定出来ません」

 駐留していた騎士、合宿に参加した生徒たち。ジグルス以外の全員から証言は得ている。さらに状況からジグルスではないとなれば、王国が把握していない第三者が浮かび上がる。

「……エルフの可能性は?」

「否定は出来ませんが、そうであれば何故、一度は森に放置して、その上でまた連れ去るような面倒な真似をしたのでしょう?」

「怪我の治療が必要だった」

「はい。その可能性はあります。ですが、治療を終えて、その上でそのまま連れ去れば良いと思います。山中であれば楽に逃げられたでしょう」

 エルフにとって豊かな自然は味方。これは一般に伝わっている常識だ。まして魔人の出現に混乱していた状況であれば、合宿所を抜け出すことなど簡単であっただろう。わざわざ危険を冒して都に侵入するよりはマシだ。ただし、怪我が酷すぎて運ぶのを躊躇った可能性はある。それを考えて、王国騎士団長は完全には否定していない。
 だが王国騎士団長としては、魔人がもう一人いた場合のリスクを優先したい。その為に、国王の考えに否定的な意見を述べざるを得ない。

「……まだ魔人が」

「戦争準備を本格化、いえ、戦時体制に移行するべきだと考えます。今回の一件は相手から仕掛けてきたもの。すでに開戦する気になっているのです」

「開戦か……分かった。次回の会議で討議することにしよう」

「……はっ」

 この場で国王の許可は得られなかった。王国騎士団長はそれを悔しく思っている。国王が決断出来ない理由は明らか。勝てる自信がないのだ。それは王国騎士団を信頼していないということ。ジグルスの父親を求める考えも同じ。それが王国騎士団長には納得出来ない。
 だが国王がどう考えようと敵は待ってくれない。それが今回明らかになった。ローゼンガルテン王国は、戦時体制に移行するしかないのだ。