月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

災厄の神の落し子 第60話 乱世を生きる資格

トゥレイス第二皇子の周囲が騒がしい。そう思っているのはトゥレイス第二皇子本人くらいで、実際の動きは、まだ小さなものだ。だが、これまで立場的に大きな期待を向けられていなかった身としては、手のひら返しに思えるような周囲の反応が煩わしく思えてし…

災厄の神の落し子 第59話 行き着く先

ローレルとプリムローズが出て行ったあとのイザール侯爵家。厄介者扱いされていた二人がいなくなったことで、イザール侯爵家内の雰囲気もかなり穏やかなもの、にはなっていない。蔑みや虐めの対象、怒りの向け先がいなくなっても、結局はまた別の不満が生ま…

災厄の神の落し子 第58話 思わぬ反響

トゥレイス第二皇子の評価があがっている。理由は体育祭でのルイミラ第三妃とのやり取り。トゥレイス第二皇子はルイミラに対し、臆することなく意見を述べた。皇子の実の母であればまだしも、第三妃に臆することがなかったことなど特別でもなんでもないはず…

災厄の神の落し子 第57話 息抜きの時間

一年生の目の色が変った。体育祭の後に一年生に変化が生まれるのは毎年のこと。だが今年は例年とは変化の仕方が違っている。いつもは自分たちの力不足を痛感し、自信を失い、落ち込み、そこから徐々に立ち直り、授業にそれまで以上に身が入るようになる。こ…

災厄の神の落し子 第56話 祭りの後、も盛り上がっています

エセリアル子爵屋敷に一年ガンマ組の騎士候補生たちが集まっている。体育祭前のように訓練を行う為ではない。ローレルが主催、といってもエセリアル子爵家にお世話になりっぱなしだが、の体育祭の打ち上げだ。 体育祭の結果については皆、満足していない。騎…

災厄の神の落し子 第55話 番狂わせ

帝国騎士養成学校の体育祭もいよいよ終盤。競技は最後の騎馬戦を残すのみとなった。一回戦の第一試合、第二試合は、これの前の棒倒しと同じで二年生クラスの順当勝ち。これから第三試合が始まろうというところで、会場にわずかではあるが、騒めきが起こって…