月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

災厄の神の落し子 第74話 わだかまり

帝国騎士養成学校の授業は日々、帝国騎士団との合同訓練のようになった。と言っても、まったく同じ訓練を行っているわけではない。帝国騎士団の団員たちは、従士を除けば、基本、教える側。一人の教師役が教える騎士候補生の数を大きく減らすことが目的だ。…

黒と白の動乱記 プロローグ

夜空をゆっくりと流れる雲が月を隠し、辺りは闇に包まれている。耳に届くのは虫の音。だが今の彼に風流を楽しむ余裕などない。闇の中を動く人の影は見えない。足音も聞こえない。それでも人はいる。同じように闇に潜む彼を探す者たちが。 突然の襲撃だった。…

災厄の神の落し子 第73話 見えない未来、見えている未来

新学期の始まり。ローレルたちは二年生になった。といっても特別何かあるわけではない。騎士養成学校での訓練の日々が、二年目に突入したというだけのことだ。 新一年生が入学しても日常の交流などない。上級生ともそれは同じ。帝国騎士養成学校においては先…

災厄の神の落し子 第72話 後日談

イアールンヴィズ騎士団の訓練は以前よりも、リルやシュライクたち、ガラクシアス騎士団の若手が参加するようになってからよりも更に激しさを増している。プリムローズ救出作戦がその理由だ。 プリムローズの救出には成功したが、参加したイアールンヴィズ騎…

災厄の神の落し子 第71話 片鱗

帝都第三層、商業地区の表通りにある酒場でベンティスカは元コープス騎士団の仲間と会っている。イアールンヴィズ騎士団に勧誘する為だ。相手はグラトニー団長に指定された通り、二人。ベンティスカとしてはもう少し人数を増やしたところだが、団長の指示を…

災厄の神の落し子 第70話 入団希望者

イアールンヴィズ騎士団の拠点をリルたちは訪れている。団長のグラトニーに、至急ということで呼び出されたのだ。そのような呼び出しは初めてのこと。何事が起きたのかと思い、慌ててやってきたリルたちだったが、状況は想定外のものだった。いるはずのない…