小説を読み漁っていた。
歴史小説とラノベ、他にもジャンルはあるがそれは特定の作家が好きというだけで、主にはこの二つだ。
やがてネット小説を知り、タダでこんな作品が読めるのかと喜び、ひたすら面白そうな作品を探しまくり、読みまくった。
そんな自分が、自ら書くようになってからは他の人の作品を読むことをしなくなった。ネット小説に限った話ではない。
せいぜいが勉強のつもりで既読の小説を読み返すくらい。今もそれをしようと手持ちの本を読んでいる。覚えていないくらいずっと前から棚で眠っていた本。
打海文三先生の「ハルビン・カフェ」がそれだ。
作家、打海文三は天才である!
他の人の評価は知らない。ただ自分がそう思っているだけ。
片手で数えられる範囲での、好きな作家の中の一人。自分も(「も」と書くのは抵抗を覚えるが)書くようになってからは憧れの人だ。
最初に出会ったのは「裸者と裸者」から始まる「応化戦争記シリーズ」だった。それで嵌まり、「ハルビン・カフェ」に続いた。
天才という言葉を安売りしているつもりはない。全面的に褒めているわけでもない。
この物語では次々と新しい糸が現れ、それらはラストに向かって集約されていく。
どの糸を紡ぐかは作者の思うがまま。緊張感を持って乗り移らないと自分がどこにいるのか分からなくなる。もしくは落下して終わりだ。
この作品は読む側に気を抜くことを許さない、すごく疲れる作品なのだ。
今、自分が立っている場所とはまったく異なる世界にある作品。「なろう」では絶対に受けないと思う(あくまでも自分の考え)。
それでも読んで欲しい。一回目では「???」だったすれば、もう一回。それでも駄目なら、さらにもう一回。
この作品は何度でも読めて、その度に面白さが増す作品だと思うから。今、自分がそう感じているから。
こんなの読んでも勉強にならない。真似る(学ぶ)ことなんて出来ない。ただ読者として楽しむしかないのだ。
※勝手な思いを書き殴ってしまった……