月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第81話 小さな悪役令嬢?

異世界ファンタジー SRPGアルデバラン王国動乱記~改~

 加速していた物語は、一気にその勢いを失っている。アリシアはそう感じている。SRPG『アルデバラン王国動乱記』において王立中央学院に入学してしばらくの時期は、戦記ではなく、恋愛物語が進行していく。ジークフリート第二王子との出会い、接近、その結果として悪役令嬢サマンサアンから強い嫉妬を向けられ、周囲から虐められることになる。その辛い日々を支えてくれるのはジークフリート第二王子。それによって、さらに二人の距離は縮まることになる、はずだった。
 だが実際には、虐められる期間は予定よりも短く、そうなるようにしてくれたのはレグルス。ジークフリート第二王子ではなかった。
 だからといって、ジークフリート第二王子との距離が縮まることにはならなかったのかというと、それも違う。距離は、ジークフリート第二王子のほうから積極的に縮めてきた。何事もなく、そんな態度を向けられることにアリシアは戸惑うことになり、恋愛感情が芽生えていないというだけのことだ。彼女がその気になれば、当初予定の通り、二人の関係は深まることになる。
 そうなると、婚約者であるレグルスは自分の顔に泥を塗られたと考え、サマンサアンと協力してアリシアへの、場合によってはジークフリート第二王子に対しても、嫌がらせを行うことになる、のは過去の人生において。今はそういうことにはならない。今のレグルスは、そうなっても傍観しているだけ。なるようになったと考えて、少なくとも、二人の邪魔をすることはしない。
 恋愛物語の進行はアリシアの気持ち次第。必要なイベントはなく、起きることもなかった。必要なイベントがない、というのは、あくまでもゲームシナリオ通りの結果にする為だけであればという前提で、アリシアの気持ちは考慮されていない。この世界は、今のところ、それを無視している。
 恋愛イベントのない鍛錬だけの毎日。アリシア本人はそうであることを気にしていない。一点だけ。物語はハッピーエンド、バッドエンドのどちらに傾いているのかを不安に思う以外は。

「食事中に考え事かい?」

「あっ……ごめんなさい」

 今日もアリシアはジークフリート第二王子と一緒にいる。ジークフリート第二王子が編成した白金騎士団の鍛錬に参加する為だ。
 今はそれを終えて、二人で軽食をとっているところ。アフタヌーンティー、とはこの世界では呼ばないが、そういう時間だ。

「何か悩み事かな? 私でよければ相談に乗るよ?」

「いえ、少しこの先のことを考えていただけです」

 ゲームシナリオと現在の差異について考えていました、なんてことは言えない。まったくの嘘というわけではないが、アリシアは曖昧な答えで誤魔化そうとしている。

「この先……学院を卒業した後のことかな?」

「……はい」

 これも嘘ではない。アリシアは未来について考えていた。エンディングの結果、そして自分はどうなるのかを。

「騎士になるのではなかったのかな?」

「そのつもりです」

「……では、何に悩んでいるの? 騎士になって多くの人を苦しみから救う。アリシアが目指している将来は明らかだ」

「そうなのですけど……」

 そうなるはず。だが本当にそうなのか。自分は本当にこの世界の主人公なのか。この世界は今も自分を主人公と認めてくれているのか。アリシアは分からなくなっている。

「悩んでいるのならアリシア。私と一緒に行動しないか?」

「えっ?」

「一緒に、白金騎士団の一員として、この国に暮らす人々の為に戦わないか?」

 ジークフリート第二王子もまた騎士に、期間を定めて非常勤騎士として働こうと考えている。自らの騎士団、白金騎士団を率いて。

「…………」

 突然の誘い。だが、どう答えるべきかは分かっている。学院を卒業した後も、ジークフリート第二王子の側にいるのだから、了承する以外の選択肢はない。

「どうかな?」

「…………はい。分かりました」

 アリシアは選ぶべき答えを選んだ。力を、ハッピーエンドで終わらせる為の力を、アリシアは必要としている。ジークフリート第二王子と彼の騎士団はその力なのだ。ゲームシナリオとは異なるハッピーエンドで終わらせる為には、少しでも多くの力を手に入れなければならないのだ。

「そうか。良かった」

 ジークフリート第二王子は、アリシアに了承してもらえたことで、ホッとした表情を見せている。彼にとっても大切な一歩なのだ。

「ひとつ教えてください。どうしてジークは、非常勤騎士になろうと思ったのですか?」

 ジークフリートはこの国の王子だ。非常勤騎士になる以外の選択肢もある。そうであるのに、騎士団まで作って、非常勤騎士になろうとする理由を、アリシアは確認しておきたいと考えた。

「この国は強国で豊かな国だ。でも、この国に生きる全ての人々が幸せに生きているとは思えない。国の手が届かない問題も沢山あるはずだ。私はもっとこの国の現実を知りたいと考えている。そして出来れば、救える人を全て救いたいと思っている」

「立派な考えです」

「アリシア。私は君も救いたい」

「……私は別に」

 救ってもらわなければならないようなことはない。ジークフリート第二王子の言葉の意味が、アリシアには分からない。

「君がレグルスのことをどう思っているかを聞くことはしない。それは意味のないことだ」

「…………」

 ジークフリート第二王子はレグルスとの話を持ち出してきた。想定外、とはアリシアは思わない。近い将来、必ず直面する問題なのだ。ただ、今これを話す理由が分からなかった。

「君が辛い想いをするのは、私には耐えられない。でも、それが避けられないものであるなら、私はその時の君を支えたい。私に支えさせて欲しいと思っている」

「ジーク……」

 控えめに聞いてもプロポーズ。ただこれも、「何故、今?」という思いがアリシアの心に浮かぶ。

「つい最近も、姉はレグルスと共に花街に出かけたそうだ」

「えっ……」

 エリザベス王女とレグルスの関係。それはアリシアがもっとも気にすることだ。まして花街という場所にエリザベス王女を連れて行ったということになると、アリシアは動揺を抑えられない。自分だけの特別な場所を土足で荒らされた。こんな思いまで湧いてきてしまう。

「もしかするとそう遠くない時期かもしれない。答えは求めないけど、考えておいて欲しい。私は、常に君の味方だよ」

「…………」

 アリシアは混乱している。事態が飲み込めないでいる。どうしてエリザベス王女なのか。サマンサアンであれば、まだ理解出来る。ゲームシナリオ通りに物事が進もうとしているのだと受け入れられる。だがそうではないのだ。ゲームには登場していなかったはずのエリザベス王女が、本来は敵役であるレグルスと結ばれようとしている。これは何を示しているのか。ゲームシナリオはすでに崩壊しているのか。それとも、サマンサアンに代わる悪役令嬢が登場することになったのか。
 アリシアの頭は混乱している。

 

 

◆◆◆

 レグルスとエリザベス王女の関係が急速に進展している、とアリシアは誤解した。誤解させられたと表現するべきかもしれない。ただ、まったくの誤解かというと、そうではない。動きは確かにあるのだ。レグルスとエリザベス王女、当人同士の気持ちの動きではなく、周囲が探り探り動き始めていた。探り探りではあるが、分かる人には分かる形で。

「この時期って何かあったかしら?」

「記憶にないな。それに過去の例を考えても意味はないと俺は思う」

「やっぱり、そうよね」

 唐突に招待状が送られてきた王家主催のパーティー。例年行われているものでないことは考えるまでもなく分かる。では何故、今この時期にパーティーが行われるのかとなると、キャリナローズとタイラーにはひとつの可能性が思いつく。

「王家がいよいよその気になったってこと? ジークの差し金かな?」

 クレイグも二人と同じ可能性を考えている。レグルスとエリザベス王女との接点を作る為のパーティーである可能性だ。

「個人的な感情だけで王家が動くか? きっかけはそうだとしても、他に理由があるはずだ」

 ジークフリート第二王子の想いを叶えてあげる為に、王家が動くとはタイラーには思えない。エリザベス王女の意向も働いているとしても同じだ。王家や貴族家の婚姻は個人ではなく、家の都合が優先させるものなのだ。

「理由ね……それを推測するのは簡単ではないわね? レグルスに聞いてみる?」

「心当たりがあるとしても、それを素直に話す奴か?」

「意外と素直だけどね? でも、まあ、王女殿下が絡むこととなると無理ね」

 このパーティーがレグルスとエリザベス王女の関係を深める為のものであるとして、王家がそういった段取りを行おうと思うようになった理由を推測するのは容易ではない。花街での出来事を詳しく知っていれば、話は別だ。だが三人にはそこまでの情報はない。
 エリザベス王女の護衛についた諜報部からレグルスと花街の人々との関係性を詳しく聞いた国王が、王家に取り込むべき人間ではないかと思い始めたことなど、分かるはずがない。

「彼女に聞いてみれば?」

「クレイグ。お前って酷い男だな?」

「駄目?」

「何て聞くのだ? どうやら破局になりそうだけど何かあったのかなんて、俺は聞けない」

 クレイグの言う通り、もしかするとアリシアは事情を知っているかもしれない。だがタイラーにはそれを聞く勇気がない。そこまで無神経ではない。

「そんな直接的な聞き方する必要はないでしょ? もっと遠回しに……難しいか」

「だろ? キャリナローズ、さりげなく王女殿下に話を聞いてくるのはどうだ?」

「さりげなくって、どういうのよ? 上手く行きそうで良かったですね、とでも聞くの? そんなの私は――」

『どこに行った? 探せ!』

 他人の恋愛話で、何気に盛り上がっていた三人。その三人の会話を止めたのは、鎧姿で庭を駆け回っている騎士たちの騒がしい声だった。

「何かあったの?」

「侵入者、なのか?」

「嘘でしょ? 城に忍び込んでくるなんて、何者よ?」

 騎士たちは何者かを探している。その様子から考えられるのは、侵入者の存在。だが城に、たとえ表門に近い庭であるとしても、侵入してくる者がいるとは、すぐには信じられない。

「きゃあ~!!」

 だが侵入者は実際にいた。騎士たちから逃げ回っている女の子の姿が三人にも見えた。

「逃がさないわよ」

 その女の子の前に立ちふさがったのは、アリシアだった。素早い動きで女の子の行く手を塞ぎ、捕えようとしている。

「……アオ~!! たすけて~!!」

「えっ?」

 女の子はアオを呼んでいる。それにアリシアは驚いた。この場にいるアオといえば、レグルスに違いない。女の子はレグルスの知り合いということになる。

「ココ? こんなところで何している?」

「アオ~」

 すぐに現れたレグルスの足に抱きつくココ。

「どうした? 外で待っていろと言っただろ?」

「だって……つまんない」

「すぐに戻るって言ったのに……しようがないな」

 レグルスにすっかり懐いている様子のココ。今では甘えるという点に関しては、兄であるスコラ以上の相手にレグルスはなっているのだ。レグルスが甘やかしすぎるという理由もある。

「この子、誰?」

 アオという名でレグルスを呼ぶ女の子。平民であることは、服装でも分かる。だがココはアリシアが初めて見る女の子。知り合った経緯が気になった。

「う~ん。あるきっかけで知り合って、今は妹みたいな感じ?」

「妹!?」

 レグルスの妹、ではなく年齢的には姉だが、の座を奪う女の子が現れた。想定外の出来事にアリシアは、思わず大声をあげてしまう。

「このひと、こわ~い」

 その声に怯えた様子でレグルスに抱きつくココ。

「脅かすなよ? 可哀そうだろ?」

「別に脅かすつもりは……えっ? 今、笑った。その子、こっち見て、舌出して笑ったわよ」

 レグルスに注意されているアリシアに向かって、舌を出して笑っているココ。それを見たアリシアは、それをレグルスに訴えたのだが。

「……怖がっているだろ?」

 レグルスが視線を向けた時には、またココは怯えた様子で、アリシアに背中を向けていた。

「ええ……何? 新しい悪役令嬢? この子が、いや、別にアオはヒーローじゃないし……じゃあ、この子、何?」

 何が何だか分からなくなって、激しく動揺しているアリシア。

「何を訳の分からないことを言っている? それと、ここ城だから。ちゃんとしろ」

 これを言うレグルスも、完全に素に戻って話をしているのだが、彼の場合はすぐに切り替えられる自信がある。その必要があると分かったので、すぐに戻れそうにないアリシアを注意したのだ。   

「……お知り合いですか?」

 声を掛けてきたのはココを追いかけてきた騎士。レグルスの知り合いだと分かって、追いかけるのは止めたが、それで終わりというわけにはいかないので、話かけてきたのだ。

「ええ、まあ」

「そうだとしても、城への無断侵入は問題ですが? それとも招待状を、お持ちですか?」

 騎士としては、いくら北方辺境伯家のレグルスの知り合いだとしても、不問にするわけにはいかない。城への不法侵入は犯罪なのだ。

「招待状は……」

「今、招待するわ」

「王女殿下……」

 そこに割り込んできたのはエリザベス王女。侵入者がレグルスの関係者だと分かって警戒を解き、事情を尋ねにやって来たのだ。

「強引なのは分かっているわ。でも相手は子供。牢に入れるわけにはいかないでしょう?」

「……王女殿下がお許しになられるのであれば」

 エリザベス王女相手に強弁するわけにもいかない。彼女が許したとなれば騎士たちも、侵入を許したことは叱責させるだろうが、罰せられることにはならない。素直に引き下がっていった。

「ありがとうございます」

「……知り合い?」

「実は、先日の花街で……今は兄と二人で花街の外で暮らしています。私は、仕事を紹介したり、面倒をみています」

「そう、花街の。可愛いわね? レグルスに会いたかったのかしら?」

 膝を折り、ココと視線を同じくして話しかけるエリザベス王女。特に意識してのことではない。子供と話をする時は、出来るだけ、こうするべきと教わってきたのだ。

「レグルスじゃなくて、アオ」

 ココのほうは警戒心を隠すことなく、きつい目でエリザベス王女を見ている。新たなライバルの登場、とまでは思っていないが、レグルスと親しげなのが気になるのだ。

「そうね。でもここではアオはレグルスと名乗っているの。名前がいくつもあるみたい」

「ココもアカちゃんてよばれてた。でもいまはココ。アオがつけてくれたの」

 「正確には俺じゃなくて、教皇な」というレグルスの呟きは、小さすぎて二人には聞こえない。聞こえる必要もない呟きだ。

「まあ、そうなの? 良かったわね。良い名前をつけてもらえて。可愛いココちゃんには、ぴったりの名前だわ」

「アオ、じゃなくて、レグルスもそういってくれた」

 エリザベス王女に名を褒められて、少し表情が緩むココ。レグルスがつけてくれた、実際は教皇なのだが、名であるココを気に入っているのだ。

「あら? ココちゃんは頭も良いのね? そうよ、ここではレグルスと呼んであげてね?」

「うん」

 王家の人間であれば、視察先で初めて会う子供相手にも、すぐに和やかな雰囲気を作れなければならない。というのは理想であって現実にはそうはいかないものだが、エリザベス王女はココには好かれたようだ。

「そうだわ。せっかくパーティーに参加するのだから、おめかししてみる?」

「おめかし?」

「もう少し綺麗なドレスを着てみないって聞いているの。私が子供の頃のドレス、数着は残っていると思うから貸してあげるわ。さらに可愛くなったココちゃんを見れば、レグルスも喜ぶと思うわよ」

「きる!」

 レグルスが喜ぶ。こう言われてしまえば、ココは拒否出来ない。兄以外で初めて、本当の意味で、自分に優しくしてくれるレグルスのことが、ココは大好きなのだ。

「じゃあ、ココちゃんを少し借りるわね?」

「はい。ありがとうございます」

 ドレスに着替えさせる為に、エリザベス王女はココの手を引いて、建物の中に入っていく。その背中をみているレグルス。内心では、かなり驚いている。

「結構、気難しいのだけど……さすがと言うのかな?」

 ココは気難しい女の子だ。幼い頃から兄のスカルに他人に注意するように言われているので、人への警戒心が強い。初対面の相手と手をつないで歩くなど考えられないのだ。

「……どうせ、私は嫌われたわよ」

「お前、何をいじけて……はっ? お前……泣いているのか?」

「泣いてない!」

 エリザベス王女のことで酷く落ち込んでいたところに、姉妹の座を奪う女の子まで現れた。その女の子と、わずかな時間でエリザベス王女は仲良くなった。自分との違いを見せつけられた思いだった。寂しいような悔しいような、説明出来ない感情が、アリシアの心を震わせていた。

「あれだ。気にするな。ココがお前を嫌ったのは俺のせいだから」

「ええ、そうでしょうね。あんな小さな子にまでモテちゃって」

 あんな小さな子にまでヤキモチを妬いている自分には気づいていないアリシアだった。

「違うから。ココに、他に妹がいると言ってしまったからだ。自分の座を脅かす相手だと思っているのだと思う。一瞬でお前のことだと見抜いたのだな。そういうところ敏感というか、特別な才能があるみたいだ」

「妹……」

「だから、ちゃんと、お前はお姉ちゃんだと説明しておくから」

 アリシアは妹にされたことを不満に思っている。こうレグルスは思ったのだが、それは間違い。アリシアは、レグルスが自分を家族として説明してくれていたことを、表情には出ていないが、喜んでいるのだ。

「そういえば、ココは、よくここまで入ってこられたな。隠密の才能もあるのかな? ずっと隠れ潜んでいたから可能性はあるかもな」

「……今度、ちゃんと紹介してね」

「ん? ああ、姉だと言っておく」

「そうじゃなくて、ちゃんと会わせてって言っているの。どうやらいるみたいな、もう一人の弟とも」

 何があっても変わらない関係もある。レグルスと自分は家族だということ。それをアリシアは確認できた。それを忘れていた自分が情けなかった。

「ああ……そうだな。スカルは、ココとはまた違った意味で、気難しいからな。まあ、お前なら平気か」

「だと良いけど」

「平気だ。俺と上手くやってこられたのだから。スカルは、ちょっと似てるんだ。昔の俺に」

「へえ、それは会うのが楽しみね」

 レグルスは自分との関係を良いものだと思ってくれている。そうでなければ、今の二人はないと分かっていても、言葉にしてもらえると、やはり嬉しい。ずっと曇っていたアリシアの心が、一気に晴れた。
 ゲームシナリオが、この先の未来がどうなろうと変わらないものがある。それが心強かった。

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