月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

奪うだけの世界など壊れてしまえば良い 第8話 下っ端から始める

寮の敷地内になる共有棟。全寮生が自由に使えるスペースとして、キッチンと食事スペース。休憩スペースがあることは知っていた。そこを利用するのは平民出身者だけ。勝手にそう思っていた。貴族家の従者がキッチンで料理をし、それを主人が食べている姿など…

奪うだけの世界など壊れてしまえば良い 第7話 いつからこんなお人好し

色々と状況を整理してみる。クリスティーナとの話し合いが終わった後、厄介事に巻き込まれた自分にコルテス君が情報を与えてくれた。より詳しい有名人物たちと、その関係性の情報だ。どうしてここまで情報を得ているのかと驚くほどのボリューム。コルテスは…

奪うだけの世界など壊れてしまえば良い 第6話 悪役令嬢、候補

問題がひとつ解決した。<鑑定>で見られる名前。そこから元の世界の名前が消えた。ただのカイトになった。 これもリーコ先輩のおかげ、かどうかは良く分からない。先輩に教わった<隠蔽>は何故か取得出来なかった。魔道術式の解析は出来た。だが再構築が上…

継ぐ者たちの戦記 第50話 思惑が交差する

ハイランド王国の特別自治区での事件を受けて、勇者ギルド上層部の動きが慌ただしくなった。特別自治区が襲われたことそのものは、勇者ギルドにとっては、大きな問題ではない。これまで何度もあったことなのだ。上層部を慌てさせたのは自治区の責任者、ソニ…

奪うだけの世界など壊れてしまえば良い 第5話 先輩も出来た

王立騎士養成学校の図書館はとんでもない規模だ。霞んで見える、なんていう言葉も過言ではないほど広い部屋に本棚がずらりと並んでいる。広さだけではない。身長の何倍もの高さの本棚。「あんな高いところにある本を、どうやって取るのだ?」と思ってしまう…

奪うだけの世界など壊れてしまえば良い 第4話 嫌な予感しかしない

王立騎士養成学校の授業は意外と座学が多い。騎士養成学校なんて言うから、てっきり、厳しい鍛錬の毎日だと思っていたのだが、そうではないようだ。 実際、座学で学ぶことは沢山ある。まずは<加護>について。教授が「神が与えたもうた恩寵」なんて言い方を…