早朝のカマークの街に、耳をつんざくような鐘の音が鳴り響いている。非常事態の発生を告げる鐘の音だ。これは、カマークの住民たちに聞かせるというものではなく、バンドゥ領全土に知らしめる為のもので、カマークの鐘を受けて、周囲の村でもすでに鐘が鳴らされているはずだ。
非常事態を伝えるのは鐘の音だけではない。カマークの外壁にある見張り台の上からは狼煙が上げられている。この狼煙も又、バンドゥ領全体に広がっているはずだ。
実際に城の見晴台からは、空に立ち上る煙が幾筋か見えている。
「……状況は?」
遠くを見つめながらリオンが呟いた。
「東西南北、全てで魔物を確認」
リオンの問いに答えたのは、いつの間にか後ろに控えていた黒の党のブラヴォドだ。その気配を感じたから、リオンは問いを発したのだ。
「領境を封鎖したつもりか……数は?」
「各一万から二万。あくまでも目視で確認出来る範囲で」
「……こちらを閉じ込めるつもりなら、山中にも居るか」
バンドゥは周囲を山に囲まれた土地。だが、その山中にも、いくつか道はある。領外の者には知られないように、あえて荒れ果てたままで放置してある裏道だ。
「調査を?」
「……敵の動きは?」
「カマークへ。ただ進軍は遅い」
「封鎖だな。では山中にも居ると考えるべきか。調査は不要だ。わざわざ待ち構えている所に飛び込む必要はない」
「はっ」
「……マーキュリー。今、戻ってきた部隊に、次はユシの砦へ行けと」
「はっ!」
黒の党を斥候に派遣するとともに、警護隊には周辺の村の住人たちの避難を誘導するように命じてあった。その部隊の一つが、戻ってきたのが、見晴台から見えていた。
「七、八万、山中に隠れているのも入れれば倍か、三倍か。しかし、どうやって……」
これだけの魔物が現れた戦いなど、リオンは聞いた覚えがない。まして、これだけの数の魔物をどうやって送り込んできたのか。何百もの転移魔法陣が必要になるはずだ。
「……こんなイベント、聞いてねえぞ。あの馬鹿女!」
じっと堪えていたリオンの怒りがここで爆発した。これだけの魔物が集まる戦いなど、ゲームの重要イベントに決っている、とリオンは考えている。それをマリアは隠していたのだと。
「リオン、今は文句を言っていても仕方がないわ」
「……ああ」
「出来ることをするのよね?」
「……そうだな。出来ることをするだけだ。ブラヴォド、魔物の監視と共に、住民たちの非難状況を調べろ。カマークまで辿り着けそうなら、それで良い。無理そうなら、近くの砦に逃げ込めと」
「砦が襲われた場合は?」
「……助けに行くまで、ひたすら耐えろだ」
「了」
最後に一文字を残して、ブラヴォドをこの場から消えた。部下の指揮に戻ったのだ。
「ソル!」
「はっ!」
「お前にも働いてもらう」
「承知しました!」
「元王国騎士兵団の者たちに協力依頼を。彼らを指揮官として住民たちの志願兵を纏めろ。カマークの守りはしばらく任せる」
「はっ!?」
リオンの頼みだと、はりきって引き受けたは良いが、その中身はとんでもなく重要な任務だった。
「俺が戻るまでだ」
「……リオン様は?」
「聞いていただろ? 逃げ遅れた領民たちを救出に行く」
「本気だったのですか……」
リオンがブラヴォドに伝えた言葉を、ソルは領民たちを動揺させない為の方便と捉えていた。ソルはまだまだリオンを理解していない。常識に捕らわれていると言った方が正しいかもしれない。
「その場しのぎの言葉で、人々が安心出来ると思っているのか? もし本気でそう思っているなら、それは民を馬鹿にしている」
だが、非常時において、その場しのぎの言葉が横行しているのも事実だ。軍人であるソルは、その必要性を理解している。
「……危険です」
「安全な所に居て、事態が回復するなら俺だってこんな事はしない」
「……ですが、リオン様が自ら動かなくても」
「お前、俺を何だと思っている? 俺はバンドゥ領主だ。俺が動かなくて他に誰が動く? それに、俺は出来ない事を出来るなんて言わない。マーキュリー!」
ソルとの話を切り上げて、リオンはマーキュリーの名を呼ぶ。今は無駄話をしている時間はないのだ。
「はっ!」
「近衛兵団全部隊に出撃の準備を! 半刻後に出る!」
「はっ!」
「クロノス! カマークの防衛準備を! 第一級事態だ! 全武装の解放を許可する!」
「はっ! 直ちに!」
「アレス! テラス! 俺が不在な間の警護隊の指揮を任せる! 村民の誘導が終わるようなら、カマークの防衛任務に就け!」
「はっ!」「ははっ!」
リオンの指示を受けた部下たちが、次々と動き出して行く。やがて城内全体が戦闘態勢に入り、、そして、それはカマーク全体に広がっていく。
それから数刻後。完全に戦闘モードに移行したカマークの外壁の上で、ソルは迫り来る魔物の群れを眺めていた。その数、およそ五万。予想される魔物の総数からすれば、四分の一か、それ以下だ。
それでも、平原を黒く埋めて迫ってくる五万の大軍は、見るものに充分以上に脅威を感じさせる。
「準備は出来ている」
横からクロノスが声を掛けてきた。ソルは知らないが、クロノスは黄の党のアペロールの息子だ。
「まだ早い」
「しかし……」
「落ち着け。これだけの備えがあれば、そう簡単に落ちない。全く、よくもまあ、ここまでの用意をしていたものだ」
リオンがクロノスに出した指示の意味を、ソルは戦闘準備の中で知った。それを知った時、このような状況の中でも、ソルは呆れるしかなかった。
外壁と内壁の間にあった多くの建物、この街を訪れる商人に貸し出している倉庫や、交易所の建物だとソルは聞かされていたのだが、それは大嘘だった。
戦闘準備を命じられたクロノスの指示で、次々と壊されていく建物。その中から現れたのは、何台もの投石器、バリスタなどの遠距離兵器や、それに使う大量の石や弓の山だった。
それだけではない。小型の弩も山程あり、それは全て住民たちに配られた。十万を超えるかもしれない魔物の大軍相手とあって、住民たちにも協力を頼んだのだと思っていれば、とんでもない。住民たちは、鍛えられた兵のように、きびきびとした動きで戦闘配置について行く。志願兵などという動きではなかった。実際には志願兵なのだが、そう思えないほど、鍛えてあるという事らしい。
他人を巻き込む事を嫌がりながらも、リオンはやることはやっていたのだ。
出来ることをやる、これは、事態が起きた時の心構えではなく、日々の積み重ねを示していたのだと、今更ながらソルは知った。又、一つ、リオンに教わったのだ。
「投石準備!」
いよいよ魔物が射程に入ったとみて、ソルは右手を大きく上にあげて号令の声をあげる。
それに応える声が、壁の内側から聞こえてきた。
「……放てぇえええっ!!」
一気に振り下ろされた腕。それから一拍遅れて、大小様々な石がカマークの外壁を超えて、魔物の群れに降り注いでいった。
「次だ! 撃てぇえええっ!!」
後の時代にも語り継がれる程の激戦となるカマーク防衛戦。それはソルの号令から始まった。
◆◆◆
バンドゥから遠く離れた王都近くの廃城。魔人との決戦場であるこの場所でも、激戦が繰り広げられていた。ただ、それは当初考えられていた戦いの様相とは、かなりかけ離れたものになっている。
グランフラム王国側の攻撃軍二万。その前に立ちはだかる魔人側は、わずか二人だったのだ。
「マリア! あれはどうやって、倒せば良いのだ!?」
「それは私が聞きたい! どうして倒れないのよ!?」
マリアはもう周囲の目を気にする事も忘れて、逆ギレ状態だ。
「駄目だ! 一旦引く! 下がれ!」
アーノルド王太子の声で、戦っていた者たちが一斉に後ろに下がっていく。魔人二人は、ただ黙って見ているだけ。追う様子は全くない。しばらくすれば、奥へ続く扉の裏に引っ込んでいく事だろう。
もう何度も繰り返されている状況だ。
攻城戦を覚悟して慎重に廃城に攻め寄せたグランフラム王国軍だったが、いざ、攻撃を開始してみると、魔人側からの反撃は全くなかった。それでも罠である事を警戒して、慎重に慎重に軍を進めて行ったのだが、いくら奥へ進んでも、反撃どころか、魔物の姿も見えない。
何がどうなっているか分からないまま、地下を進んでいたグランフラム王国軍の目の前にようやく現れた敵が、元諜報部長であった魔人ゴランと、同じ四天王で毒のバロンを名乗った魔人の二人だった。
だが、この二人が異常に強い。
まずゴランは王城でもそうであったように、剣が全く通らない。その上、無詠唱での鉄属性魔法という武器もある。並の騎士では全く刃が立たず、ただ屍を重ねる事になった。
そしてもう一人のバロンはもっと質が悪い。名乗り通りに本人は毒なのだ。しかも、ある一定の距離に近づいただけで、気絶するか、そのまま死んでしまうような、とんでもない毒。知らずに近づいた騎士や兵たちは、何も為すことなく屍の山を築くことになった。
そんな事態になって、ようやく真打ち登場とばかりにマリアたちが出て行った。元々、相手は二人だ。軍隊として戦う方が間違っているのだが、そこは二万という数が対応を遅らせてしまう事になっていた。
地下へ地下へと続く道を、数千の軍勢が列になって進んでいては、先の方で何が起きているかなど、すぐに把握出来ない。これも又、そのような状況にするまで放っておいた判断ミスではあるが。
とにかく、マリアたちが前線に出て戦う事で、いよいよ魔人との決着が付くと思われたのだが、時はそれから一月が経過している。軍と軍ではなく、少数同士での戦いで一ヶ月だ。常識の範囲を超えている。
その原因は、切り札である究極魔法フュージョンが効かない事だ。全く効かない訳ではない。魔法の効果はあるのだが、致命的なダメージを与えられないのだ。
鉄のゴランの弱点は、その硬い体を溶かすほどの高熱だ。それは王城でも証明されている。だが、いくら魔法で攻撃しても止めを刺せないのでは、やがて、温度は下がり、元の硬さを取り戻してしまう。それを一月、延々と繰り返しているのだ。
もう一人のバロンにも弱点はある。その体を凍らせて、毒の脅威を取り除いてから、攻撃する事だ。これは何度も惜しい所まで行っている。だが、バロンを凍らせて、攻撃を仕掛けようとすると、横からゴランが邪魔をしてきて、果たせないでいた。
それで一月だ。戦っては決着が付かずに、休憩。そして又、戦いを繰り返す毎日。
その間、二万、王都防衛も含めて五万もの大軍を投入しておいて、実際に戦っているのは、マリアたち五人だけという、何とも馬鹿げた状況になっている。
この状況の影響で、魔人との決戦という緊張感は、かなり薄れ、軍全体に厭戦気分が漂っている。実際に出直すべきだという声も出ているくらいだ。出直すか、そうでなくてもフレイ子爵を呼び寄せるべきだという声が。
マリアとしては、焦りというよりは、もう羞恥心の方が強い。自分がすっかり、道化役になっている事が分かるのだ。
嫌なら、魔人を倒せば良いとなるのだが、どうしても倒せない。倒すべきはゴランなのだ。ゴランさえ倒せば、バロンは脅威ではない。だが、そのゴランを倒せる目処が全くつかないでいた。
今日もこれまでと同じ。変わらない一日が終わる、そんな風に周囲の者が考えた時、一月ぶりの変化が現れた。前線にまさかの情報が持ち込まれたのだ。
「ブラヴォド!? どうしてお主がここに!?」
驚きの声をあげたのはモヒート。その前に、全身ボロボロになっているブラヴォドが蹲っていた。その声を聞いて、バンドゥ領軍の者たちが集まっていく。
「……何があった。この怪我は何だ?」
話を聞かなくても、ブラヴォドの様子でろくでもない事態が起きた事は分かる。詳細を尋ねるカシスの声は、すでに少し震えていた。
「……バンドゥに、魔物が。数は……三十万」
「ば、馬鹿な……」
予想を遥かに超える情報に、カシスをはじめ、バンドゥの者たちは声を失ってしまう。そして、当然、驚いているのは、バンドゥの者だけではない。
周囲が騒然としている中、進み出てきたのは、戦いの場から戻ってきたアーノルド王太子だ。
「それは、いつの情報だ?」
「二週間前」
「そうか……」
さらりとブラヴォドは言ったが、バンドゥとの距離を考えれば、二週間は異常な早さだ。だが、今はこれを追求している時ではない。
「現在の戦況は? 想像で構わない。どう考える?」
「……分かりません。ですが、ご領主様は救援を求めました。それは単独で守るには限界が近いという判断ではないかと」
恐らく、ブラヴォドの声をこれだけ聞くのは、バンドゥの者でも初めてだろう。それが尚更、バンドゥの切羽詰まった状況を思い知らせる。
「バンドゥ領軍に帰還の許可を」
カシスがアーノルド王太子に離脱の許可を求める。だが、これは無茶というものだ。
「バンドゥ領軍だけが戻ってどうなる? 三十万の魔物だぞ?」
「しかし……」
「とにかく、すぐに王都に伝令を! 総指揮官! 王都の余剰戦力は?」
三十万の魔物。その討伐にどれだけの軍勢が必要になるのか、アーノルド王太子には判断がつかない。
「王都防衛に配置された三万が余剰といえば、余剰ですが、それを動かす訳には参りません」
防衛に回った三万は、この一月、ひたすら待機だ。だからといって、王都の防衛体制を緩める訳にはいかない。それで魔物の侵入を許すことになれば、バンドゥと同じか、それ以上の悲惨な事態を招くことになる。
「つまり援軍を出せないのか?」
「手としては一つ。王都の防衛を維持したままで、この軍でバンドゥに向かう事です。攻略は完全に停滞しています。攻撃を一旦、中断しても大勢に変わりはありません」
「その手があるか」
「数は二万ですが、王太子殿下や侯家の方々が居るのであれば、三十万の魔物でも、戦えるのではないですか?」
アーノルド王太子たちの圧倒的な魔力。それが魔物との戦いで、どれだけ力を発揮するかは、これまでの戦いで証明されている。それに、バンドゥにはリオンが居る。リオンであれば、十倍以上の敵でも、何とかするはずだ。
「……ちょっと待て? バンドゥにはどれだけの兵が居るのだ?」
そのリオンが救援を頼む状況。それがどのようなものなのか、今更ながら、アーノルド王太子は気になった。
「開戦当初は、領軍、志願兵を合わせて二千ほど」
「……二千で、三十万を相手にだと? どうして、そんな無茶を!?」
「四境を全て封鎖されました。そこから、領民たちは追い込まれるような形で、カマークに避難を。それでもう逃げる事など」
バンドゥを襲った魔物も実に統制が取れた動きをしていた。リオンが頑張って、各村から助けだした領民たちが、結果として、リオンをカマークに縛り付ける人質のようになっているのだ。
「……そうか。とりあえず、地上に上がろう。王都からの許可が出次第、すぐにバンドゥに向かう」
「駄目だよ!」
この状況で、アーノルド王太子の言葉を否定する者が居た。マリアだ。
「……何が駄目なのだ? 話は聞いていただろ?」
「今からバンドゥに向かって、いつ着くの?」
「手遅れだから、放っておけとでも言うつもりか!? ふざけるな!」
マリアに向かってアーノルド王太子の怒りが爆発した。
「ち、違うの」
マリアの顔が青ざめている。アーノルド王太子に怒鳴られるなど、マリアは初めてだ。そもそも怒鳴る姿を見たことがある者は、この場には、幼い頃から側で仕えているランバードしかいない。
「何が違う!? そもそも貴様は、どうしてバンドゥへの襲撃を黙っていた!?」
「違う! 隠していた訳じゃないの! バンドゥに魔物が現れるなんてイベント、私も知らないの!」
アーノルド王太子の剣幕に怯えながらも、マリアは必死に否定する。そうしなければ、殺されそうな勢いなのだ。実際に、知っていて隠していたのなら、殺されてもおかしくない。公式には認められていなくても、リオンは王族だ。それを知りながら命を狙うような者を生かしておく訳にはいかない。
「では、どうして俺の邪魔をする!?」
「違うの! お願い! 私の話を聞いて! バンドゥに行かなくても、彼を助ける方法はあるの!」
「……何だと?」
リオンを助けられる、これが事実であれば、マリアの話には聞く価値がある。アーノルド王太子は、マリアを怒鳴りつけるを一旦、止めた。
「私たちが居る場所は魔人の本拠地よ。魔人さえ倒してしまえば、魔物は統制を失う。戦う気を失い、去っていく者だって居るはずよ。アーノルド様も、これまで何度もそういう所を見たじゃない?」
アーノルド王太子が聞く気を見せた所で、マリアが一気に自分の言いたい事を口にする。目新しい内容ではない。マリアが言った通り、アーノルド王太子も知っている。
だが、この場面では、確かに重要な話だ。
「本拠地を落としてしまえば、バンドゥの魔物は解散するか……」
「そうよ! だから、私たちはこの場を離れてはいけないの!」
アーノルド王太子に納得した雰囲気が見えた事で、マリアはホッとした表情を見せている。だが、これで納得していない者が居る。シャルロットだ。
「どうやって倒すつもりなの? 私たちは、あの魔人たちと一月戦い続けているのよ?」
「それは……」
事態は何の解決にもならなかった。魔人を倒せるのであれば、そもそも今の事態は起こっていない。それが出来ないから、攻撃軍は未だにここに居て、バンドゥは脅威に晒されているのだ。
「魔人を倒せば良い。それは間違いないのだな?」
「えっ?」
問いを発してきたのは、カシスだ。意外な質問者に、マリアは戸惑いを見せている。
「聞いているのだ。魔人を倒せば、バンドゥは救われるのだな?」
「えっ、ええ。それで魔人討伐は終わり、世界は救われるの」
「世界など、どうでも良い。聞いているのは、バンドゥが救われるかだ」
「……バンドゥも世界の一部だから、救われるわよ」
「では倒すしか無いな」
「出来るの!?」
「出来る出来ないではない。やるかやらないかだ。我らが、ご領主様に教わった最初の言葉だな」
「そんな、簡単に言わないでよ」
簡単に言っているはずがない。出来る、という言葉の重みも又、カシスたちは、リオンから教わっているのだ。それを、敢えて、今、発する意味をマリアは分かっていない。マリアだけではない、アーノルド王太子や他の者たちもだ。
カシスの言葉の意味を分かっているのは、同じバンドゥの者たち。そして、彼らも覚悟を決めた。自分たちで魔人を倒すと。魔人との決戦は、最後の最後で、意外な登場人物たちを、中心に迎える事になった。